しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ローマ帽子の謎」(再読)  エラリー・クイーン 

2012年10月19日 | 読書
「ローマ帽子の謎」(再読)  エラリー・クイーン       創元推理文庫
 THE ROMAN HAT                      井上勇・訳

新作劇“ピストル騒動”上演中のローマ劇場。
客席の1番後ろに座っていた、弁護士のフィールド氏が殺される。
上演中、席は立った観客が「殺された」と虫の息で言うのを聞く。
満員の劇場で、フィールド氏の席の隣6席と前の3席は空席になっていたことが、計画犯罪を思わせた。
現場からは、被害者のシルクハットが消えていた。
そして、フィールドは悪徳弁護士で、強請りもしていたことが分かる。
ニューヨーク市警のリチャード・クイーン警視とその息子、推理小説作家エラリーが事件に挑む。






これがエラリー・クイーンの処女作。
読み始めた頃は、順番は関係なかったので、今回知った。
そして、初めてリチャード・クイーン警視の容姿を認識した。
『小柄で、しなびて、どちらかというと温和そうに見える老紳士。
少し前かがみに歩き、ふさふさとした半白の髪と口髭、かげった灰色の目、すんなりとした手と、
完全に調和しているともいえる慎重な物腰』
そうだったのか。
何となく、がっちりした角ばった体系を想像していた。
エラリーは、面長で、父親より6インチ(15センチくらい)背が高く、肩は角張っている。
そして、縁なしの鼻眼鏡をしている。

再読なのだが、犯人は覚えていなかった。
しかし、読み進めていくうちに何となく犯人の目星が付いた。
思い出しているのか、今回は注意深く読んだので、閃いたのか。
どちらだろう。

ひとつひとつ可能性を消し、きっちりと犯人を割り出していく。
そこまで細かくするのかと、少々結構まどろっこしく感じてしまう所もあるが。
そして、やはり読者にはあまり知られたくないことは、何気に流していたりする。
少々疑問に思うこともあるのだが。
この辺りは、作者と読者の駆け引きなのだろう。
今回は、エラリーも決定的な証拠が掴めないので、策を弄することになるが。
謎解きに必要ない、ロマンやアクションなど余分なことは入ってこない。
自分としては、やはりこういう物語があっている。
まあ、ある程度はあってもいいが、どちらがメインか分からないような物もあるから。

なぜローマ劇場だったのか、そしてシルクハットの行方が想像出来れば、道は開けるといった感じ。
今回はそれにすぐに思い当たった。
しかし、殺人の動機は、今ならば起こらないことだろう、と思う。
世の中の流れを感じる。
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