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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ロミオとロミオは永遠に」 恩田陸

2007年03月10日 | 読書
日本人だけが地球に居残り、膨大な科学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。
それを指導するエリートへの近道は、「大東京学園」の卒業総代になることであった。
しかし、過酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ち受けていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。
やがて、学園からの脱走に命を燃やす「新宿」クラスと接触したアキラは、学園のさらなる秘密を目の当たりにする。
                 <裏表紙のあらすじより>



SF冒険活劇という感じ。
少年が主人公の物語は好きだ。面白かった。
「大東京学園」に入学するための試験も、学園の中で行われる試験も奇想天外。
ゲームはしないが、きっとゲーム感覚なのだと思う。結構やりたい放題に思考が働いている。
20世紀の色々な文化を書き表しているところも面白い。
各章のタイトルも映画から取ったもの。30本のうち、観たことがあるのは18本ほど。
この物語にはトンネルを掘って脱走するという話しがあるが、それで思い出すのは映画「大脱走」。
タイトルには出て来なかったが、それはあまりにもそのままだからかと思った。
「あとがき」で、大脱走が出て来た。やっぱり、そうなんだ。
自分も大好きな映画。計画を立てそれを実行していくための知恵や戦略を出し、実行している所が好きだ。  
そして、ラストはちょっとありがちな少年ドラマも終わりのようだったが。
しかし、未来から過去に行けたら、その逆もあるのではないだろうか。
ある時、何かの拍子に元の場所に戻っていたということもあったりして、と意地悪く考えてしまった。
今までの恩田さんとはちょっと毛色の違う物語。
こんな物語も面白いけれど、未来はもっと明るく希望があるように、いい方向に行けるようにしたい。
今からでも遅くはないと思いたい。
ひとりひとりが地球が喜ぶことをして行かれるといい。

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