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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「クレオパトラの夢」 恩田陸

2007年10月18日 | 読書
アメリカの製薬会社に席を置く神原恵弥は、クリスマス近くの日に夜景で有名な北の国H市のH駅に降り立つ。
駅には双子の妹の和見が迎えに来ていた。
恵弥は不倫相手を追いかけて、この地に暮らしている和見を東京に連れ戻すことを家族に託されていた。
その不倫相手の若槻慧が一昨日死亡したと聞き驚く。
若槻慧が恵弥の大学の同じ医学部のOBだったことを知ったのはここに来る直前だった。
そして、和見は恵弥がH市に来たのは他に目的があってのことだと推測し、
「クレオパトラって何?」と聞き、恵弥は驚きを隠せなかった。



H市と書いているが、明らかに函館。
行ったことがある所は読んでいても分かるし、懐かしい。
寒さに弱い恵弥が「酷寒の地」と表現するが、函館は北海道では一番暖かい土地。
恵弥は「MAZE めいず」の主役、女言葉を話す、妖艶な男性。しかし続編ではなく全く独立した物語。
こちらの方が面白かった。
恩田さんの物語は読み始めてすぐに面白いのが凄い。
なんだか分からないのに、恵弥と和見の会話に緊張したり、あっという間に引き込まれる。
今回は謎や推理がいっぱいで、それが合っていてもいなくても、楽しませてくれる。
ラストの謎解きはかなり凄い状況だが、なにが合っているとはっきりしないので、それも「有」なんだ。
函館が舞台ということでも楽しめた1冊。

でも、やはり言葉使いに惑わされて、頭の中で想像する恵弥が女性になっていて、はっと気が付いて男性に訂正ということが何度もあった。
自分が想像するに、髪はあんなに長くないがバンコラン。バンコランは女言葉ではないが。


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