しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「インフェルノ」   ダン・ブラウン  

2014年12月10日 | 読書
「インフェルノ」   ダン・ブラウン   角川書店    上・下巻

目が覚めたらフィレンツェだった。窓からヴェッキオ宮殿が見える。
いったい、イタリアで何をしているんだ?
当惑するハーヴァード大学宗教象徴学教授・ラングドンに、医師はシエナと名乗った。
「ここはICU。あなたの頭の傷は、銃弾によるものです」。
直後、病院に現れた暗殺者に襲われ、ほうほうの体で病院を逃げ出した二人だが、
ラングドンのハリス・ツイードの上着のポケットのは、見知らぬ金属製の円筒が。
‟生物学的有害物質(バイオハザード)“。
指紋認証で開封すると、ボッティチェルリの〈地獄に見取り図〉が現れた。
ダンテの〈地獄篇〉の影響を受け描かれた絵には、暗号が隠されているのか?
追手を逃れヴェッキオ宮殿に向かった二人を次々と危険が襲う!
    <上巻カバー見返しより>

医師シエナとともに、ヴェッキオ宮殿に向かったラングドンは、監視カメラにダンテのデスマスクを盗み出す自分の姿を見いだし驚愕する。
昨夜自分はいったい、何をしでかしたのだ?
マスクの所有者であるスイスの大富豪ベルトラン・ゾブリストには、壮大な野望があった。
生殖細胞操作の分野を一から築いたゾブリストは、人類は人口爆発のせいで滅亡するという説を唱え、黒死病(ラ・ペステ・ラーネ)に着想を得た過激な方程式を提唱し、危険視されていた。
デスマスクに残されたメッセージ、仕組まれた世界の破滅。
ラングドンは医師シエナとともに、ヴェネツィアに飛ぶ。
次々現れる追っ手をかわし、巨大な野望を食い止められるのか―!?
<下巻カバー見返しより>







ロバート・ラングドンは今回も美女と一緒に、何者かに追われながら謎解きをしつつ、有名な教会や宮殿を飛び回る。
時間との競争で、いつも目を奪われたまましばし佇んで眺める美術品や建造物も素通りしていくが、読者にはきちんと語ってくれる。
今までのパターンと似た展開。
記憶喪失になり、まったく訳が分からないというおまけ付で、右往左往する。
読んでいる方は、ある程度追う方のことも、何が始まろうとしているのかも分かる。
だから、追い掛けっこが必要以上に長く感じてしまう所もあるが。
観光場所を見せる、2時間ドラマに様な感じも少々。
この作品も映画化が決まっていると最後に書いてあったが、その為なのかとも。
人口問題が今回の事件の始まりで、それにダンテの地獄篇が絡んで来る。
面白いのだが、謎を掛ける意味がいまひとつすっきりと分からない。
ベルトラン・ゾブリストは何が望みだったのだろう。
人類を救うことなのか、自分を救世主として崇められることなのか。
前者なら、誰にも告げずのそっと実行に移してしまえば、自分もそのままの生活を続けていられるのに。
後者なら、もう少し綺麗な方法を取らないと裏目に出てしまう。
ラングドンへの挑戦状という訳でも勿論ない。
それならば何だろうと考えてしまう。
そして、ラストもあまりすっきりしないのだが。

人口問題。
日本は少子化問題。
人類は、何が原因で滅ぶのだろうか。
もっと健全な解決方法を見つけて行きたい。


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