「新リア王」 高村薫 新潮社 上・下巻
75歳の代議士福澤榮は、会期中の国会を抜け出し、青森筒木坂の普門庵を訪れる。
そこには、晴子との間に出来た息子、彰之が僧侶として暮らしていた。
雪に覆われた荒れ庵で、75歳の榮と彰之は、今までの事を語り合う。
「晴子情歌」の続編。
過去を振り返り、その時の事を確かめるように語る父と息子。
語り合うのではなく、一方通行で語って聞かせる感じ。
父は政治家のこと。息子は禅仏教のこと。
難解のイメージがあったので、時間が取れそうな時を選んで読む。
この続編「太陽を曳く馬」に合田雄一郎刑事が登場するので、これを読まないと進めない。
そう思っていたら、この物語にも合田刑事が、名前だけで登場。
確かに難しく、今振り返って説明しろと言われたら、戸惑う。
しかし、読んでいる時はそれなりに理解して進んでいたつもり。
読むのは苦痛ではなかったし、思ったより早く読めた。
青森、六ヶ所村の核燃料再処理工場の誘致のこと、原子力船むつの事。
まだ福島の原発事故の前の物語。
何とか、青森を産業で盛り上げたいと思っている政治家。
新幹線の陳情に専念している重森知事も登場するが、新幹線はまだまだ先の事なのだ。
しかし、産業の為に漁業や農業を切り捨ててしまった時代。
住民の思いと政治家の思惑には、かなりの違いがあるような気がする。
日本の在り方は、やはり道を間違えている。
政治家も実名で登場するので、知事はその時の知事だろうか。
福澤榮も、モデルがいるのかと思ったが、そうではないようだ。
仏教のことは難しく、よく理解出来ないこともあった。
こちらはもう、気持ちの中のこと。
外側は取り繕えても、内側の感情はなかなか制御出来ない。
外界からに影響されない様に思っても、過去の自分が係ってくる。
彰之と初江の関係も、いまひとつ心情が理解出来ない。
タイトルの「新リア王」は、政治家で王としてその地方に君臨した父親が、長男次男に裏切られ末の息子の住まいの寺を訪れて語る。
だから“リア王”。
物語の中にも、その例えが出て来る。
75歳の代議士福澤榮は、会期中の国会を抜け出し、青森筒木坂の普門庵を訪れる。
そこには、晴子との間に出来た息子、彰之が僧侶として暮らしていた。
雪に覆われた荒れ庵で、75歳の榮と彰之は、今までの事を語り合う。
「晴子情歌」の続編。
過去を振り返り、その時の事を確かめるように語る父と息子。
語り合うのではなく、一方通行で語って聞かせる感じ。
父は政治家のこと。息子は禅仏教のこと。
難解のイメージがあったので、時間が取れそうな時を選んで読む。
この続編「太陽を曳く馬」に合田雄一郎刑事が登場するので、これを読まないと進めない。
そう思っていたら、この物語にも合田刑事が、名前だけで登場。
確かに難しく、今振り返って説明しろと言われたら、戸惑う。
しかし、読んでいる時はそれなりに理解して進んでいたつもり。
読むのは苦痛ではなかったし、思ったより早く読めた。
青森、六ヶ所村の核燃料再処理工場の誘致のこと、原子力船むつの事。
まだ福島の原発事故の前の物語。
何とか、青森を産業で盛り上げたいと思っている政治家。
新幹線の陳情に専念している重森知事も登場するが、新幹線はまだまだ先の事なのだ。
しかし、産業の為に漁業や農業を切り捨ててしまった時代。
住民の思いと政治家の思惑には、かなりの違いがあるような気がする。
日本の在り方は、やはり道を間違えている。
政治家も実名で登場するので、知事はその時の知事だろうか。
福澤榮も、モデルがいるのかと思ったが、そうではないようだ。
仏教のことは難しく、よく理解出来ないこともあった。
こちらはもう、気持ちの中のこと。
外側は取り繕えても、内側の感情はなかなか制御出来ない。
外界からに影響されない様に思っても、過去の自分が係ってくる。
彰之と初江の関係も、いまひとつ心情が理解出来ない。
タイトルの「新リア王」は、政治家で王としてその地方に君臨した父親が、長男次男に裏切られ末の息子の住まいの寺を訪れて語る。
だから“リア王”。
物語の中にも、その例えが出て来る。
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