しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「報復」 ジリアン・ホフマン 

2011年04月06日 | 読書
「報復」 ジリアン・ホフマン   ヴィレッジブックス (ソニー・マガジンズ)
 RETRIBUTION         吉田利子・訳

フロリダで起こった連続殺人事件。
それは、若いブロンドの女性を誘拐した後、心臓をえぐり出して殺すと言う残忍なものだった。
11人の女性が被害に合うが、犯人の手掛かりはなかった。
キューピッドと呼ばれた犯人は、偶然に捕まる。
警官が止めた車のトランクに、死体が入っていたのだ。
しかしキューピッドとして捕らえられた男、ウィリアム・ルーパート・バントリングは無罪を主張する。
この事件を担当する検事補、C・J・タウンゼンドは法廷でバントリングの声を聞いて愕然とする。
それは12年前に道化師のマスクを被り、自分をレイプした男の声だった。





怖い物語。
人が起こす、おぞましい犯罪も怖い。
その後の法で裁くこと、裁けないことの怖さ。
人が作った法なのだが、何だか納得がいかないところもある。
捜査の手順を間違えたら、それは証拠にはならない。
たとえ車のトランクに死体が入っていても、それを理由に起訴することは出来ない。
ドラマでも、証拠の扱いにとても慎重なのは見ているが。
それだけ、人を裁くことを慎重にしなければならないと言うことだと思うが。
裁判も、駆け引きの世界。
何だか難しい。
事件に対する時効というもの、問題だと思う。
時効がなければ、警察がいつまでも捜査しなければならないというのもあると聞いたが。
逃げ延びたら、悪いことをしても許されるという考えが、納得いかない。
捜査はある程度の時期で打ち切ったとしても、もし何らかの形で犯罪者が見つかったら捕まえていいと思うのだが。
C・J側とバントリング側の攻防は、緊迫感があり、はらはらさせられる。
C・Jの戦いを、心から応援することが出来た。
そして最後には、もうひとつの恐怖が。

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