しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「パパ、ママ、あたし」   カーリン・イェルハルドセン 

2016年03月21日 | 読書
「パパ、ママ、あたし」   カーリン・イェルハルドセン   創元推理文庫     
  Mamma、Pappa、barn            木村由利子・訳

ハンマルビー署の刑事ペトラは、公園で凍えきった赤ん坊を発見した。
近くにはひき逃げの被害にあったらしい、母親と思われる女性の死体が。
警察が捜査を開始しようとした矢先、一本の電話が入った。
フィンランドフェリーの船内で十六歳の少女が絞殺体で見つかったという。
犯人は恋人か、行きずりの男か。
子供をめぐる二つの事件は、意外な展開を見せる。
  <文庫本裏カバーより>

ショーベリ警視シリーズ第2弾








シリーズ第2弾は、前作よりずっと面白かった。
刑事チームにも馴染みが出来、それぞれの生活も話も邪魔に感じなくなる。
2つの事件を2チームに分かれて追う形だが、どちらもテンポよく進んで行く。
それに加えて3歳のハンナと老婦人バルブロの活躍も、ハラハラドキドキでインパクトがある。
早く早くと、一緒になって気が急いた。
ビョーンの存在も不思議だった。
どうして、そういう事(電話や鍵の事)が出来るのだろう、と。
よく考えれば思いついたかも知れないが、全く気が付かなかった。
良く出来た物語で、先が気になって一気読み。
それにしても、最後に分かった犯人は、なんて奴なのだろう。
人を殺しても何とも思わず、それどころか自分の欲望を満たすために利用しようとする。
余りの酷さに呆れてしまう。
今回は犠牲になるのが子ども。
バルブロが言っているように、昔とは違う環境の変化も問題なのだ。
前作から続く、無関心の問題とも関係してくる。
ただ危険な人物も確かに周りにはいるので、自分を守る必要もある。
難しい時代だ。
事件は解決しても、問題を抱えている人たちがたくさん残される。
日常が続いていくということだが、それぞれどうなって行くのだろうと気になる。
刑事のプライベートも色々だが、ショーベリの気持ちだけは良く分からない。
夢に影響されて始まったようなマギットへの思いも、何か意味付けされるのだろうか。
それでも、浮気は駄目だ。
そして、ジャマール・マハドが正義の人でありますように。
すべてが明らかにされるだろう次作を読むのが待ち遠しい。
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