しましましっぽ

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「アルセーヌ=ルパン全集24 カリオストロの復讐」   モーリス・ルブラン 

2013年07月24日 | 読書
「アルセーヌ=ルパン全集24 カリオストロの復讐」   モーリス・ルブラン    偕成社
 LA CAGLIOSTRO SE VENGE            長島良三・訳

アルセーヌ・ルパンはプロバンズ銀行にラウール・ダベルニー名義の巨額の小切手を預金しに行く。
そこの貸金庫で、喪服を着たさえない老人が100万フランもの大金を手提げ鞄に入れるのを目撃する。
老人の後を付けたルパンは汽車に乗り、パリから12キロほど離れたル・ベジネの町にたどり着く。
池を取り囲むように立ち並ぶ別荘地の、クレマチート荘に老人は入っていった。
その近くに、売りに出ていたクレール・ロジ荘をルパンは気に入り、買う事にする。
それは丁度、後を追って来た老人が売主だった。
老人はフィリップ・ガブレルと言い、8か月前に妻を亡くし、これからニースに居る息子を訪ねて行くと言う。
フィリップの家は、隣のロランジュリ荘で、クレマチート荘は姪のエリザベートとロランド姉妹が住んでいた。
ルパンは、クレール・ロジ荘を買うお金は、フィリップがロランジュリ荘に隠していくお金を使うことにした。
妻の遺産相続の清算で、税務署を誤魔化した金だと確信したからだ。
ルパンは、知人の紹介で、クレール・ロジ荘の修理を若い建築技師のフェリシアン・シャルルに雇う。
それから数か月後、クレマチート荘で悲劇が起こる。
エリザベートが、池のボートに乗りに行き暴漢に襲われる。
悲鳴を聞いて駆けつけた、婚約者のジェロームが暴漢を撃ち殺すが、エリザベートも命を落とす。
その夜、ジェロームと別の若い男が襲われて倒れているのを発見される。
そして、容疑がフェリシアンに掛かる。
ルパンはこの事件の解決に乗り出す。
そんな折、ルパンの正体を知っているフォスチーヌ・コルチナが訪ねて来て、フェリシアンがルパンの息子だと言う。







「カリオストロ伯爵夫人」の続編と位置される。
誘拐された息子かも知れない人物が登場する。
それはそれで、ルパンの心を乱すのだが。
事件については、そのことがあってもなくてもあまり変わらない。
もっと、カリオストロ伯爵夫人との第2弾と言う感じで、丁々発止があるのかと思ったが、そうではなかった。
心理的な要素が強く、ルパンは自分の中で消化して終わる。
期待していたのとは、ちょっと違った。
そして、ルパンの物語のイメージも違う。
もう晩年だからだろうか。
探偵ルパンという感じの捜査。
ただ、調べたい家に忍び込んだりするのは盗賊のやり方かも。
こんなことが出来ると、警察などより、よっぽど有利な気がする。

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