しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「水の戒律」 フェイ・ケラーマン 

2008年09月24日 | 読書
「水の戒律」 フェイ・ケラーマン  創元推理文庫
 THE RITUAL BATH     高橋恭美子・訳

ロサンゼルス山間部にある、ユダヤ人コミュニティでレイプ事件が発生する。
被害者は水浴場(ミクヴェ)からの帰り道で襲われた。
ロサンゼルス市警フットヒル署のピーター・デッカー刑事とマージ・ダン刑事が連絡を受け駆けつける。
フットヒルでは連続レイプ事件が発生していて、それと係わりはあるのか。
しかし、厳粛なユダヤ教の教えが捜査を困難なものにする。
ピーターは数学教師でミクヴェの管理人のリナ・ミリアム・ラザラスに協力を求める。
そして、魅力的なリナに惹かれていく。

ピーター・デッカーシリーズ第1弾。


ユダヤ人コミュニティはアメリカ人にとっても謎のところ。
儀式や、なぜそう考えるのかなどをリナが分かりやすく説明してくれるので、ユダヤ教を知ることが出来る。
日本人は日常では宗教とは関係のない生活をしているし、宗教的な儀式などに触れることがない。
色々な戒律があり、日常で守っていくことは大変に思える。
でも、それが日常だったら特に大変とは思わないのだろう。
宗教はよく分からないが、世界を見ると宗教の違いは大きな壁になる。
よく知らなければそれは相手を見下す材料になり、変人扱いすることにもなる。
人間は自分が信じるもの、自分が身を置くところを1番と考えるから。
宗教書を読めばいいのだろうが、こういう物語で知識を得ることが出来るのもいい。
楽しいし、わかり易いということもあると思う。

事件の方はそれなりの驚きを加えながら無事解決するのだが、司法取引というのがどうも納得出来ない代物だ。
それで悔しい思いを捕まえた警察はするのだが、法律は人間が作ったものだから。
世の中は結構理不尽。
ピーターとリナの恋愛も宗教絡みなので、ちょっと興味がある。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 徳永英明 LIVE 千葉 | トップ | 「最後の陪審員」 ジョン・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事