しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「眠れぬ夜の殺人」 岡嶋二人  

2006年10月17日 | 読書
木村英輔、39歳は順調な人生を送ってきたが、ある夜少し飲んだ後の帰り道、すれ違った酔っ払いに絡まれる。
執拗に絡んで、暴力的になってくる酔っ払いを振り払う為に突き飛ばしてしまう。
そこは車道で酔っ払いはちょうど走ってきた車に轢かれて死んでしまう。
警察は単なる酒に酔った喧嘩での致死事件と判断した。
しかし、死亡した男の身元を確認する為、持っていた定期券から男の夫人に来てもらうと「主人ではない、しかし着衣は主人の物だ」と。そして、一昨日から家に帰らず心配していたという事だった。
刑事部長は、ここ3ヶ月の間に他人同士の喧嘩から片方が死亡し、その被害者が前日から行方不明になっているという事件が5件起こっている事を不思議に思い、犯罪の匂いを嗅ぎつける。
そして、その調査を警視庁刑事部の秘密部外組織に依頼する。


この公にされていない秘密部外組織、捜査第0課とも呼べる組織が本当にあるかどうかは分からないが、(もしかしたら本当にあるのかも知れない)この0課のメンバーがまるで、映画やドラマから抜け出して来たようなカッコ良さで、奇想天外。
メンバーは菱刈長三、向井聡美、相馬廉平の3人。
とても痛快無敵な3人組なので、この3人組の雰囲気に誤魔化されてしまいそうだが、事件の本質はとても卑劣で悲惨なもの。こんな犯罪を考えるなんて、悪魔だ。
しかも、凶悪なわりには見返りの少ない犯罪。
犯人は頭がいいにか、悪いのか。
どちらにしても、人を物としてみていることが恐ろしい。
面白かったけれど、ちょっと気分が分散した感じ。
この犯罪を暴くのが、正当の警察だったら、またちょっと違ったストーリーになっていたと思う。
もう少し、固い方が好みには合うかも知れない。

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