しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」 2004米

2006年08月23日 | 映画
1973年、44歳のサム(ショーン・ペン)は1年前に別居した妻マリーと3人の子供との生活を取り戻すため、事務機具のセールスマンという定職に就いた。
だが詐欺師のような上司のやり方にも我慢がならないサムは仕事を辛く感じる。
マリーに会いに行くサムだが、マリーの方はもう一緒になる気はない様で、冷たくあたる。
テレビでは、ニクソン大統領が演説している。それを上司は「世界一の商売人」と皮肉混じりに語る。
ニクソン大統領は、サムにとって、アメリカを不誠実な国に導く悪しき存在へとなっていく。
次第に仕事の愚痴が多くなるサムに対し、黒人の親友ボニー、仕事を続けるよう説得する。
サムはボニ-と一緒にタイヤを売る商売を始めようと動き出すが、許可が下りない。
そして、裁判所からマリーとの一方的な婚姻解消通知が届く。


ショーン・ペンは本当に上手いと思う。
心の葛藤や苦悩、そして狂気が見え隠れして、凄く深みのある人間になっている。
サムが言っている事は正論。しかし、そういう人間が生きていけない社会になっている。
正しくあろうとして、精神的に追い詰められていく。
それなら、サムは悪くないかと言えば、奥さんに対する態度を見ていると薄気味も悪い物を感じるのも事実。自分のことしか見えていない人物でもある。
追い詰められて、狂気が育っていったサム。
狂気の芽は誰にでもあるものなのだろうか?追い詰められても狂気が目覚めない人もいる。
どこかで、妄想の世界に入ってしまったら、もう歯止めを掛けられなくなってしまうのだろうか。
1人の人間が壊れていく姿を追った、悲しい結末の話だ。

余談だが、ショーン・ペンに髭は似合わない、と自分も思った。
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