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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「交渉人 遠野麻衣子・最後の事件」 五十嵐貴久 

2008年01月08日 | 読書
銀座2丁目交差点の交番が爆破され、犯人からメールで犯行声明が入る。
シヴァと名乗る人物は、“宇宙真理の会”の教祖の御厨徹の釈放を要求。
そして、要求に応じなければ更なる爆破を予告していた。
“宇宙真理の会”は10年前に地下鉄爆破テロ事件を起こした新興宗教組織で、逮捕された御厨には死刑判決が下されていた。
そして、その交渉の相手として、警視庁の遠野麻衣子警部を指名する。
麻衣子は銀座2丁目交番の爆破の時にシヴァより直接電話を受けて、その場面を目撃していた。
「交渉人」の主人公、遠野麻衣子が活躍する続編。


東京の何処かに爆弾を仕掛けるという脅かしが実行に移されたらどうなるのか。
テロの要求には絶対に応じないという基本方針があり、しかし市民の命も守らなくてはいけない、という。
そんなスケールの大きな事件が緊迫感充分に展開されて、一気読みの面白さだった。
「人質は、東京。要求は、教祖の釈放」というコピーもついていたが、人質の東京にいる人たちが自分や家族のことを一番に考えて行動し、それがパニックになってしまうという怖さも存分に感じることが出来た。
指揮系統が麻痺した時に、人はどんな行動をとれるだろうか。
自分や身内だけでなく他の人のことも考えることは、冷静な時や理論としては分かるが、その場になったらきっと忘れてしまうのだろうな、そんな気がする。
そしてその場にいない人は勝手に情報を煽ったりするだろう。
人間は勝手な生き物だから。

味のある脇役もたくさん登場する物語。
盛りだくさんで楽しめるサスペンスだ。

タイトルは「最後の事件」だが、最後にはならなそうなので、遠野麻衣子シリーズとして続編を期待したい。



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