里紀 in Crossing Field City!

~遠く、北アルプスとお城の街を離れて~

アオチドリ(ラン科)

2008年03月05日 23時28分25秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Coeloglossum viride var. bracteatum
Coeloglossum:アオチドリ属。
※ギリシャ語の coelos(空洞)+glossa(舌)が語源で、
唇弁(しんべん)の基部に凹みがあるためと云われています。
viride:<virid~=緑(接頭辞が語源になっています。)
bracteatum:<bracteatus=包葉(ほうよう)のある

漢字で書くと:青千鳥
花の色が緑色で、形を千鳥に喩えたことに因ります。
ただ花を正面から見ると、私には競泳の選手が飛び込む時の瞬間の体勢に見えます。
あちこちに向いて飛び込もうとしている花は、ユーモラスで可愛いです。

上高地で咲く時期:5月下旬~6月中旬
(トップの写真の撮影日:2006.6.19)


蕾(撮影日:2007.5.30)

※写真が小さいのでよくわからないかもしれないですが、
蕾の時は鳥の口ばしのように横向きでツンととがっています。
蕾の付け根のところに距(キョ)と呼ばれる丸い膨らみが出来ると、もうすぐ咲きます。

花(撮影日:2007.6.4)

※2本のアオチドリですが、右は左の固体に比べて赤茶が濃いタイプです。
『アオチドリ』の名前の通り、茶色味を帯びず緑の花を咲かせるタイプもありますが、
上高地の『アオチドリ』の大部分は、薄くても左の固体くらいの色です。

花(撮影日:2007.6.4)

※上の写真の左の固体をトリミングさせてみました。
花の付け根の葉は、学名にあるように『苞葉(ほうよう)』と呼ばれている葉です。
この写真をアップにしたのは、花柄の捻じ曲がり具合を見て頂きたかったからです。
右上の花柄が一番よくわかるかなと思うのですが、どうでしょう。
ものすごい捻じ曲がり方に思いませんか?
芽吹きの時、きっと蕾は苞葉に包まれて上を向いているのでしょう。
それが下向いて咲くために、柄をこれほどまでに曲げることになったと云うことでしょうか。
苦しくないかなぁ。 この花を見るたびにその懸命さに感心します。

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