いっきゅうの足跡

毎日の何気ない疑問と出来事 〜inモロッコ🇲🇦 (2010年〜2012年)、in 日本(2012年〜)

羊犠牲祭

2010-11-21 | Weblog
すっかり季節は冬。日も短く夕方6時には暗くなるので1日が短く感じます。モロッコ内陸部の砂漠地方も朝晩はすっかり冷え込んで、夜は布団+毛布2枚に包まって寝ています。

家の中でも、帽子と手袋着用中。

そんなに寒いか??と、こないだ山から来た同期に言われたんだけど、気温以上に寒く感じるのは夏との気温差が大きいからかなー。

最近のマイブームはハマム通いと、手作りコタツ。

コタツ内部には結構な頻度で猫がいます。ついでに色んな物を取り込んでる(^_^;) 





家のお風呂は電気湯沸かし器なので、50ℓまでしかお湯が使えないのです。
夏は全然水シャワーでも平気なんだけど冬は途中でお湯が出なくなると、まるでお坊さんの水打ち修行です。
ハマムは、日本の銭湯の湯船が無いバージョンでしょうか?だいたい3っつの部屋に分かれていて、奥に行くほど熱くなる。
家から徒歩3分の所にあって、ほぼ週1回ペースで行ってます。中は温かいし熱いお湯は使いたい放題で約80円。
中で知り合いに会うとちょっと恥ずかしいけど、もう気にしない気にしない♪モロッコ人と裸のお付き合いです(^^♪


先月17・18日は、イスラム最大行事のライード・キビーラ(羊犠牲祭)がありました。
ライード・キビーラの1~2週間前からは会う人会う人、殆んど羊の話題。
「羊はもう買ったの?」「どれくらいの大きさの羊?」「何頭買った?」というかんじ。

羊は家族の中で結婚している男性の数だけ買うらしいです。例えば長男と次男が結婚していると、お父さんの分も合わせて計3頭
家の近所の広場では、ライード・キビーラの1ヶ月くらい前から羊スークが開かれていて、羊を飼いに来る人々で毎日賑わっていました。






羊は結構値段が高く、大きい羊だと3000DH(約3万円)
地方部と都市部でも値段が違って、カサブランカくらいの大きな都市だと同じ大きさの羊でも約1000DH(1万円)位違うようです。
公務員の看護師の初任給が約4000DH(約4万円)、雇われ歯科医師さんの月給が約8000DH(8万円)、私達の1週間の食費一人分、贅沢しなければ50DHもあれば十分。
モロッコ地方部の物価や、平均月給を考えると羊1頭はとても高い。それだけにとっても貴重な羊。




17日は配属先の人の家に呼んで頂きました。そして初めて羊の解体を間近で見届けました。

お肉屋さんが、慣れた手つきで羊の喉を一切り。血がドバーっと吹き出て羊がもがき苦しんでだんだん動かなくなる。最後に筋肉の痙攣のように大きく暴れてまた動かなくなる。羊が息を引き取ると男性達が羊を逆さに吊るして皮をはぎます。



内臓は各部位ごとに分けて、胃や腸は女性達が何度も何度も丁寧に洗います。私も手伝いましたー。

日本だとスーパーでパックに包まれたきれいな肉がいつでも安く買えるので、お肉を食べるのに「命を頂いている」という実感は薄れつつある気がします。
でも羊が苦しみながら段々動かなくなる姿をみて、命を犠牲にして毎日生きてるんだなぁと改めて実感しました。

今まで羊肉あまり好きではなかったけど、新鮮な羊は美味しかったです。
特に羊のモツの串焼きはホントに美味しかったー。
日本でも焼肉が人気のように、モロッコの人達も羊大好きです。
やっとそれが納得できました