随縁記

つれづれなるままに、ものの歴史や、社会に対して思いつくことどもを記す

阪神タイガース

2005-09-30 12:27:18 | 趣味
東京から大阪へ転勤してから、初めて阪神ファンになった。
とにかく大阪人の阪神への応援は凄く、在阪のラジオやテレビのキャスターには熱狂的な阪神ファンがいて、臆面もなく阪神が負けるとボヤいていた。
それが妙に印象に残り、知らず知らず阪神ファンになっていった。
大阪へきた翌年の1985年に、吉田義男監督の阪神タイガースは優勝した。当時は、三冠王、首位打者のバースを中心に、掛布・岡田というクリーンアップ打線が活躍して、関西を熱狂させてついに優勝を勝ち取った。
さらに日本シリーズで、4勝2敗で西武を破り、リーグ分立後初の日本一となった。

阪神ファンになってから、それから17年も優勝から遠ざかった。やっぱり今日も負けたかと、弱い阪神にため息が出た。
熱狂的なファンではなかったし、仕事に追われる日々であったから、それ程ではなかったが、やはり試合の結果だけは気になった。
17年間のシーズン結果は、なんと最下位が10回、5位が2回もある。これでは、ファンに成り甲斐がない。
監督もいろいろ代わったが、野村克也監督の時には期待した。しかし、結果は三年とも最下位であった。これは、監督としての裁量権がなく、野球を知らない阪神球団のオーナーやフロントに憤慨もして、ファンを辞めた。

ところが、あの情熱的な星野仙一監督がやって来た。そして二年目には、17年振りという本当に久しぶりの優勝をもたらしてくれた。
長年、最下位に苦しんでいた阪神ファンは、その喜びに打ち震え泪が溢れた。
熱狂的なファンは、おとなしく家に居ることが出来ず、だれかと喜びを分かち合いたく、自然と道頓堀に集まってきた。
一昨年は、あの道頓堀といわず、阪神間では異常な興奮状態を演じた。これには、大阪に二十年近く住んでいる私自身も驚く程の、阪神ファンのエネルギー発散方法であった。
それだけ蓄積された憤懣が大爆発したのだろう。

星野仙一監督が二年で辞め、岡田彰布監督となったが、昨年はまたまた四位に低迷した。前年優勝した実力あるチームが、翌年どうして低迷するのか、やはり野球は監督の技量次第なのかと落胆した。
また、十年以上も優勝と縁のない、弱い阪神に転落かと思っていたが、今年の阪神は違った。つまり、岡田彰布監督自身が変わったのである。
あの強烈な個性の星野仙一監督の跡を継いで、その路線を踏襲したから低迷したという事に気が付いた。

岡田彰布は、本来確かな野球技術と理論を持ち、野球に必要なものは全て備えている、したたかな勝負師でもあった。
阪神の二軍監督として、ウェスタンリーグで三度も優勝している。それは、選手の才能と適正を見抜く確かな目を持っていたことの証拠でもある。

今年の岡田彰布監督は、本来の自己の持っている野球の原点に戻り、本来のしたたかな勝負師に戻った。大胆な内野陣のコンバートを実行している。金本、今岡のクリーンアップも成功した。また、押さえのJFKコンビも誕生した。
しかし以外に頑固で、なかなか方針を変更せず、選手交代を遅らせて負けた試合も多い。
しかし、それが選手のやる気を引き出したのであろう。

指揮官の仕事は、やはり選手のやる気を如何に引き出すかである。
星野仙一前監督と岡田彰布監督とは、まるでその性格や手法が異なるように見えるが、結果としては、選手のやる気をうまく引き出したと云えるだろう。
兎も角、関西在住の人間として、常勝猛虎タイガースの誕生を願っている。

関西人は、伝統的にアンチ巨人であり、アンチ中央(東京)であり、阪神タイガースが元気であれば、関西は元気である。
関西が元気であれば、日本の経済も元気になるような気がする。
日銀の福井総裁だって、関西人だ。

ネットで稼ぐ裏技の研究

2005-09-29 12:40:52 | IT
ネットで簡単に稼ぐ方法がある。
それは、サーチエンジンを立ち上げ運営することである。
サーチエンジンで最も有名なのはYahoo Japanである。ほかにも有名なところではInfoseek JapanとかGoogleなどがある。
Yahooのようなサーチエンジンが、個人でも運営できると言うと驚くかもしれない。
しかし、実はサーチエンジンは、個人でも簡単に運営できるのである。ほんの少し知識があって、時間と根気があれば、誰でもできる。

有名なYahooは、サーチエンジンだけではない。
最も充実した総合ポータルサイトの一つとして、ニュースや巨大掲示板群、ショッピングも有ればオークションもあるし、ほかにも色々驚くような無料サービスまで提供している。
ただ、そのサーチエンジンだけの機能だったら、その気にさえなれば、誰でもできるのである。なぜ個人でも、簡単にサーチエンジンが運営できるのか。

その種明かしは、ネット世界にCGIというものがあり、サーチエンジンは、殆どがそのCGIで作られていている。しかも、そのサーチエンジンCGIスクリプトが、誰でも無償でネットからダウンロードできるのである。
スクリプトをダウンロードしたら、次は自分の運営方針やサーバー環境に従ってテキストエディタでスクリプトを書き換え、アップロードするだけである。

「Perlやsendmailのパス」とか「パーミッションの変更」など、小難しいこともありますが、必要な知識はすべてCGIスクリプトをダウンロードできるページに書いてある。
あとは、サーチエンジンへの一般HPからの登録申請を待つだけである。
その証拠に、大手のサーチエンジンを始めとして、そのほかの何百というサーチエンジンがあると言われている。

CGIとは、【Common Gateway Interface】の頭文字をとったものである。
つまりWebサーバーが、Webブラウザからの要求に応じて、プログラムを起動するための仕組みのことである。
従来、Webサーバーは、蓄積してある文書を送出するだけであるが、CGIを使うことによって、プログラムの処理結果に基づいて動的に文書を生成し、送出することができるようになった。CGIはどのような開発言語でも使用できるが、実際にはPerlなどがよく使われている。

では、サーチエンジンで儲けるためにはどうするか? 
まず、新しい切り口や、新しいセグメントを行ったサーチエンジンにすれば良いだろう。
ところで、すべてのサーチエンジンは無料である。もし有料であれば、誰も利用しない。
では収益はどうして確保するか?

無料のサーチエンジンの運営で収益を上げるマジックは、バナー広告を載せることである。
すべてのサービスが無料でも、広告料という収益を確保でき入るという訳である。
Yahooのような総合ポータルサイトでは、莫大なバナー広告料金で運営されているが、弱小サーチエンジンでも、ある程度のアクセス数があれば、広告を掲載することはできる。

しかし、自力で広告主を獲得することは困難だから、アフィリエイトプログラムを利用する。(簡単に言えば、ホームページに広告を出したい企業と、自分のホームページに広告を載せて稼ぎたい人を仲介するプログラムある)
アフィリエイトとは、Webサイトやメールマガジンに企業サイトへのリンクを張り、ユーザがそこを経由して商品を購入すると、サイトやメールマガジンの管理者に報酬が支払われるというシステムである。
仕組みとしては成果保証型広告と同じだが、アフィリエイトの場合には、その商品やサービスに関連した情報を掲載するWebサイトやメールマガジンが主な対象となる。
しかし、やはりアクセス数が少なければ、広告を取るのは難しい。
自力もアフィリエイトもダメなら、運営者がリンカースタッフになって、その広告を貼り付けるという手法もあるが、大した儲けにはならないだろう。

そこで、収益を挙げるための裏技として、メールマガジンの発行という方法がある。
メールマガジンというのは、ほとんどの場合、広告が掲載されている。
たとえ、サーチエンジンにアクセス数が少なくても、メールマガジンの発行部数さえある程度確保できれば、広告を掲載して収益をあげることはできるという訳である。

逆説的に言えば、メールマガジンの部数を確保し、広告料を確保するために、サーチエンジンというホームページを立ち上げるのである。
むしろ、ホームページよりもメールマガジンの方が、広告が掲載し易いのである。

一般の「まぐまぐ」などのメールマガジン発行スタンドで、メールマガジンを発行すれば、部数が少なくても広告掲載の審査に比較的通りやすいのである。
たとえ知識があり、サーバーが対応していても、「まぐまぐ」などの一般の発行スタンドを利用しょう。そのほうが購読者を集めやすいし、簡単であるうえに、メールマガジンに信頼性があるように見えからである。

では、どんなメールマガジンを発行するか。
簡単に言えば、運営しているサーチエンジンに、新規登録のあったサイトを、「新着サイト」と称して羅列するだけでいいのである。
サイトの紹介文も、入力されたものをそのままに掲載すればいい。
もちろん、そんなメールマガジンは、多くの人は購読したいとは思わないだろうが、サーチエンジンの登録者に、強制的に購読させる仕組みにしておけば、部数だけはともかく伸ばせる。

サーチエンジンに登録するには、メールアドレスを入力しなければならない。これは超大手でも弱小でも変わらない。登録完了のメールを配信しなければならないからである。
すると当然、サーチエンジンの運営者には、登録者のメールアドレスが分かる。
その登録者のアドレスに、自分のメールマガジンを購読させれば良いだけなのだ。
サーチエンジンの新規登録画面に、利用規程としてメールマガジンの購読を条件に加えておくだけでいいのだ。
ウェブの検索にやってくる利用者が少なくても、これならメールマガジンの部数を伸ばすことができるという訳である。

無論、メールマガジンは購読解除ができるが、自分で購読解除するのが面倒で、そのまま取りつづける人も多い。
「メールマガジンは、ご自身の責任で購読解除してください」と書いておけば完璧です。

こうした、利用者のメールアドレスに代理登録でメールマガジンを購読させて部数を伸ばすという方法は、サーチエンジンだけの専売特許ではない。
たとえば無料ホームページサービスの業者も、こうした方法をとっているが、サーバーメンテナンスなどの重要事項をそのメールマガジンで連絡するので、ヘタに購読解除することもできない。

ちなみに、メールマガジンの広告のほうが、ホームページに掲載するバナー広告よりも、収入になりやすいという事実もある。
アフィリエイトによるバナー広告の収入形態は、クリックされると10円とか20円払うというクリック保証型と、売上げが発生した時点でその何十パーセントを支払うという成功報酬型がある。
メールマガジンの広告ではこれ以外に、「部数保証型」というのがあるのだ。これは、発行部数に応じて報酬を支払うもので、たとえば1部0.1円だとすると、10000部購読されているメールマガジンなら1回発行すると0.1円×10000で1000円の収入になる。
これなら、たとえ誰も広告をクリックしなくても、収益が確保できるのである。

ところで、立ち上げたサーチエンジン自体も、宣伝しなければ誰も登録にアクセスしない。無論、ほかのサーチエンジンに登録するのである。
少しでもアクセスアップを目指すために、手当たり次第にサーチエンジンに登録するのである。立ち上げたサーチエンジンを、せっせと宣伝していれば、次第にホームページを登録したい人が集まってきます。

ホームページを登録しにアクセスするのは、ホームページを運営している人だけではありません。出来高制の報酬で、せっせとホームページを宣伝しているリンカースタッフという人たちも来るのです。
ですから、不思議なことに、ホームページの数よりも登録数のほうがはるかに多いのです。
登録者がアクセスしてきて、サーチエンジンに登録すると、自分のアドレスにも登録内容確認メールが届く。(そのようにCGIスクリプトで設定している)
その登録者のメールアドレスに、メールマガジンを購読させて部数を増やしましょう。

せっかくメールアドレスがたくさん集まるのだから、メールマガジンがたった1誌ではもったいない。そこで複数のメールマガジンを創刊して、ホームページ登録者にどんどん購読させるという方法もある。
文句や苦情が来ても一切無視しましょう。登録の際の利用規程に書いておけば、相手にする必要はありません。部数が増加すれば、効率の良い広告が取れるのです。

ここに書いた手順をその通りに踏めば、あなたもサーチエンジンでお金儲けができます。どの程度収益が確保できるかは、努力次第という事になるが、せっせと宣伝すれば立派なサイドビジネスになるかもしれない。

光触媒とシックハウス症候群

2005-09-26 12:28:17 | 健康
シックハウス症候群とは、前日にも書いたが補足しておきたい。
近年、室内空気汚染、シックハウス症候、化学物質過敏症など、いろいろな名称で言われている。居住者が、住まいが原因でいろいろな症状、体の不調を感じる事が大きな問題となっています。
体質と諦めている慢性病は殆どが、シックハウスが原因と言われています。
例えば、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、眼の炎症・痒み、慢性頭痛、めまい、アレルギー性鼻炎、慢性倦怠感、慢性不眠症、吐き気などで、通院し対処療法を行っていても、その原因が不明という場合に、体質と諦めずにシックハウス症候群ではないかと考えて、住まいの改善を試みるのがポイントです。
詳細については、私のHPを参照して頂きたい。
http://sano-a238.hp.infoseek.co.jp/

シックハウス症候は、その原因物質が一つとは限らない。
長年同一の化学物質の被曝に晒された、或いはハウスダストやカビやダニによるアレルギー性疾患も意外に多い。きちんと清掃しているつもりでも、カーペットの下や畳の縁にダニはしぶとく潜んでいます。
また、ペットとして猫や犬その他の動物を室内で飼育している場合、さらには花粉を衣服に付着した状態で室内に持ち込んでおり、それらが室内に蓄積されている場合も多い。
ヘアースプレー、殺虫剤のスプレー、筋肉疲労のスプレーなど様々なスプレーにはガスが含まれていて、これらを原因とする場合もある。

最大の問題の原因は、高気密住宅で、特に冷暖房を常時使用するための換気不足が
生じていることにある。
現代の建築では、断熱効果、防音効果を高めるため、高気密構造となっている。
そのため、伝統的な自然素材を多用した和風住宅と異なり、自然換気が殆ど無くなった。このため、強制換気が必要となる。
ところが、冷暖房を年間通じて使用する家庭が増加し、さらに昼間は無人で夜間しか人が居住していない家庭も多い。夏場は室内が温室状態になり、化学建材や家具などから、さまざまな有機ガスが発生している可能性が高い。

お年寄りの一人暮らしも増加している。寂しいから、動物ペットと暮らしている場合が増加している。動物ペットは、場合によっては糞や尿を室内で排泄し、また皮膚からさまざまな分泌物を出し、抜け毛やフケなどでダニを培養している可能性が高い。
この場合も、換気不足によって、重大なシックハウス症候としてのアレルギー性の諸疾患が発症している可能性が高い。

問題のシックハウス対策として、近年注目されてさまざまに応用されているのが、光触媒である。光触媒について分かりやすく解説をしておきたい。

■光触媒とは、光のエネルギーを使って働く触媒のことです。
触媒とは、それ自身は変化をしないが、他の物質の化学反応の仲立ちとなって、反応の速度を速めたり遅らせたりする物質の事をいいます。
■光触媒が最近特に注目されている理由は、光エネルギーを化学エネルギーに変換し、環境を汚染する物質や悪臭の除去、汚れの防止、などに効果が優れているからです。
■なかでも、半導体である二酸化チタンは、光触媒効果で環境汚染物質を、二酸化炭素と水に分解し無害化します。
■シックハウス症候群が社会問題となってからは、室内の蛍光灯のわずかな紫外線でも触媒の働きをする、さまざまな応用品が開発され、成果をあげています。
■二酸化チタンは、紫外線を浴びると活性化し有害な有機物を吸着し、二酸化炭素と水に分解します。
そのメカニズムは、酸化チタンは紫外線を吸収すると、スーパーオキサイドアニオンやヒドロキシラジカルなどの、活性酸素を発生させます。そして、その活性酸素の強力な酸化作用により、「悪臭や細菌」などの有機物質を分解して、無害な『水と二酸化炭素』に変えてしまいます。

■住まいに於ける光触媒の具体的機能
①室内に存在する化学物質で発生する、ホルムアルデヒドなどの有機ガスを吸着分解します。
②生活で生ずる、さまざまな臭やペットの臭いを吸着分解します。
③ダニ・カビ雑菌などの発生を抑制し繁殖を防止します。
④汚れの原因である「有機物」を分解しますので、いつも清潔でシミや黄変を防止します。(日焼けは防止できません)
⑤アレルギー症の元凶である花粉も、吸着分解します。

上記のように、二酸化チタンは、紫外線を吸収することで、活性化してラジカルになり、空気中に浮遊している、有機物を吸着分解するという優れた機能を有しており、さまざまな工業製品から、家庭用品まで応用されている。

慢性病に悩んでいる人は、是非住まいの強制換気を実行することと、住まいのインテリア素材などの改善を提案します。
カーテンから壁紙、襖紙、障子紙、床材、そしてベッドカバーやソファー・カバーなど色々な商品に光触媒を加工した商品が販売されている。
強制換気を一日に何度も実行することと、空気中の浮遊有害物質を光触媒で退治されることをお勧めする。

慢性疾患は、その原因を究明しない限り、対処療法では、死ぬまで病院通いが続きます。
ぜひ、あらゆる先端情報を駆使して、問題の解決に当ることをお勧めする。


壁紙とシックハウス症候群

2005-09-25 22:29:08 | 健康
前々からの我が家の懸案事項であった、壁紙の貼り替えを、連休を利用して実行した。
材料はすべて揃っていたが、寒い時にはおっくうで、暑い中では物憂いので、延び延びになっていた。幸い秋の入り口で、作業をするには最も適した気候となり、幸い妻と共に連休となったので、重い腰を上げることにした。
初日にまず古い壁紙を剥がしておいたので、二日目の今日は壁紙の貼り付け作業となった。
壁紙の貼り替えでは、貼る作業事よりも、古い壁紙を剥がす事のほうが大変なのである。

ところで、壁紙に現在さまざまなタイプの壁紙が販売されているが、およそ十数年程前に、アメリカの大学の研究で、塩ビ壁紙の可塑剤に発ガンの可能性のある物質があると話題になった。あくまでもマウスの実権段階での可能性の指摘であったが、壁紙業界の反応は早かった。
また、シックハウス症候群も社会問題としてクローズアップされるようになった。

シックハウス症候とは、住まいの中で発生する化学物質に常時被曝される事による過敏症のことである。
近年の住宅は、その機能性重視から、高気密性住宅が多くなり、伝統的な和風建築が少なくなってしまった。高気密住宅が増加するにともない、シックハウス症候が増加しているのである。
換気不足により、住まいで発生する化学物質やカビ・ダニなどによる過敏症が増加しており、一種の社会問題ともなった。
家庭内で発生する化学物質として、家具や床材・壁材に使われている接着剤が問題となり、さらに塩ビ壁紙やレザーのソファーなどさまざまな物が問題とされた。
また、タバコの煙や、頭に振るスプレー、そして室内に持ち込まれる花粉、カーペットや畳に巣くうダニ、そしてカビなど問題にされている。

問題は、シックハウスの原因となる犯人捜しではなく、住宅の換気の問題であった。事実その後の建築基準法の改正で、住宅には一定の換気性能が義務付けされている。本来の伝統的和風建築では、自然素材を使用しているから、素材自体のもつ自然換気能力があった。
純和風建築に住んでいる人に、決してシックハウスが問題になる事はないのである。

が、マスコミは一斉に犯人捜しに焦点を当てた。特に問題視されたのが、住宅の建設に欠かせない接着剤である。
壁紙業界は、いち早く問題の可塑剤の使用を中止し、シックハウス対策として、壁紙の品質にもさまざまな改良が重ねられ、厳格な安全基準も設定された。

さらに壁紙業界は、積極的に健康壁紙を開発して行った。
光触媒壁紙・ルム吸着壁紙・消臭抗菌壁紙・イオン壁紙・カテキン壁紙・珪藻土壁紙・和紙壁紙・い草壁紙・バガス壁紙・ヒノキ壁紙・コルク壁紙など枚挙にいとまがない程である。壁紙用糊のメーカーも、いち早くノン・ホルムアルデヒドの商品を市場に投下している。
業界全体で健康壁紙に取り組み、それなりに成功したと言える。

壁紙は本来その材質は「紙」で出来ていた。
日本では、戦争後の住宅復興需要の中で、最も加工し易く単価も比較的に安く、さらに施行が簡単な塩化ビニール壁紙が主流となった。
塩化ビニールは、グラビア印刷適正が良く、高速印刷が可能である。さらに可塑剤で柔らかくし、発泡剤を入れるとボリュームが出る。発泡塩ビシートを、ヒート・エンボスロールに掛けると、さまざまな凹凸模様を付けることができる。
グラビア印刷と凹凸のあるエンボス加工の組み合わせで、千変万化の意匠が出来上がる。

壁紙の施行作業でも、発泡塩ビ壁紙は施行が簡単であり、また下地処理が不十分でも表に下地のアラが出にくい。住宅需要の急増で、公団住宅やマンションなどの集合住宅が続々と建設され、殆ど壁面は塩ビ壁紙が貼られた。
一般の住宅でも、網代を組んで土壁を塗るという工法では時間と費用がかかるため、次第に下地合板を壁下地に多用されるようになった。
下地合板の上には塩ビ壁紙が貼られるようになった。
このような事情で、塩ビ壁紙が全く貼られていない、純和風の住宅は珍しくなっている。

塩ビ壁紙は、壁紙素材のなかでは、最も多用されている素材ながら、上記のように業界あげての取り組みで、安全な壁紙となり、さらには健康壁紙という機能性壁紙も主流となっている。壁紙を貼ることで、マイナス・イオンを発生させたり、あるいは化学物質を吸着分解するという優れた機能の光触媒壁紙なども、一般家庭で利用できる。
今や健康的な住まいに、積極的に機能性壁紙を使う時代とも言える。

季節の便り

2005-09-24 13:49:16 | Weblog
毎年、大分の友人から、季節の便りとして大分臼杵の名産であるカボスを頂いている。
今年も二日ほど前に、カボスが一箱送られてきた。
このカボスを見ると、ああ、もう秋が来たと季節を感じる贈り物である。
友人は、いつも添えてくれる短い便りに「今年も香母酢の季節になりました」と雅(みやび)た名で、カボスを呼んでいる。

カボス(香母酢)は、ミカン科の常緑広葉樹で、柑橘類のひとつであり、ユズの近縁種で大分県の特産品である。
枝には鋭い刺がある、独特の香りがある果実は、緑色のうちに収穫する。
小型のミカンほどの大きさがあり、そのたっぷり含まれている果汁は酸味に富み、薬味としていろいろな料理に振りかけると、香りとともに風味が豊かになる。
冷や奴、焼き魚、みそ汁、ステーキにも合うし、あるいは鍋料理や刺身のつけダレや、酢の物などの調理に用いる。
我が家では、とにかく焼き物、煮物、鍋物なんでも絞ってたっぷり掛けて、秋の味覚として楽しんでいる。むろん焼酎のオンザロックやお湯割りにも最適である。

大分は一村一品運動で全国的に有名だが、カボスもその一村一品運動で開発された名産だと勘違いしていた。
カボスは、臼杵藩や竹田藩で昔から植垣として栽培され、その酸味が薬用効果があると信じられていたようだ。またその皮を燻(いぶ)して、蚊遣りとして使っていた。
カボスという名の由来は、この蚊をいぶすから、カブスとも言われ、のちにカボスと称されて、大分で栽培が広まったという。
カボスは、ユズやスダチに比して果実が大きく、その香りが良いことから「香母酢」という雅字が当てられるようになった。
 
妻の実家は徳島で、スダチもよく頂いている。
スダチ (酢橘、:Citrus sudachi) もカボスと同様に、ミカン科の常緑低木ないし中高木のユズの近縁種で、日本では古来から馴染みのある柑橘類である。
カボスに比較すると、三分の一程度の小粒で一人分の使い切りサイズである。
スダチの名は、酢橘(すたちばな)に由来している。花期は5-6月頃で白い花を咲かせ、秋頃に果実が実る。
カボスと同様に、青いうちに収穫し出荷するが、熟すとミカンと同様に黄色くなる。
スダチは徳島県の特産であり、県の花に指定されている。

酸味の薬味としてはユズ(柚、柚子Citrus junos)が最もポピュラーなものである。カボスやスダチ同様にミカン科の常緑植物で、日本では古来から最も馴染みのある柑橘類である。ミカンのような果実をつけるが大きさは小さい。
古来全国的に日本料理や調味料として、香味、酸味を加える使われ方をされてきた。
青い状態、熟れた状態の両方使うが、 果肉部分だけでなく皮も香辛料、薬味として使用される。
冬至の日には柚子湯に入るという風習が昔からある。 独特の爽やかな香りが評価され、様々な香水にも使用されている。
大分名産のカボスや徳島名産のスダチと比較すると、ユズは全国各地に栽培され各地に「柚の里」がある。

いずれにしても、季節の便りとして、土地の名産を送られるのは嬉しいことである。
まだまだ残暑が続いており、昼間は肌では秋を感じにくいが、見上げる空は心なしか高く感じられ、夜は虫の音が聞こえるようになった。
暑い毎日が続いていると思っていたが、いつの間にか秋が忍び寄っているという感じである。

100円ショップ「 ザ・ダイソウ」

2005-09-23 23:37:50 | 流通
先日、かつて流通革命の王と言われた中内功氏が、亡くなられた。
中内功は、ドラッグストアを創業し、まもなく日本で初めて、SSDSというアメリカのセルフのスーパー・ディスカウントストアを展開し始めた。それからわずか創業十数年で、老舗の三越の売り上げを抜いて、最大の売上を誇る小売業のトップに躍り出た。
以来、流通業界に君臨したが、バブル経済に踊らされ本業を疎かにして、晩年は経営不振に陥って落魄した寂しい最期であった。

バブルがはじけてから、彗星のように顕れた流通革新の旗手が、100円ショップである。
SSDSの創業当時は、百貨店と同様に駅前立地が有力な立地条件であった。
集客力に恵まれて驚異的に売上を伸ばし、後続の店舗も同様な立地を求めて、出店ラッシュと出店競合がつづいた。
だが、まもなく車社会が急速に拡大して、駐車場確保の困難な駅前立地は、一転して不利な立地となった。

郊外型の大型ショッピングセンターが増加するに伴い、年々不振を極め始めた駅前立地の大手小売業が、来店客の増加を期待して、ダイソーの100円ショップをテナントとして導入し始めた。
元々スーパー・ディスカウントストアであった店舗に、新しいニュー・ディスカウント・ショップと言うべき「100円ショップ」のテナント導入という、なんとも皮肉な状況となった。

100円ショップ「ダイソー」の創業は昭和52年(1977)年12月と意外に古い。
創業当時は、細々と「100円均一コーナー」を食品スーパー等の出入り口で、売上仕入れ方式で出店していた。
珍しい物やアイディア商品や、大手のストアで取り扱っていないような隠れた商材を発掘して陳列していた。
その当時は、100円均一コーナーは、所詮100円程度の価値の商品という認識で、殆ど興味を持ったことは無かった。

本社を東広島市に構えたダイソーは、昭和62年 「100円SHOPダイソー」の展開に着手している。
以下は、ダイソーのホームページから、ダイソーの名の由来について抜粋する。
「“ザ・ダイソー”の店舗名で皆さんにはお馴染かと思いますが、会社の正式名は「株式会社 大創産業」といいます。少し固い名前ですがこの名前の由来は30年程前にさかのぼります。
昭和52年頃、まだまだ規模の小さな会社でした。均一で販売する商売(スーパーの店頭や公民館などで販売していた)も当時は今のように大きな商売ではなく、まだまだ小規模での事業にすぎませんでした。
しかし、会社設立の際に「会社の規模はまだまだ小さいけど、名前だけは大きな物にしよう」という事で「大きく創る=大創」と社長の矢野が考え命名しました。
単純のように見えますが当時はそのように会社名をつけました。その後、お客様に馴染んで頂けるように店舗の名前をカタカナでダイソーとし、「ザ・ダイソー」の方が有名になってしまいましたが、社名は当時のまま残しています。」

大創産業は、その社名の通り100円均一で売れる商品を、大きく創り続けた。
小売業の原点である「顧客の欲するものを、品質を損なわず、出来る限り安く供給する」という哲学を守り続けた。
小売業というのは、問屋やメーカーの商品を、大量仕入れの条件で安く仕入れ、セルフで安く提供するのが原点であった。
日本の大手スーパーのSSDSも、店舗展開を拡大すると共に、PB(プライベート・ブランド)やSB(ストア・ブランド)の開発競争に入っているが、まだその売上構成比率は10%に満たない。

「ザ・ダイソー」の商品は、現在その殆どが「ザ・ダイソー」のブランドである。
大型店のダイソーの店舗をじっくり見てまわるのは楽しい。こんなものまで100円で売っているのか、ついも驚きの連続である。
その品揃えは現在8万アイテムに及び、店舗の総数はなんと2400店舗あり、さらに海外にも350店舗を展開しており、売上高は3,200億円となっている。
1000坪規模のホームセンターでの品揃えで、約4万から5万アイテムであるから、ダイソーの開発した商品群の凄さが理解できる。
そして、日々その商品が入れ代わっている。
だから、同じ店舗でも、ニ、三ヶ月振りに訪れると、新しい商品に出会うことが出来、リピート客が絶えないのだろう。

ダイソーでは、商品開発が成長の原点であり、世界中にその調達ネットワークがある。
商品開発に命を賭けなければ、世界中にその商品開発と調達のネットワークを拡大しなければ、かつての100円均一屋で終わったであろう。
今までの商品の常識を破壊した、わずか100円で、これだけの品質と他品種の商品群を展開している。
100円で販売する為には、原産国からの船運賃や輸入税、そして国内での在庫に関わるコスト、国内流通経費、そして店舗の利益を計算すれば30円程度でなければペイしないと思われる。ダイソーの商品を改めてながめて、よくぞこの商品を30円程度で調達できたと関心させられる。
ちょうど、世界最大の売上規模を誇る企業である、あのウォールマートと同じ手法を採っている。

いまや、ダイソーのマーチャンダイジング力は、大手のイトーヨーカドーやジャスコを遙かに凌いでいるだろう。
平成3年「100円SHOPダイソー」のチェーン展開本格化してから、まだ十四年しか経過していないが、ダイソーの商品が世界から輸入される量は、毎日コンテナで100本程に達しているという。
これは実に、日本全体で輸入される量(コンテナの数)の1%を超える量だといわれている。平成9年11月に、通産大臣賞「貿易貢献企業賞」を受賞している。

かなりの大手企業が、バブル期に本業を逸脱して脱落して行ったが、バブルとは縁の無かったダイソーは、今後も発展して行くことを一消費者として願っている。
ただ、ひとつ最近気になるのは、100円でない価格商品がじわじわと増加していることである。
なにがなんでも100円に拘って、凄い商品開発力を発揮してきた企業が、そのタガを外すことに、少し将来に不安を覚えるのである。



笑いの考察

2005-09-22 12:14:24 | 人生
また落語ブームであり、お笑いブームである。
昔から「笑う門には、福きたる」と言われてきたが、笑いは人間の健康にプラス効果をもたらし、長生きの秘訣でもあるという。
笑うことで、脳内モルヒネが分泌され、快い気持ちになると同時に、生理的にも血液をアルカリ性に戻す効果もあるらしい。笑うことで、アレルギーの治療をする治験もある。
「笑い学会」という真面目な研究集団もあり、笑いについて、あらゆる角度から研究論文が書かれているようだ。

さて、笑いについて改めて考察してみたい。笑いにもさまざまな笑いがあり、複雑な笑いもある。
人はどんな時に笑うのだろうか。
思いつくままに辞書を参照しながら列挙してみる。

【微笑】びしょう ―せう
ほほえむこと。ほほえみ。「思わず―を浮かべる」
・幼児の無邪気な笑い顔にであうと、可愛くて思わず、にっこり微笑む。
・幼い頃の自分の写真を見ると、懐かしく自身の無邪気な顔に、思わずにっこり微笑む。
・他人の笑顔を見たとき、つり込まれて思わず、にっこり微笑む。
・他人から褒められて、照れたときに、思わずにっこり微笑む。 

【にこにこ】
声をたてず表情だけでうれしそうに笑うさま。にっこり。
「いつも―(と)笑っている」「―しながら、あいさつする」
・愛している人、親しい人に出会ったときに、嬉しくてにこにこ笑う。
・懐かしい顔に出会ったときに、楽しくてにこにこ笑う。
・好きなことをしていて楽しいとき、嬉しくてにこにこ笑う。
・何かを達成できて、喜びに満ちたときに、にこにこ笑う。
・何かに満足できたときに、目を細めて笑う。
・思いがけない幸せに、嬉しくてにこにこ笑う。 
・思いがけず儲かって、目を細めてにんまり笑う。
・競馬の予想が当って、大金を手にして、嬉しくて笑いが止まらない。

【大笑い】おおわらい おほわらひ
(1)大きな声を出して笑うこと。「人前で―するものではない」 
(2)大笑いするようなばかげたこと。物笑いの種。「こいつは―だ」
・他人が、滑稽な間違いで失敗したときに、可笑しくて大笑いする。

【高笑い】たかわらい ―わらひ
大声で笑うこと。また、その笑い声。哄笑。
・他人の滑稽な失敗談を聞いて、可笑しくて高笑いする。
・偶然の滑稽な出来事に遭遇し、可笑しくて高笑いする。

【哄笑】こうしょう ―せう
大声でどっと笑うこと。大笑い。「一同思わず―した」
・絶妙なタイミングの冗談に、一同思わず哄笑した。 

【爆笑】ばくしょう ―せう
大勢の人が一度にどっと笑うこと。「満場の人が―する」
・意識した滑稽なしぐさや、おどけたしぐさに、面白くて満場の人が爆笑する。
・演出された滑稽なしぐさやおどけたしぐさに、一同爆笑する。
・演出された喜劇に、満場の人が爆笑する。
・落語を聞いて、そのしぐさや表情に、げらげら爆笑する。

【くすくす】
(1)しのび笑いをするさま。くつくつ。「後ろの方で―(と)笑う」
(2)こっそりと何かをするさま。また、こそこそした性格をいう語。
「根生が―して居るのだもの憎くらしからうでは無いか/たけくらべ(一葉)」
・他人が、とんでもない言い間違いをしたときに、おかしくて、くすくす笑う。
・他人が、とんでもない勘違いをしているのに気がついて、おかしくて、くすくす笑う。
・他人の単純な失敗を見て、くすくす笑う。

【談笑】だんしょう ―せう
笑ったりしてうちとけて話しあうこと。「なごやかに―する」
・仲間が集まり、和やかにわいわい談笑する。

【苦笑】くしょう ―せう
〔「苦笑(にがわらい)」を音読してできた語〕心中の不快や動揺などをまぎらす笑い。
「―をもらす」「痛い所をつかれて―する」 
・他人が見ている中で、自分が失敗したときに、えへへと苦笑(にがわらい)して、急場を凌ぐ。 
・自分が、とんでもない勘違いをしていて、その勘違いに気がついたときに、えへへと苦笑(にがわらい)して、その場を逃げる。

【冷笑】れいしょう ―せう
あざ笑うこと。さげすんで笑うこと。「―することを禁じなかつた医者は/土(節)」
・他人の繰り返す、単純な失敗を見て、冷笑する。

【一笑】いっしょう ―せう
(1)ちょっと笑うこと。ひと笑い。「破顔―」「嫣然として―する/婦系図(鏡花)」
(2)笑いの種にすること。
――に付・す 笑って問題にしない。 「提案は―・された」
――を買・う 他人の笑いものとなる。
・大勢が緊張している時に、屁(おなら)一発で、破顔一笑する。

【忍び笑い】しのび-わらい ―わらひ
人にわからないように、声をひそめて笑うこと。「あちこちから―が起こる」
・真面目な顔をしている人の、以前の滑稽な失敗を思い出し、ひとり忍び笑いをする。

【嗤笑】ししょう ―せう
あざけりわらうこと。嘲笑(ちようしよう)。「牢獄の役員にも―せられて/妾の半生涯(英子)

【笑顔】えがお ゑがほ 1
にこにこと笑った顔。えみを含んだ顔。「―で挨拶する」
笑顔にもいろいろな笑顔がある。笑いの表現にもいろいろ状況に合わせた笑いの形がある。
・無邪気なしぐさや、無邪気な笑顔に、思わず笑顔になる。
・感謝をこめて、有り難うの笑顔。
・懐かしい人へ、お久しぶりの笑顔。
・いらっしゃいませの歓迎の笑顔。
・明るく元気な、お早うの笑顔。
・楽しいとき、嬉しいときの、にこにこ笑顔。
・上司の自慢話に、愛想笑い。
・叱られても、追従のへらへら笑い。
・私を忘れないでねの、媚びた笑い。

【御笑い】おわらい ―わらひ
(1)観客の笑いをさそうことを主とした内容の出しもの。特に、落語。「―を一席」
(2)人に笑われるような、ばかばかしい失敗・事件。 「こいつはとんだ―だ」

笑いを、辞書をベースに考察してみた。
自己満足した、幸せの笑いがあり、愛情に満ちた、快い笑い、楽しい笑いがある。
演出された、プロの御笑いに、腹を抱えて笑う。
そして、他人の言動で滑稽で可笑しい、面白い事にたいしての大笑いがある。
他人の失敗を笑う、さげすみの笑い、追従やへつらいの笑いなど複雑な人間模様もある。
そして、笑うことができるのは人間だけである。


摂河泉の だんじり祭り

2005-09-21 10:09:57 | 社会批評
摂河泉(せっかせん)とは、大阪の広域を呼称する地域名で、昔の分国名の、摂津、河内、泉州をさしている。この摂河泉では、秋の祭礼として各地域で盛大な「だんじり祭り」が行われ、地車を勇壮に曳き回す。
「だんじり祭り」といえば、岸和田の「だんじり(地車)」が全国的に有名だが、摂河泉のだんじり祭りの先頭を切って、9月14日、15日に行われ、三十数万人の見学者が集った。

岸和田のだんじり祭りを皮切りに、摂河泉一帯で順次十月一杯、各神社の祭礼として地車を各町内の路地から商店街で勇壮に曳き回される。
青年団の若衆は、どんな重要な仕事でも休んでだんじり祭りに没頭する。
選ばれた若衆頭が、地車の屋根に登り、団扇を扇ぎ勇壮に舞いながら音頭を取る。摂河泉の青年団の、まさに晴れの舞台である。 
地車の長い牽引ロープには、町内の小学生低学年から青年団までの若衆数十人から百人ほどが取り付いて、町内を引き回して、町の辻で見せ場の豪快な辻回しを見せる。

摂河泉には大変な数の地車がある。
岸和田市だけでも十地区あり、それぞれの区内に数町があり、それぞれに自慢の地車がある。堺市にも、十一の地区があり、それぞれの区内にやはり数町がそれぞれの地車を持っている。
私が住んでいる鳳地区にも、大鳥、野田、北王子、新在家、野代、長承寺、石橋、上の八台の地車が、狭い鳳地区の町と鳳商店街を駆け抜ける。
泉州地区だけでも約二百台もの地車が、秋空の下を勇壮な捻り鉢巻きの若衆の法被姿に曳かれて行くのである。
摂河泉の町で育った若者は、その町内の青年団や若衆に、だんじり祭りを通じて、地域の連帯感を育まれ、さまざまな仕来りや儀礼を学んでいく。

摂河泉の「だんじり祭り」の起源は諸説ある。
大阪城築城の際に、各地域から切り出した巨石を運ぶための修羅を、各村対抗で競争して曳かせた事を起源とするという説がある。
別の説では、大阪城築城を祝って、各神社から地車を曳いて祝ったという事を起源としていると言う。
神社の祭礼という立場から、地車は神様を乗せて村を練り歩き、豊作を感謝したという説があり、また祭礼に神社への供物を運ぶ時に使う車を起源としていると言う説がある。
それに関連して、昔から神は海の彼方から来ると信じられていたため、「船だんじり」として、船型の地車が主であったという説などもある。今日でも南河内の太子町や橿原市十市町には、船型の地車がある。
 
「だんじり」の名の由来も諸説ある。
台尻(だいじり)説というのは、だんじりの台尻を引きずることから。台摺る、(だいずる)からきているという説である。
また、神聖な地車の壇の奥を「尻」と言い、最高に神聖な場所とされている事から、壇の尻を担ぐことから、(だんじりを担ぐ)となったという説もある。
あるいは、台をにじらせるように進んだことから、台にじりと称し、それが訛って「だんじり」となったという説もある。

 「だんじり」は漢字で書くと地車、楽車と書く。
「だし」は山車で、「担ぎだんじり」ともいい、神輿・布団太鼓・太鼓台などがある。
「牽きだんじり」として、の代表的なものが京都の祇園祭の鉾である。

交渉術とWIN、WINの原則

2005-09-20 12:57:26 | 経済
ビジネスの実務とは、基本的には交渉事である。ビジネスとしての交渉の基本とは、要約すると以下のようになる。
まず、商品又はサービスを、それを必要とすると思われる所へ、商品又はサービスの特徴と、それを使用する事のメリットを訴求し、その代価としての条件提示を行う。
そして提案条件に対する先方の受け入れ可能条件や、拒絶反応をみながら更なる条件提案を繰り返して、双方納得できる妥協点を見いだす事が出来れば交渉成立となる。

交渉事には、ビジネスとしての交渉の他に、個人同士の問題解決の交渉、個人と企業の問題解決交渉、企業同士の交渉、企業と国家の交渉、そして外交交渉という国家間の交渉まで、さまざまなレベルの形態がある。
しかし、どのレベルの交渉でも、その基本は同じである。

基本の第一は、事前準備を入念に行うことである。まず交渉相手の情報を集めて、分析しなければならない。
交渉相手が企業であれば、企業の内部状況と企業の業績や問題点を発見する。
企業の成長の要因は何か。成長の継続性はあるのか。或いは赤字の原因は何か。構造的赤字か、一過性の赤字なのか。財務バランスはどうなっているか。資産は増加しているか、減少しているのか。経営者はワンマンか。経営者の性格的な弱点は何か。中堅の人材は育っているのか。

交渉相手の企業情報は、多い程分析に役に立つ。その分析された情報結果を基にして、ビジネス戦略を立案する。
交渉相手の内部的問題点や構造的弱点を把握した上で、提案する商品又はサービスを利用することで、交渉相手の抱える問題点の解決に役立ち、さらに具体的数値としてのメリットを、グラフその他ビジュアルに提案書にまとめておく。
そして、交渉相手企業の、誰を交渉窓口にするかを決める。企業によっては、決められた窓口を通す事を要求されることも多い。その交渉事項に対して、窓口の担当者が決定権を有しているのか、情報が必要である。

ここまで事前の準備を整えれば、商談は半ば成功したとも言える。
秀吉は、木下藤吉郎時代から、相手を理解した上での交渉事には天分を発揮した。
相手のレベルに応じて充分なメリットを与えた上で、秀吉の大いなる戦略的希望条件をのませるから、必ず成功した。
また、戦(いくさ)では、一度も負けたことがない。
なぜなら、戦(いくさ)の現場に到着する前に、戦略的にさまざまな手を打ち、戦(いくさ)相手の戦意を失わせるか、または内部に協力者をつくって内部崩壊をさせるか、戦相手の協力者を懐柔して裏切らせるか、ともかく現場に到着する前に勝負が付いている。
つまり、戦(いくさ)相手を徹底的に研究し、相手の弱点や問題点を利用して、先手を打って布石が済んでいる。だから、殆ど戦死者のでない戦ばかりであった。
戦場は、いわば相手の面子をたてて先方の降伏を受け入れる、儀式の場でしかなかった。
このことは、ビジネスの戦いでも原理は同じなのである。

基本の第二は、交渉のテーブルでは、できるだけ喋らない方が良い。
事前準備が充分に整い、交渉のテーブルに就いても、いきなり提案書を広げて一方的に喋る事は厳禁である。
まずは、計画されたさまざまな誘導的な質問を並べて、交渉相手に喋らせることである。
交渉相手自身に、問題点を喋らせることができれば、交渉は成功したも同然である。
交渉相手が、自身の抱えている問題点に気が付くように、質問を誘導することが交渉技術となる。

問題点がはっきり相手に認識された時に、はじめてその問題解決案としての提案書を提示し、その要点を短く説明する。
そして、しばらく相手の反応を見る。ここで慌ててはいけない。追加説明も加えず、じっと先方の反応を注視する。
提案書を見て、交渉相手が発する質問や評価反応に依って、問題解決への提案を相手がどの程度理解したか、あるいは本当にその問題を解決する意志があるのか、又は予想していなかった障害がまだ残っているのかが分かる。

相手の反応を見ながら、さらに質問を繰り返すことで、新たな問題や課題が明確になってくる。さらなる問題があれば、その解決方法について再提案を行えば良い。
決定権があるのか、決定するための隠れた障害があるか、提案の何処に問題を感じているのか、交渉相手に、如何に喋らせる工夫をするかが、最大のポイントである。
相手が喋ることで、相手の状況が手に取るように分かり、交渉条件の変更もスムーズに行える。

交渉過程で、交渉相手の問題点が明確になり、その解決提案方法を具体的に提案し、その実行条件設定を行って締結を促す。
いわゆるテストクロージングという技術である。
テストクロージングによって、その提案した条件設定について、まだ受け入れるには問題があるかどうか探るのである。
価格だけの問題なのか、付帯する条件に不満なのか、支払い条件に問題があるのか、それとも角度の違う問題があるのか。
問題点にたいする解決案を提示して、さらにテストクロージングを繰り返して次の問題点を探り出す。
こうして、交渉妥結の問題点を明確にして、妥協点を見いだしていくのが交渉というものである。

この交渉過程に於いて、基本原則は「WIN、WIN」の原則を守らねばならない。
この「WIN、WIN」の原則とは、双方が勝者として満足できるという意味である。
つまり、どちらもがメリットを共有できる妥協点があるという事である。
秀吉の交渉事が全て成功したのは、この「WIN、WIN」の原則を守ったからである。
だから、後で相手が裏切るというような事態は招いていない。

どちらかの、一方的犠牲的な譲歩で、片方が敗者の意識が残る交渉結末では、必ず将来の禍根を残す。
つまり売り手側が、相手の無知につけ込んで一方的に暴利を貪る、或いは買い手側の優越的な立場で、売手側の深刻な犠牲を要求した交渉結果などは、必ず何らかの報復を何時かは受けることになる。
交渉事は、ビジネスであれ、外交交渉であれ基本原則は同じである。
また、通常の人間関係に於いても、「WIN、WIN」の原則が適用される。
常に、一方的な誰かの犠牲の上で、得られる自己の幸せというのはあり得ないのである。

EXPO2005 愛知万博

2005-09-19 17:30:25 | 社会批評
愛知万博は、その半年の開催期間も残り僅かとなって、9月になって連日超満員の盛況のようである。
私が「愛地球博」を訪れたのは、開催されて間がないまだ寒い4月1日であった。
公式のホームページの入場者グラフ推移を見ると、開催後暫くは入場者数五万人前後で推移し、博覧会事務局の予想の一日十万人を大きく下回って心配された。
その後、5月には目標の十万人を越す日が増え、その後は順調に入場者が増加し、8月後半には十五万人を超え、9月に入ってなんと二十万人を超える日が続いている。
愛知万博に出かけても、これでは人気パビリオンを一つか二つ見学するだけで終わる可能性が高い。

私が愛知万博を訪れた4月1日には、約6万人の入場者数であった。
それでも、人気の高いパビリオンは、時間帯によるが、どこでも60分以上の待ち時間があり、人気館では90分~120分待ちの行列が出来ていた。一番人気のトヨタ館は、120分待ちの行列があり割愛した。人気の日本企業パビリンオンは三井東芝館、ガスパビリオン、他に一、二館程度で、夜になってやっと長久手日本館を見学した。
 
外国パビリオンは比較的に空いていて、エジプト館、イギリス館、カナダ館、ロシア館、ポーランド館、スイス館、アイルランド館その他オーストラリア館など幾つも見学できた。
外国の産物や先端技術、そして文化や芸能、美術その他料理などを通じてその国の理解を深めるのが本来の万博の姿ではないかと思っている。
万国博覧会であるから、やはり外国のパビリオンを出来るだけ見学するべきとも思うのだが、どうしても日本の企業パビリオンに人気が集中する。万博を見学する側にも問題があり、人気の日本の企業パビリオンにばかり並ぶから、長蛇の列ができてしまう。

万博といえば、1990年に大阪で開催された花の万国博覧会EXPO90や、さらに、やはり大阪で1970年「人類の進歩と調和」をテーマに開催された、本格的な日本万国博覧会EXPO70が開催されている。
いずれも思い出すのが、人気パビリオンでの長い順番待ちの行列である。
何時の万博でも、毎回なぜこんな長い行列を作る事態に陥るのか?

日本で開催される万博では、どうしても日本企業が宣伝効果を期待して、派手な企業グループ館を出店する。通常の企業の先端技術を駆使した商品を展示しても、専門家以外は興味を示さない。一般客を呼び寄せるには、その万博のテーマにあったイベントを開催するが、なんと言っても映像に勝るものはない。
EXPO70の時に、すでに人気企業パビリオンでは、超大型スクリーンや、ドームスクリーン、本格的3D映像、マルチスクリーンなど、さまざまな映像を駆使したパビリオンが登場している。

スクリーンであるから、定員を設けて10分なり15分の上映時間を必要とする。このため、必然的に待ちの行列ができることになった。
以来、万博見学とは、人気企業パビリオンに長時間行列に並び、辛抱することが参加する条件のようになっている。
はるばる遠くから交通機関を乗り継いでやって来て、二時間も三時間も行列に並んで、わずか10分~15分程度の特殊映像を見る。
これでは、万博の意図する雄大なテーマを理解し、感動するにはほど遠い状況にある。

今日インターネットを始めとしたIT技術は進歩し、携帯電話は一人一台の時代を迎えている。最近はテレビ番組ですら、携帯電話を使った視聴者参加の番組すらある。
それなのに、愛知万博でも相変わらず長い行列に並ばねば見学できないとは、一体どうした事か。
あまりにも工夫がなさ過ぎて、見学者への思いやりに欠けた、人に苦行を押しつける博覧会と言えないだろうか。

予想外の見学者の結果、長い行列ができた、とは言えない。
もともと、一日10万人の予想を下回る6万人の入場者の時ですら、一時間、二時間の長蛇の行列が出来ていた。計画通りの10万人を超え15万人となって、人気パビリオンの待ち時間は3時間から四時間となるのは当たり前だろう。
しかし、何の対策もない。嫌なら並ぶなという姿勢は、人を大切にしている企業や博覧会教会の態度ではない。

高い入場料を取られ、飲食はゆとりのない混雑した人混みの中で、料金の高い粗雑な食事を摂り、長時間の行列に並んでへとへとになって帰って行く。
これが人類の英知を謳う、現代の博覧会なのかと呆れる思いがする。
携帯電話やネットを駆使して、実際には炎天下に行列をつくら無くても、入場者の順番を決定できる方法はあるだろう。
ネットや携帯を使えない人には、コンビニなどの窓口で、受け付ける方法も考えられる。
いずれにしても、本当に人に優しい、人類の英知を結集した「万国博覧会」を研究してもらいたいものである。

最後に一言、これから駆け込みで愛知万博を考えている人は、間違っても企業パビリオンを訪れてはいけない。時間を浪費し、疲労だけを感じるだけです。
外国パビリオンをじっくり見学するほうが、はるかに意義があると思います。