随縁記

つれづれなるままに、ものの歴史や、社会に対して思いつくことどもを記す

マネーゲーム終わりの始まり2

2006-01-29 12:32:39 | Weblog
連日ライブドア関連のニュースが報道のトップを飾る日々が続いている。
ライブドアの錬金術の手口が明らかにされ、証券取引法違反容疑で23日にはホリエモンを始め、主要な取締役が逮捕された。
連日新しい事実が明らかにされ、事件の奥深さを表している。
株価は、強制捜査前の6分の1まで下がり、ようやく下げ止まりとなった。
しかしこれとて、株価が会社の解散価値を下回ったという投機的思惑からの買いに過ぎない。

投資に必要な注意深い検討や分析をせず、ブームや流れだけのトレンドに乗り、目先の利益に血眼になった。
「金は額に汗して稼ぐもの」という基本が見失われ、「パソコンで気軽に稼ぐもの」という不思議な現象が現れた。
着実な投資というより、まさにゲーム感覚の投機である。

個人投資家が急増し、投資家というより「投機家」的ディトレーダーが脚光を浴び、大学生や高校生の間にはホリエモンが「目指すべきヒーロー」であったし、書籍、雑誌は、「素人が如何にして株で億の金を儲けるか」をテーマにしたものが氾濫した。
証券会社や大手金融機関などによる「親と子のための株式教室」的な催しが各地で行われた。
ヒルズ族に続けと、子供達をけしかける親の存在も報じられた。

かくして日本は金が全てという国に成り下がってきた。
しかし、投機には必ず大きなリスクを背負っているのである。ライブドア株で大きく損をだした投機家も多いだろう。
楽して儲けるという話しには、このような陥穽が必ずある。

本来の日本の経済の基本は、物作りであったはずである。もう、ここらあたりで、マネーゲームは終わりにして、ホリエモン的拝金主義から脱出し、本来の人間らしさを取り戻さねば、日本の国がおかしくなってしまう。

時代の寵児であったホリエモンは、今、東京拘置所で一人ホゾを噛んでいることであろう。世の中をなめて掛かった報いである。


マネーゲーム終わりの始まり

2006-01-20 12:41:56 | Weblog
マネーゲーム終わりの始まり

ライブドアのマネーゲームに捜査のメスが入ることになった。
勝ち組と称されたホリエモンの手法の違法性が、法的に糾弾されることになった。
ライブドアの証券取引法違反容疑は、二つの問題にスポットを当てることになった。

一つは、株式分割や不適切な企業買収発表による株価つり上げ操作の問題である。
つぎに、ライブドアと裏で繋がっている投資組合を通じ、自社株と買収企業の株交換を行い、そのご投資組合にライブドア株を海外投資ファンドに売却させ、さらにその収益をライブドア本体へ、コンサルタント料などの名目で環流させていることである。

外部に分かりにくく、法的規制の殆ど無い投資組合を隠れ蓑にして、自社株のつり上げと自社株を海外投資ファンドに売却するという、まさにマジック的手法である。
このようないびつなマネーゲームを繰り返すことで、莫大な環流資金を作り、買収企業を次々と増やしてきた。

まさに拝金主義で、企業経営の理念などはまったく存在せず、買収可能な企業であれば何処でもよく、株式分割の繰り返しや、不適切な企業買収発表による株価つり上げ操作によって、グループ企業の時価総額を大きくすることだけが目的のように成っていた。
このような特異な違法性の高い手段と操作によって資金を作り、ニッポン放送株の買収事件を実行した。最終的にはフジフレビがライブドアと資本関係を結んでいる。
このようにして、「ライブドア」ブランドを売り込み、ライブドアの株式分割を繰り返し、時価総額を膨らまし続けた。

この手法がついに法の裁きを受け、社会的な制裁を受けることになった。
ライブドア企業グループの株価は売り一色となり、事件報道からわずか三日間で、株の時価総額の値下がりは、なんと4千500億にも達するという。
今後のライブドアの錬金術は全く通用しなくなる。
また、ライブドア株やIT企業に投資していた個人投資家のマネーゲームも、そろそろ終わりが近づいている。
まさに、マネーゲームの終わりの始まりという気がする。
ルールを無視したマネーゲームは終わりにして、本来の堅実な企業運営で株価を上げてもらいたいものだ。

一方、東京証券取引所は18日、株式売買の注文/約定件数が増加し、システムの処理可能件数を超える可能性があることから、14時40分以降の売買を全面停止した
ライブドアショックによる狼狽売り一色の中で、能力の限界に達して取引全面停止という、前代未聞の醜態を演じた。
ロンドン証券取引所やニューヨーク証券取引所の関係者曰く、プロとして考えられない事態と驚きを隠さない。

東京証券取引所は、集中処理を行っているため、想定を超えた売買発注に対して、システムへの負荷が掛かりすぎて、処理能力に限界を呈する。
ロンドン証券取引所やニューヨーク証券取引所では、こういう事態を避けるため負荷が集中しない仕組みの分散処理をしており、さらには二年に一度は処理能力の更新を行っている。このような世界の証券取引所の流れに比較すると、東京証券取引所の対応の甘さが透けて見える。
毎回、泥縄式に問題が起きてから、対処療法を施すことを繰り返している経営陣は総退陣して、責任を明確にするべきであろう。

よくも悪くも個人投資家が増加し、ディトレーダーと言われる短期売買を繰り返す投資家が増加している。時代の変化に迅速に対応し証券取引をスムーズに成立させることこそ、証券取引所の使命ではないのか。