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歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

one day akita ~1:朝は海の色

2010年07月30日 | 旅録 -travelogue-
毎度毎度な気がするけれど、
予告編からずいぶん経って、そろそろ忘れかけた頃に、

お待たせしました。






去る7月18日。

一日だけの、旅をしました。


箱根の庭修業から舞い戻った その脚で、
格安の夜行バスに飛び乗って。


秋田へ。



第三の故郷へ。





まだ到着しない早朝。




岩手あたりで うっかり目覚めてしまってから
もう全く、眠れなくなりました。


というのも:

バスは 盛岡あたりで 高速を降りたらしく
走っているのは、森に沿ってうねる、下の道。


窓の外に広がるのは

青い田園

濃い杉の森

森のあいだに走る渓流

そして

点々と、小さな村。


小さな東北の、野山の風景。


朝霧の立ちこめる
里の風景で。




色んな 甘い
「懐かしい。」が溢れて来て、

もはや
目を閉じるのが、もったいなくて。


他の乗客は寝ているので、カーテンをザバッと開けるわけにもいかないから、
自分の首だけ カーテンの向こうに 突っ込んで
窓に べったり はりついた。


らんらんと、食い入るように、
眺めました。


ゆっくり流れる 懐かしい色を。


瞳孔かっぴらきで。
飽きること無く、眺めていました。
おそらく アドレナリン出まくってました。




溜まってた疲れとか 当然のように
すっ飛んで。



ああ、森が近い!!





胸の中は、「うれしい!」でいっぱい。






早朝 着いた
秋田駅。

出迎えてくれたのは、馴染みの「FULIO CAFE」の
美人店長:フリオさん。


一年ぶりの、感動の再会!


そう言う時に限って、写真は忘れる。





「雨」という天気予報を覆し、
ごつーん!と暑く晴れた、
秋田の空。







午前中いっぱい、
フリオさんの黒い車で、あちこち 連れてってもらっちゃうことになる。


「お腹すいてる?」
「もちろん。」


颯爽と、

まずは、

お蕎麦屋さん!
朝の7時からやってるという、素晴らしいお蕎麦屋さん。

江戸前気っ風の、ベリーショートの、巻き舌のおかみさん。


「とろろもりそば」を頼みました。

「とろろ」の発音は、巻き舌で。「トゥルルルォ!」




そして わたくし。

「うずらの卵割りバサミ」

という文明の利器を、初めて見た。
初めて使った。

衝撃だった。


「うずらの卵の端っこのほうを、うまいこと切る」

そのためだけの、ハサミです。

なんという文明力でしょう。
おそるべし。ジャパン。




あまりのハサミへの感動のために
肝心の蕎麦を撮り忘れて、
しっかりと美味しい腹ごしらえをして、

さー お次はー




海!




まさか、今回、海まで行けるとは。


想定外の、嬉しい展開。






雲の道が伸びる。


青い世界が延びる。








パラグライダーが飛んでいました。

手を振ったら、近づいて来てくれた。






ひさしぶりの、海を見た。






というか


ひさしぶりの、海の上の「空」を、見た。





はああ。





海のあとは、

温泉へ!モリモリ贅沢三昧!


気持ち良かった。

ハチに刺されたばかりだった腕に、ビシビシ来ました。


秋田には 良い温泉が 山ほどあって、
朝から入れます。


400円で入れます。
東京じゃ、考えられない。


こういう時、ほんと「秋田に住みたい。」と想う。





温泉のあとは、

秋田の隠れた名物・隠された郷土の味:

「ババヘラアイス」。




実は 初めて、食べました。


炎天下のロードサイドに 点々 ぽつねんと放り出されているババアたち。
ババアがヘラでこさえるアイス。





なんだか 妙に
なつかしい、

ケミカルバナナとケミカルイチゴの味。

ぶっちゃけ、
おいしかった。


そうそう、
すっかり食べ損ねていたんだった。ババヘラ。

想定外の、大願成就。




なんせ一日しかないから。と、

フリオさんも、朝からモリモリ盛り込んでくれて、
勢い良く かっ飛ばしてくれました。


その勢いで



甘く切ない
懐かしの「森」へ、、、!!




 、、、続く。






ちょうど一年前の秋田強行ツアーは
>>コチラ>>
1:序
2:巡
3:森と湯と蛍
4:滝とカフェ

なんか、、「第5章:花編」を、書くつもりで、すっかり忘れて、
幻になっていたんですね、、、あららら。

そして、
一年前はまだ、写真がちっちゃいね。。






ワンデイ秋田 ~予告編~

2010年07月20日 | 旅録 -travelogue-
東京は、猛暑。

灼熱すぎるせいか
パソコンも 懸命に熱を吐きだそうと ぶぉうぶぉうと叫んで居りますが。
むしろ、その頑張りのせいで また熱が出てるんじゃないかな、という感じ。


いよいよ攻めて来た夏を前に、
力及ばず、か。


要するに、
パソコンの調子が、悪いです;
また写真がアップできなーい。


ということで、

秋田の友人が撮って送ってくれた写真で、

「予告編」ということに。


珍しく、自分が写っています。






海です。(photo by fulioさん)

秋田に着くや、出迎えてくれた秋田美人。

真っ先に、連れてってくれたのが、海。

いや、

厳密に言うと:
真っ先に連れてってもらったのは
早朝からやってる お蕎麦屋さんでした。








庭です。(photo by fukiさん)

八郎潟の友人宅の ひろーーーーい庭の

枝垂れ桜の剪定をしてるとこ。

400年ものの庭は、
あれもこれもと、手入れのやりがいのある庭でした。






夜行バスは 盛岡で高速を下りると

下道を通って、
北を目指しました。

小さな町と

霧の引く 朝の田んぼと

森の中を うねる道。


朝の五時からもう、胸の底が いっぱいいっぱいになって
アドレナリンが噴出。

瞳孔がカッ開いてしまいました。

もう、寝てる場合じゃない!って。



秋田で出逢った友人たちと あちこちで落ち合い

梅雨明けの空
木蔭の風
懐かしい空気のにおい
懐かしい光景に

だまって吹かれていたら


かつて
そこに暮らして居たときの感覚に、戻ってしまっていた。





ひと足早い、夏休みだったような。

旅日記、乞うご期待*



お山の麓の森と湖

2010年05月11日 | 旅録 -travelogue-
GWの余韻醒めやらぬまに訪れた、
サービスホリデイ。


富士山麓の とある別荘地に、行って来ました。




ひょんな偶然に飛び乗って、
ひょいっと訪れた、
まさかのぜいたくな環境。




ちいさな富士桜がまだ残りながらも、

ツツジも 始まっている森。


   (花から先に咲き始めるミツバツツジ)



新緑の森。





念願の、森。





朝の澄んだ森を、散歩しました。




朝の森は、
いろんな鳥の歌が たっぷり響いています。

耳をすますほどに、あふれて聴こえて来ます。






森のメインは、松。



赤松。


松の葉の 茶色の
甘く灼けたような香りと、

ふかふかのシフォンケーキみたいな土の やわらかい香りと、




新緑のみどりを 透けて通ってゆく
清らかな・爽やかな 風のにおいと



みずみずしい、生まれたての新しい芽の香り。



一番大好きな森の香り:

「クロモジ」にも、出逢えました。



お茶席で和菓子用の楊枝にも使われる、クロモジ(黒文字)。

今ちょうど、花が咲いています。

茎を折ると、どこまでも突き抜ける、まっすぐな清涼な香りがあふれます。





森は、目を凝らせば凝らすほど、
色んなものに出逢えます。


(ホオノキの花)



(ウバユリの種の飛んだ後の花)



(マムシグサ)


森ボーイは、燃え燃えです。

いつまででも居られる気がする。







朝ご飯のあと、

富士山がどかんと見える公園まで 足を伸ばしました。



走る緑。








どかんと。




富士山です。


クッキリです。

冠り雪の マットな白と、
漂泊の雲の 透ける白。

空の遠さの 水色と、
山の深さの 強い青。






クッキリ。



真近で見る富士山の、ずずーーーんと迫って来るような
巨大なスケール感は、

どうしてだか、写真では 全く伝わりません。。。


森の中の、芝の広がるパノラマの公園で 
まったり。





靴を脱いで。

ごろんと寝転んで。

たっぷり五月の陽を浴びました。







光を浴びて
なんだか カラカラに乾いたので



湖に移動しました。




山中湖です。

海と比べると、ちっちゃいベイビーみたいな、繊細な波。



静かな、湖。


というか、

湖というものは、とても静かです。





めいめいに、



まったり。











「スワンに乗ろうか。」


「乗っとこうか。」



ということで。




乗った。

ショッキングピンクのスワン。

内部は真逆の、のっぺりペンキらしい水色。





スワン越しの富士。




親鳥通過。





「森ガール」転じて、「湖ガール」。
っていうか、「湖(こ)ギャル」?





湖の上にて。


まったり、、というか、

せっせかと、漕ぐ。こりゃ案外大変だと、乗ってすぐ、気づく。






というわけで、


たっぷり、森と湖と。


のんきな休日を過ごしたのでした。





再び、森ガール。




再び、桜に、さよならを言う。







追記。

びっくりしたことがありました。


以前、建築学科に居た頃 お世話になった画家さんが居まして。


富士山麓の別荘地に、白いもしゃもしゃの犬といっしょに暮している画家さん。

井出さんという方です。(井出さんのHPはコチラ***


深く雪に埋もれる ある真冬に。

そのアトリエにこもって、絵を描いていたことがありました。


それが初めての 真冬の雪国体験。

自分的には すごく衝撃的な日々でした。

雪の中で“生きること”は “死ぬこと”と紙一重であるという 恐ろしさ。
生と死のはざまの緊張感を、そのとき初めて、からだで実感しました。



そのアトリエが、


今回行った別荘の 超・近所だったのです。

別荘の主も、知り合いでした。


奇遇の縁。


久しぶりの再会を果たしました。


(誰にでも激しくなつく激しいテリア犬:ビット。)


「いつか、いつか」と願っていたので、
偶然にしても、とても嬉しかった。


突然つながった、新しい縁と、懐かしい縁。


不思議なものです。











 追記2。
 右の「NEWS☆」欄にもこっそり書きました通り、
 明日12日から、「国際バラとガーデニングショウ」に出没します*

 国際バラとガーデニングショウ:>>http://www.bara21.jp/





春の旅<まとめ>

2010年04月27日 | 旅録 -travelogue-
断片的にちらばっているので、まとめてみました。

3/19(金)深夜カラ
3/23(火)早朝マデ





第0話:「2200km」
    >>


  ・・・予告編。「旅に行って来ました」という第一声です。

第1話:「はじまり」
    >>

  ・・・出発から、直島乗り込みまで。
     わずかここまでで、すでにこの長さ。先を思って、気が遠くなりました。

第2話:「地中美術館」
    >>

  ・・・第一の目的地:直島の地中美術館。
     写真が撮れないのは、残念でしょうがない。行って!ぜひ行って!

第3話:アイラブユーとお好み焼き
    >>

  ・・・直島の「I♡湯」というアート銭湯に入った話と、
     広島でわざわざ高速を降りてお好み焼きを食べた話です。
     普通に2話に分けるべき長さだったと、今しがた気づきました。

第3.5話:臭い正体
     >>

  ・・・直島で出逢った臭いにおいの正体についての話です。
     その正体は、
     海の干物じゃありません。インスタントラーメンの粉のにおいでもありません。

第4話:カルスト炎上
    >>

  ・・・秋吉台のカルスト台地。長者の森も。
     カルスト昼バージョンと、夕方バージョン、そして
     夜の野焼きバージョン。この旅のハイライト。

第5話:トランスエメラルド
    >>

  ・・・ほんとに青い、神秘の泉、弁天池。
     中国にもこんな湖、あるんだよね。世界遺産で見た記憶が。
     青森と秋田の境あたりにも確か、あったはず。青湖なるものが。
     それも行きたい。

第6話:暗黒探検隊
    >>

  ・・・暗黒の洞窟を探検しました。この旅のハイライト2です。
     世界遺産の秋芳洞をスルーしてこっちを選んだけど。
     秋芳洞も、できれば行ってみたい。またいつか。

第6.5話:シシをぶちこむ
     >>

  ・・・シシを引き裂いてぶち込みました。
     結局、私、食べ損ねました!

第7話:森へ・帰る
    >>

  ・・・最後に、森に入った話。とても私的な自己満足の話。
     そして、帰る話。
 



以上です。
うすうす分かっちゃ居たけれど、
いっぺんに読むと、相当長いですね;


そうこうしているうちに、桜が咲いて、散って、
ツツジが咲き出して、
また新しい旅が始まって、終わって。

日常の現在進行日記と 織り重なりつつ
入り組みながらの、連載旅日記。如何でしたでしょうか。

長々とお付き合い下さって、本当にありがとうございました。



一緒に旅したかのような気持ちになったり、

心に残る風景の一枚でもあったりしたら、是幸いです。







とりあえず、

、、ふーーーー~~~!
終えられて、ほっとした!













春の旅7:森へ・帰る

2010年04月27日 | 旅録 -travelogue-
思いのほか 断続連載化してしまった「春分の旅」。
山口・秋吉台への強行突破ツアー。

わずか数日間の、旅日記。
ひと月以上経って、
いよいよ旅は終わりへ。


旅の最後に。

私が個人的に、ひとつ、どうしても果たしたかったこと。

それは、「森へ帰る」ということ。




カルスト台地と、青い泉と、洞窟探検と、山焼きの火と。
旅のクライマックスを 一日で一気に果たして、

明けた朝。



それはつまり、
旅の終わりの日の、始まり。


東京への 長~~い帰途に就くべき、

短い旅の、
最後の日なのでした。





滞在した「秋吉台国際芸術村」。

澄んだ水色の空の下。



森を背にした、白亜の現代建築。

せっかくなので
中も、ざっくり見学させてもらいました。


まずは



食堂です。




「修道院」をイメージしたという。

確かに、しんと厳かで、静謐な空間。






ホール。コンサート会場です。

二階席、三階席と、小さな空間(ブース)が連なっています。

1人で住むのにちょうどいい広さの、小さな空間。それが、
ちょっとした高低差で入り組んで、繋がっていました。


こういう家があったら、

、、というか、

ここが家だったら、

気の合う友達同士で 各ブースごとに部屋をかまえて、
「ホームシェア」して住んでみると、面白いかも。
と、思いました。

「おーい、ちょっとしょう油貸してー」とかさ、
「ごはん作ったけど、食べるー?」とかさ、
あっちのブースからこっちのブースへ、声を飛ばしたりして。
しかも、ものすごいよく響くの。


コンサートホール型ホームシェア。


まあそんな、妄想を。




ホールの外の 中庭エリアには



屋外舞台。

ごろごろした石ころのちらばる、浅い池の中。

何か、舞踏とかにうまく使えそうな空間。





練習室。



もしくは、
後ろの窓を開け放って、芝生を客席にして
コンサートの舞台にもなる部屋。

森に向かって、開かれて。
演奏する方も、気持ち良さそう。

森にこだまして、還ってくる音。

樹々の奥に吸い込まれて、消え逝く音。



、、、どうも、
ホールの中よりもこっちのほうが、かなり気持ち良さそうです。
芝生の上で、
草のにおいにまどろんで、寝転んだりしてね。



ちょうど、室内楽の学生が練習に使いに来ていました。


以上。建築関係のプロモーションでした。







そして、



私の、個人的な、ひそかな宿願:

『森に帰る』。

この朝に、決行しました。


森に入る。森を歩き回る。森の空気を吸い込む。

自分にとって一番「癒し」になること。
都市の中で生きて行く上で、心身のバランスを保つために「必要」なこと。





この「芸術村」の建物が 森に抱かれている様を見た時から
「絶対、入りたい。」と狙っていた、森。


森のふもとには



ここを訪れたアーティストたちの残した「作品」が、
あちこちに転がっていました。




でも

基本的には




竹が伸び放題。

バッキバキに、折れ倒れ放題。




あんまり入る人が居ないようで
なんとなく荒れた感じの、里山の森。


でも、
きれいな水の流れもあり、
光の入り方がきれいな、明るいポイントが多い。

コケも豊か!


この森は、“潜在能力”高いぞ。
手入れをしたら、ここはとても居心地の良い森になるのになあ。

ああ!この杉の丸太、どかしたい!
倒木、、、。片付けたい、、。きれいにしたい、、、。

、と、
元・森番の魂が うずきます。


ちょっと手を入れただけで、じゅうぶんに
“人が”過ごしやすい森になるなあ。


、、と思ったら、
そもそも



ここは昔、人が住んでいた“村”だったのでした。

戦後。人が減って、やがて うち棄てられたようです。


そして今や
廃墟の感じすらも おおかた蔭に埋もれてしまっている、

「失われた村」なのでした。




コケに覆われた水場。


ここに人が生きていた 証。




神社の鳥居も。



切ないような、
寂しいような、熱いようなものが、

小さく 胸をチクリと、刺すような。


かつて人の生きていた土地。
ある時点から「生活」が途絶え、永遠に失われた場所。

その“痕”に漂う 独特の時間の流れと、
「普通の森」とは 何かがちがう、

なついてくる空気の感じ。


哀しいでもなく
嬉しいでもなく

胸を小さく、刺すような、

人になついてくるような、空気。







その森。

到着したすぐに ちらっと巡った際は、ふもとだけで、
奥まで行けませんでした。


この朝、

満を持して、
私、駆け込んだわけです。


極寒にも関わらず断固たる決意で野宿を成し遂げたテンションの:O君と、共だって。




けもの道 というか、
道無き道を。


あんまり想像できないかもしれませんが、
私、森となると、テンション だだ上がります。

何かが目覚めるんですね、どうやら。
ピョンピョン跳ねてます。ぐんぐん突き進みます。
「うひょ~!」っと、ハイテンションで駆けのぼっちゃいます。


道無き道とか、燃えます。



倒れた木の根の“面”です。





コケです。萌えます。
だいたい、さわります。

ふんわり。




山にぽつんと咲く花。これもまた、萌えます。

光を吸い込む、
ヤマツツジの紅い顔。





あ、



山頂です。




秋吉台のカルスト台地が見えます。


近いような、遠くから見晴るかすカルスト。

また別の見え方。





山は

頂まで 登ってみれば




まだまだ その先へ
連なる山が見える。


次の山。
また次の山。

下って上がって、上がれば下る。


見えないようでも 在る、

終わり無く連なる、
山の道。








森には、いつまでも居たいと想う。

森には、
底知れぬ怖ろしさがある反面、
空知れぬ優しさもある。

色んな草木が寄り添って生きていて、


どんな者でも 付かず離れずの距離で
見えない手で抱いてくれる、静かな深さがある。

気を抜きすぎると、命に関わる危うさもあるけれど。


だから、

「ここに居たいな。」と想う。じー、っと。



でも
「帰らなきゃ。」



ということで

駆け下りる。



山の麓には


麓の花が咲いている。


人が人のために植えた、花。


それはそれで、

人知れず咲く 山のツツジと
まったく同じに、美しいと、想う。









山を下りたら

旅の「イベント」は、終了です。


あとは、
半日以上かかる道のりを、高速でぶっ飛ばすだけ。

ひたすら盲目的に、ぶっ飛ばすだけ。


運転手以外は
やることは特に無いので




大体寝るだけ。

あとは



空を撮ってみたりする。


流れ去るばかりの空を、開けられない窓越しに。


そうこうしているうちに、日も落ちてゆく。





旅には
「単純移動」という、特に何も起こらないような こういう時間も付きもの。


旅の真っ最中は
何でもかんでもイベントのようで、とにかくいちいち濃密な時間。
抱えきれないほどの「思い出」で、手いっぱいになる。

その一方で、

何もしていないような こういう時間も。

からだに ちゃんと刻まれて、
心にも ずっしり詰め込まれて、

ぐったり疲れて

しっかり、思い出の一片になっている。


そして




その日も 終わってゆく。









エピローグ。


この 強行突破:2200キロの旅を奮闘してくれた、レンタカー。

某・激安レンタカー屋さんでレンタしました。この旅の、影の主役です。
(えっ、2200キロって、ほんとですか!?って、びっくりされました。)


この車。

ボディに、キラリと。
謎の、(ぶっちゃけダサい、)カラフルステッカーが貼ってあってね。


「なにこの柄!?」「ありえない。」「大丈夫?このレンタカー屋!」と、
非難囂々の物議を醸していたのですが

なんと



その柄ステッカー、「仕様」だったと、判明したのでした。
レンタカー屋のせいじゃなかったの。メーカーのせいだったの。

すまない、レンタカー屋さん。

カーを返す寸前、まったく同じタイプの車(もちろんそのステッカー付き)と遭遇して、
レンタカー屋の無実が発覚したのでした。



ちなみに

この前の山梨行きの時も、お世話になりまして*
(さすがに同じ車じゃなかったけど。)

安くて、とても“ニコニコ”している、良いレンタカー屋さんでした*









最後に、もう一つの、影の主役。


なにげなく
今回の旅を ずっと見護り続けてくれていた:



てるてるぼうず。

b隊員のお作です。
見事に、“晴れ”を恵んでくれました。


この、てるてる。

レンタカーを返す時、
ご覧の通りにバックミラーに付けっ放しで、
うっかり忘れてきちゃったんだけど;



その、
例の、ニコニコしたレンタカー屋さん。


車内清掃しながら、
このてるてるぼうずに「あらっ」って気づいたとき。どう想ったかしらん。

って、ちょっと想像してみる。



たぶん、

「ニコッ*」ってなったと、想うんだ。

きっと。









(了。)



春の旅6.5:シシをぶちこむ

2010年04月20日 | 旅録 -travelogue-
早一ヶ月経とうとしておりますが、

断続的に こつこつ更新中
はるばる・春分の旅シリーズ。



いまや 遠い過去の出来事のような 直島/地中美術館から始まって、

アイラブ湯に入って、しっかり広島で広島風お好み焼きを食べ

カルスト台地をめぐり

エメラルドの泉を見て

洞窟を探検し




、、と。

移動を除くと、実質:わずか2日の
強攻てんこもりツアー。

何をやってもクライマックスだったんですが、


いよいよ、帰り路に就きそうです。









が、

その前にちいさなエピソード。




前回(第6話)、 洞窟の真っ暗闇を探検しまして。


出て来たら、

昼下がりで、まったり。




前回までのお話は、そんな流れでした。
リメンバーして頂けたでしょうか。

で、

そのあとが、



これです。

ここらへんは、第4話の後半にあるとおり。

秋吉台の
カルストの夕暮れと、
夜の“野焼き”を見にいくわけです。


今憶っても、想像を上回る 衝撃的な光景でした。




ですが。

その前後に。

忘れちゃいけない:

「夕飯食べないとね!」
ということで

一旦、宿泊する秋吉台国際芸術村に戻って


(↑秋吉台国際芸術村。磯崎新の設計。)


夜の野焼きを見に行く前に、
夕飯を仕込みました。




イノシシを一頭、やっつけまして。

肉、力づくで割って、引き裂きまして。


鍋にぶちこんで。





とりあえず煮込みました。

にんにくとか、入れて。


この段階では、これを結局 何にするかは、
まだ決めてなかったと思います。





そして

「野焼きショック」。

半分呆然とした 燃え盛る地獄を見た
ハイテンションで

帰って来たら

シシ肉は
あいにく まだ 何ともしようがない状態。

煮込みを続けつつ


ガンガンいもを揚げたり。

なぜか大量にあったニンニクを丸ごと揚げたり。

「バルサミコ発見!」ということで、歓喜のバルサミコサラダを作ったり。

もちろんお酒も傾けたりしつつ。



たぶん、

たしか、

なんやかんや食い散らかしてました。


そのあいだ ずっと煮込まれ続けていたシシ肉は、

たまに 肉を骨から強制的に削ぎ落とされるべく 突ッつき回されたりしつつ。





結局

その夜のうちに食べられる状態を
迎えられぬまま

みんななんとなーく
膨満感を迎えてしまって


宴は おひらきになってしまったのでした。





結局

何を しゃべったりしたんだったか

何を 食い散らかしたんだったか、

すっかり、忘れてしまったんですけれども、

写真も撮ってないし。


、、大体ね。そういうもんですよね。宴、って。




翌朝目撃した 成れの果て。








翌朝、目覚めたら




もう、帰りの日なのです。

ひたすら運転して帰るのみの、日です。


その前に、

私は
森に飛び込むんですけれど。





、、という、次回が
もしかしたら、春の旅シリーズの最終回かな。


もう、
そうこうしているうちに、また新しい旅が始まってしまいそうです。









春の旅6:暗黒探検隊

2010年04月12日 | 旅録 -travelogue-
お待たせしました。

間があいてしまいましたが、「春の旅シリーズ」。
忘れた頃に、再開です。


前回:青い泉を見に行ったところ



心の底まで澄まされたあとは、


暗転。


底なしの真っ暗闇の、
洞窟探検へ。




カルスト地形の、秋吉台。
その地下には、
無数の鍾乳洞があるのです。一番有名なのは「秋芳洞」(あきよしどう)。

でも
我々が目指したのは、
整備もされていない、名も無き 秘密の洞窟。

こんな



のどか~な 田園風景の片隅に、





ぽっかり口を開けて、
ひっそり隠れて居る というのです。

洞窟が。




ドロドロに汚れるので、
長靴と レインコートを装備。
懐中電灯も、しっかり一人一個ずつ。




ちなみに



巨チワワは、
車でお留守番。

オイテケボリにされちゃうとも知らずに、おとなしく水を飲んでます。


人間たちは



ヘルメットも装備して、
準備オッケー!

地元の工事関係者っぽい扮装が、完成。これで怪しまれることもあるまい。


いざ、探検隊出発!




早速、ちょっと迷う。
無名の洞窟ゆえ、案内表示とか全然ない。

洞穴の入り口を探し求めて、
未整備の荒れた森の中を、さまよう探検隊。
気持ち的には ジャングル探検。




「あったよー!」


発見!



洞穴の入り口が突然現れる。

こういうことなのね。




森の中、
唐突に現れた いきなりむき出しの、白い岩肌。

ごそっ と 深くえぐれて落ちてゆく、
闇の淵。



ほんとに
「地獄」の底へつながっていそうな。
深い深い 闇の入り口。





待ち受けるは、

本気の、闇です。





光は 一切無い。

ひたすらに、闇の色。
外界では決して知り得ない、真の闇の色。


ぽたぽた 沁み出ている水で、
足下は ドロドロの、ぬかるみ。


空気は しっとり、
風は無い。そのせいか、

ゆるく、あたたかい。





繰り返しますが、
本当に「真っ暗闇!」なので、

この、暗中模索状態の、手探り・足探りで這い進む、
ドキドキする感じ、

映像で伝えようが、ないんです。

フラッシュをたいてみたら






こんな感じに撮れました。

なんか、粒子がいっぱい写ってる。
ホコリでしょうか。蒸気でしょうか。オーブでしょうか。

ホコリだとして
ほこりっぽいとか、けむたいとか、ごほごほするとか、

そういう“不潔感”は、
全然無い。

むしろ、
“清浄”そのもの。

「ナウシカ」の、腐海の底を思わせます。
地底深くの、清浄の世界。
あっちは とても明るい世界だったけど。
(あれはなんで、地底なのに明るかったんだっけ、、、。)








なにか発見。



地底ゲジゲジ。



謎の人工物。



一体誰が?何のために?
なぞのぼろぼろラック。


ゴミ?不法投棄?
ゴミっぽい。。。

それにしては、わざわざこんな 秘密の洞窟の、
よりにもよって、だいぶ奥深くまで持って来るっていう、
その執念、、と言うか、ド根性の意味が、ちょっとわからない。





「ちょっと、懐中電灯ぜんぶ消して、真っ暗にしてみない?」

山口森番:ネミーゴが 提案。


消してみた。





真っ暗にする。


完全に沈黙。




ぽつーん、ぽつーん、

水の垂れる音がする。


そして、

それだけ。


闇の中、

目を閉じる。


目を開ける。


同じ。

開けても閉じても

闇の色。


開けてるのか 閉じてるのか

わからなくなるほど。


むしろ

開けてようが 閉じてようが

そもそもそういうことの意味さえも

そもそも目の存在価値なども、どうでも良い という、世界。





すぐそばに居るはずだけれど
みんな 息をひそめていて、
音も無い。

見えなすぎて、
ひとりぼっちみたい。

でも本当にひとりぼっちで来て、電気を消したら、多分、気が狂う。






あえて「何にも考えない」を、やってみる。


ただ そこにある暗闇というものに、意識を研ぎ澄まして
同調してゆく。


闇になる。



しばし


瞑想。

ひとつ 深く ため息をついて。






帰りましょうか。

地上へ。






ついさっき見た 同じ光景。

、の、はずなのに

まぶしい。


樹のふちどりの影が、青く滲んで見える。

青くあふれて見える。



その光が見えた時、

無性に嬉しく、
何だか ほっとしました。


静謐な闇の中で瞑想していたときも、ひどく落ち着いて、
ある意味「ほっとしていた」けど、

それとは違う、

「安堵」がありました。

生き物だからか。

古来より 世界あまたの神話で
地下=死者の世界とされていますが、
まったくその通り。

洞窟の 闇の底は
生物が生き難い世界。
死の世界。





地の裂け目から

ちいさな光の点が ぽつりぽつり



ちいさな人間が ぽつり ぽつり

這い出してくる。



ちいさな点が

闇の淵から





「生まれて来た。」


そういう言葉が、よぎった。


生まれ出て来る。
そういう光景に、見えました。

ひとり ひとり。


真っ暗闇の底から、

光満ちる世界へ。

生まれ出て来る。


へその緒を 伝って よじのぼるように



フジのつるを しっかり掴んで。


そして、


外に出た。






光あふれる世界に。





みどりと花のあふれる世界に。





やわらかい土のある世界に。




世界が見える世界に。








泥だらけの装備を、洗います。



きらきら光る水が 元気に流れる
用水路で。




ざぶざぶ洗って 

昼の まぶしい光に照らして



干します。

あったかい光に
心底、ほっとします。

みんな、自然と、のんびりに。

ほっこりします。




ただいま。




おかえり。





生き返ったような心地で。

新しく
初めて
光という色を見た心地で。








おかえり。








  ( 続く >>>)


春の旅5:トランスエメラルド

2010年03月31日 | 旅録 -travelogue-
「春分の日」またぎの 連休・強行・2200km春の旅 の模様、
お届けして居ります。


 春の旅0(予告編)
 春の旅1:はじまり
 春の旅2:地中美術館
 春の旅3:アイラブユーとお好み焼き
 春の旅3.5:臭い正体
 春の旅4:カルスト炎上


いよいよ佳境です。





カルスト台地の下には、
無数の鍾乳洞があるのです。

地上(お昼バージョン)にガツンとやられた後は、
地下の鍾乳洞探検に参りましょう!ということになりました。

秋吉台の季節労働番人:ネミーゴだからこそ知り得た、秘密の洞窟へ。




と、その前に。

目的の洞窟のそばにある、スピリチュアル・スポットに行きました。


弁天池。

青い水が湧き出る泉です。





出迎えてくれたのは



謎のおばちゃん。番人かしらん。


ちょこんと座って(足をピン!と伸ばして)、
「きれいですよ~。見てってね~。」と、来る人に声をかけてくれていました。

その様が可愛らしかったので、通り過ぎさま、シャッ!と瞬撮。


そのおばちゃんのすぐ足下を流れる
小さい用水路(近くの田んぼ用)。その水がすでに



おいしそうに、透明。

無色透明で、
きらきらしています。




ゆたかな 透明の水が、
惜しみなく あふれて、ぜいたくに流れてゆきます。


おそらく、その流れのみなもとに、
うわさの
“青い泉”があるはず。





で。


現れました。



青い。







ほんとに、青い。

なんで青い?


青 というか、もっと、碧。
きらきらと澄んだ、エメラルド色。




ほんとに、綺麗でしょう。

こういう色の湖、見たかった。夢だった。





「どこから湧いてる?」

水面は 異様に静まりかえっていて、
どこが湧き出しポイントか、よくわからない。


というか、

「境目」がよくわからない。



水面が透明すぎて、
そこには「何も無い」みたい。

水面は、もはや“水鏡”でもなくて。
もはや、何も無い。


そして、
「エメラルド」という色だけが、不思議に、じんわり宙に滲んでいる。
そんな感じに。


透明すぎる。
水と 空気の「境目」がどこなのか、
一瞬、わからない。






 『あっ!』て、ビックリするよ。
 『あ、ここに水があった!』って。

と、
山口番人:ネミーゴが、素敵な、詩的なことを言う。


手を 水面のほうへ
差し伸べてみる。すると、
「ここらへんが水面かな?」と思っているあたりよりも
手前で、
思っても居ない瞬間に、ひゅっ、と 水面に突き当たって、

「あ、ここに(水面が)あった!」って、

ビックリする、って。


なんて詩的な泉。




ゆ  っくり と




ゆ     っくり と



宙を泳ぐように

「主」も登場。






それにしても、

なぜ青い?





いつまでも 見ていたいけれど


先へ。





風が、サァッと、渡った。





御神木のムクノキに、手を触れて。



お参りして。




名残惜しみながら、


水の流れるほうへ、戻ります。






きらきらと ながれゆくほうへ。





水は、

ニジマスの養殖池へ 注ぎ込み。





小さな用水路に入ったら

公園のわきを通って




田んぼへ注いで行きます。

一等美味しいお米が出来そう!





ちなみに、飲めるようにもなっていて、
ボトルに汲んで持って帰れるようにも、なっていました。


やわらかくて、甘くて、透き通る美味しさでした。









(・・・次は、いよいよ洞窟探検へ。・・・続く>>>)




omake*



上の写真のアニマルたちと並んで、なぜかあった、
海上自衛隊所属の飛行機。

アニマルと同じ方向を向いている。


なぜだろう。
なぜここに流れ着いたのだろう。このプロペラ機は。




「ふむな」=「ふめるよ」









、、、ああ~、もう一回、見納め!







ああ、
やっぱり綺麗!


、、、そういえば、
これと同じような色のワイン(だったっけか)を、先日、発見したんでした!



これ!初台の、超高級スーパーにて。

欲しいなあ。


春の旅4:カルスト炎上

2010年03月31日 | 旅録 -travelogue-
山口の秋吉台。カルスト台地へ。

「カルスト」(独: Karst)とは、
 石灰岩などの 水に溶解しやすい岩石で構成された大地が、
 雨水、地表水、土壌水、地下水などによって侵食(主として溶食)されてできた地形です。
  (wikipedia参照

これは、



衝撃の光景でした。

目に飛び込んでくるや、
「えっ、ほんとに?」
って、思わず言ってしまった。




超現実的。




「トルコっぽい」と、
かの国に行ったことのあるメンバー、曰く。


ほんとに、
日本じゃないみたい。

見馴れないにも甚だしい、荒涼さ。



灼けた大地に、
真っ白い 骨の色をした、溶けたような石が ごろごろ。


奥に見えるきみどり色は、放牧地。
ちょっとこんもりしている暗い緑は、植林された、造られた森。

そのあかるいキミドリのじゅうたんと 黒い森の、

その存在の、隔絶感。


ここに“緑”というものが見えることに、違和感すら覚えます。






春の「野焼き」が まさに最近 行われたばかり、とのこと。

燃やし尽くされた痕。


安定した植生を維持するために、昔から行われているそうです。




新しい芽が、早速、生まれています。





風が めっぽう強い。

吹き荒ぶ。まさにそんな感じ。



高山の山頂付近のような、容赦ない風。

遮るものが無いんだもの。





燃え残って 立ち尽くしている、
枯れた 一本立ちの木。



ところどころに。


カルストの白い岩に抱かれて
護られたかのような、立ち木も。



バックグラウンドには、

澄み渡った青。


その大地の荒み具合が、より際立って見えます。

インスピレーショナル。





こんな台地の中に、ぽつん、



ミステリアスな濃い森がありました。



あやしい。




近づいて見ると、意外に大きい。

その名を、「長者ヶ森」。

その昔、ここに屋敷を構えた長者が居たそうです。

もともと長者だった人が ここに屋敷を構えたのか、
屋敷をここに構えてから 長者になったのか、
どっちが先かは、謎。



周りと全く隔絶して、異様に豊かな森。
砂漠の中のオアシスって、やはりこんな感じなのかしらん。




ここの空間だけ まるく、独特な、
“聖域”のような雰囲気に包まれていました。

やはり 祠(ほこら)もありました。

スピリチュアル。



祠の傍らには

御神木のように伸びる、とりわけ大きな木が。



特徴的な、まだらの木肌。

「カゴノキ(鹿子ノ木)」だと思われます。

  カゴノキ = Litsea coreana
         クスノキ科ハマビワ属
         名の由来は、樹皮のまだらが、鹿の子の肌の模様のようだから。 


まだらにはげる木は他にもあるので、確証はありません;
(ちゃんと同定作業をすればよかった。)

たぶん、カゴノキな気がするんだけどな、、。

※ちなみに東京にも、文京区の「小石川植物園」などに、大木があります。


しかも
この時 まちがえて「キョウガノコ(京鹿ノ子)」と連呼していた私。
そっちは、全然違う、ふわふわしたピンクの、かわいい花です。




、、で、

その木の根元に、なぜか、




散乱した 一冊の本が。


意味深!


いったい誰が、どうして、遺したのか。
装丁の上等さからして、そうそう新しい本ではない。


持ち主の影だけが 消え去り。

赤くて硬い表装と、破れ散った白い紙きればかりが無残に、
意味深げに、
取り残されていました。


ちなみに、山本有三の本だった。






なんとも、森厳な気持ちになって、

聖所を出ます。







このギャップ。






不思議な起伏。

異国的なスケール。


人間。




青く 真っ平らな空。





旅人。


「世界遺産。」
というナレーションが聴こえて来そう。








で、この後、洞窟や湖に行くのですが、
(それはまた別に書くとして、)

ジャスト・夕暮れ時に。再び、立ち寄りました。




夕陽の紅色に照らされる時、
トルコの大地は、『ローズ・バレー』と呼ばれるとか。





沁みる。



ちょうど 上の空には



月と 飛行機と。



旅っぽい。





えもいわれぬ光景に、

えも言えないので、

「はぁぁ~、、」「へえぇ、、」と
ため息ばかり、ひとしきり。





めいめいに。





闇に落ちていく大地。


静謐なグラデーション。
















そして。





そんな光景が、


約一時間後。








こんなことに。






これはまた、

別の次元で、
衝撃でした。



3月21日。
春分の日の、野焼き。




野火。

緋色の火。


闇に穂立つ 緋の煙。




雷のような線を描いて。






たしかに
昼間 青空の下で歩いたばかりのはずの、同じ景色です。



『バチバチ、、、』


『プチプチ、ジュクジュク、、、ジュワジュワ、、、』

枯れた物が灼けるような、
鍋で水とカラメルの煮え立つときのような、


つぶやきのような うめきのような、

不思議な声。





火を見ていると、
一切喋りたくないという、深くて神妙な気持ちになります。


この大地の底に響く火の声を聴いていると、なおさらに。




火に巻かれてゆく大地の映像。


「地獄みたい」
と、友人が称した。

確かに、
この世のものとは思えない。

“ふつう”を超えた規模の火。

日常とは明らかに違う光景。



この日に野焼きが行われ、それが見られることになったのは、たまたまでした。
昨日、春の嵐の大雨が降ったから。


不思議な縁で、
なんだか 凄いものを見てしまった。



ここは ほんとに 日本か。






昼のさまも 異世界でしたが

夜のさまは、さらなる 異世界でした。




 *

 *


(・・・続く>>>)


春の旅3.5:臭い正体

2010年03月30日 | 旅録 -travelogue-
直島のことで、ひとつ忘れていました。大事なこと。




、、、くさかったんです!






昔(10年ほど前)直島に行ったのも、春の、ちょうどこの時期だったのですが、

その時、衝撃を受けたんです。

くさかったから!

くんかくんか、漂って来るにおいの源を辿りたいものの、
海の潮風にかき消されて、うやむやにされる。

当時はまだ、植物にのめり込んでいない、うら若き ngch青の時代。
そのにおいの正体が、花であることすらわからず、

「直島は、なんかくさい」
という、ずいぶん失礼な印象だけが残りました。



それから、はや10年。

2010年、春。

また、

「くさい!」

知ってるくさい!なつかしくさい!あのにおいだ!




数年前に一度、本で調べ当てて、
「あーー、こいつだったか!」と判明したことがあったんですが、

無念の、失念。

「なんだったっけー;なんだったっけー、、、調べたのに~。名前が出て来ない~~;」
悔しがる私。

旅のメンバーも口々に

「ああ、この季節に、このにおい、なんかするよね」
「くさいね」
「海じゃない?」
「アジの干物じゃない?」
など。


「いや絶対これ、花なの!くさい、なんとかっていうやつ、、」と、ぼやけた主張をする私。

そして、

地中美術館のアプローチで、ついに
その姿を捉えたのです。

「あっ、こいつだッ!!!』

「居た!!」





黒い萼の、白っぽい壺形の ちっちゃな花が、
枝にびっしり。(虫みたいでちょっと気持ち悪い。)

その正体は、


「ヒサカキ」でした。


  ヒサカキ
  Eurya japonica
  ツバキ科ヒサカキ属 常緑小低木

庭木にも使われるという。もし「庭に使いたい」といわれたら、私だったら絶対
「やめな。くさいから。」って忠告します。


例の臭いにおいについては、
ウィキペディアを見てみると、
「都市ガスやたくあんに似た独特のにおい」と書いてあります。

確かに、なんか発酵したような、プワァンと蒸せた甘いような、臭さ、、、

そしてやはり、私と同じように、その臭さがとても気になった人が居て、
「探偵!ナイトスクープ」に調査を依頼したらしいことまで分かりました。
その番組によれば、
「インスタントの塩ラーメンの粉末スープのにおいに似ている」とのこと。
的を得ているような、、でももっと「うわっ、、いや~~」って感じがあるんだけど、、

(※ちなみに、その放送日、昨年の自分の誕生日でした。変な偶然;)



旅が終わったあと、その日のうちに速攻調べて、
見事に分かって、

あー、スッキリ!

もう忘れないでしょう!ヒサカキくさい。ヒサカキくさい。
くさいヒサカキ。インプット。可哀想な感じで。







これで終わり と思いきや。

恐るべき事態が、、。



なんと

どうやら、

東京の我が家のそばに、
誰かが 庭木として 植えてるっぽいんです、、。


この前、なんか、漂って来たんです、、、春の風にまぎれて、プワァン、、、と。

あの直島の、くさいにおいが、、。


いやがおうにも、リメンバー・直島。





というわけで、
旅録・番外編でした。

次回こそ、「秋吉台編」です*


春の旅3:アイラブユーとお好み焼き

2010年03月29日 | 旅録 -travelogue-
地中美術館で たっぷり衝撃を食らった後は。

直島銭湯「I♡湯」(アイラブユー)へ。
さっきの港(直島宮ノ浦港)から徒歩2分。

HPはこちら

外観は



サイケデリック・カオス!

コネタがこれでもかこれでもかと、ぶりぶりにぎゅーぎゅーづめ。
すごい偏執的な情熱。

もともとあった銭湯を アーティスティックに改修した、
実用アート。入浴できるアート作品。

やらかしてくれたのは、大竹伸朗。
設計協力は graf
植栽は 東信

だそうです。


口惜しいくらい、面白いカオスです。





なんと、お向かいの一般のお宅も




自発的なのか、わかりませんが、



目の前の過激なものに 良い意味で刺激を受けて
「私のうちも!」と、
家に眠っているありったけの変な物たちを引っ張り出した、というテイ。
もしその通りなのだとしたら、


なんと素晴らしいことでしょう!


へんなもの(エイリアン)を、拒絶するのではなく、
むしろ、ユーモラスに、楽しく受け入れる心。
遊び心。

向こうの示す 変テコな異質性が、
自分の中にも在る ということをまず見出して、
そこに便乗する、遊び心。


これこそ
Love & Peaceだよなあ。








当然

中も、
素敵なことに。

ぬるかったけど、とっても清潔感があって、
とにかく、「そこに居て飽きず、なんだか楽しい」という点で、理想的な空間だった。

おそらく 全く真似できるシロモノではないし そのつもりもないけれど、
勉強になるなあと、思った。


銭湯とか、(他にはあと、なんだろう)リラックスすべき場所については、
ストイックさや シンプルさとかよりも、
こういうふうな、
人間くささとか、カオスだとか、ナンセンスとか、可笑しさとか、奇天烈な感じが、
むしろ、フィットする気がする。


だって、無いもの。こんな、
”楽しい”っていう気持ちになるような、笑えて来る銭湯。




というわけで



たちまち出航の時間です。
直島さらば。
(写真の真ん中あたりの赤い光が、直島銭湯の「ゆ」の電光看板です。)

あらっ



ちっちゃな地元ッ子が 手を振ってるよ!



たぶんうちらじゃなくて、隣のお知り合いであろう人に。

手を振ってみたけど。




直島を出たら、

岡山で友人Uとお別れ。

なんだか、そんなに超久しぶりって感じもしなかったし、
またすぐ会えるだろうっていう気もして、
「じゃあね~気をつけて~」と、さらさらとお別れ。

記念写真は


暗くてようわからんね。

この時、このコンビニの駐車場で ワイン瓶を落として割って
全部垂れ流してしまったっていうエピソードも、あったには、あった。

それ以降、後部トランクの荷物(パンパン)の詰め込み方が
超プロフェッショナルな構造になりました。

人って、ちょっとずつ失敗しながら、成長するよね。




それから、高速に乗って、
一路:山口は秋吉台を目指し!

ガラガラの中国自動車道をぶっ飛ばすわけですが

「せっかくだし」「せっかくここまではるばる来たんだし」
「インター乗り降りの数百円をケチって、どうする」と

広島で降りて、
「広島風お好み焼き」を食べることに*

考えてみたら、この旅の合い言葉は
「やっぱ、食だよね。」だった気がする。ちょくちょく言ってた気がする。


首謀者Mが 万能iPhoneで インターから一番近いところを調べあげて、

行ったのは、「ねぎ庵」というお店。

雰囲気の良いお店でした。



「知恵の輪」が完備してあった。




まんまと 熱中する人々。
なぜかいきなり解けたりする。
延々解けずに 放心したりする。

ひとしきり盛り上がる。
この「知恵の輪」完備システム、初めて出くわしたけど、
うまいなあと感心。




来た。

にぎやかな色~!



食べる人々。


美味しかったです。もち入りオプションが正解。
あと、ソースを追加でかけたりしないのが正解。

やせの大食いngchは、食べきれないメンバーの分まで頂いて、
おなかいっぱい。



私、個人的にはとても想い入れのある、好きな町:広島。

ですが、そんな感慨に耽る暇もなく、

ただちに高速に乗る。すると、
大雨が!


予報よりは遅れた雨だったので、観光中は幸い難を免れたけど、
やはり来たか。

夜の大雨は、おっかない。春の低気圧。風もあるから、なお、おっかない。
びしびし車を叩きます。ワイパーに、じゃばじゃばと。

雷もピカッと、時折灰色に光ります。


運転は 頼れるK隊員に一任しまして:
後部座席はみんな爆睡であったことは言うまでもない。
この間、一切写真が無いのも言うまでもない。


気づいたら 秋吉台も手前だった。


雨も、なんとなく、上がってた。

ここでngch、久しぶりにドライバーになる。



雨も上がり

霧が うっすら立つ夜道。

竹林がキシキシ揺れ呻く、山道。


「ふつうにイノシシが出る」と聞いていましたが
間違いない。

ふつうに、深々とした山の中です。街灯?無いけど。みたいな。
リメンバー・ザ・秋田ライフ。




そうして
日付も変わった深夜。

目的地:
秋吉台国際芸術村」に到着しました。


まったくもって、山の中の、ぽつん施設。

さてどこに駐車すれば、、と闇の中をさまよっていたら、
友人ネミーゴと再会!


このアーティストビレッジの臨時スタッフとして、半年前から出稼ぎ(季節労働)に赴いていたのが、
ネミーゴ。高円寺フレンズです。
彼女がここに居たからこそスタートした、この旅計画。

大自然生活のおかげか(間違いなくきっとそうです)
肌もつやつやの つるっつる、ふっくらキラキラ健康的ネミーゴに!


U氏同様、またも感動の再会シーンを すっかり撮り忘れていたんだけど。


ちょろっと施設内を案内してもらって
「じゃあもう寝ましょうか」と。

よく考えたら、昨夜のスタートから、まる一日以上、
ちゃんと寝てなかったわけで、
みんな なにげに、事実上ヘロヘロ。

施設の案内その他含む 秋吉台観光は、明日に。ということで。





春の嵐の去った後、

じんわりと湿気が残っていて、森の空気が匂い立つ。


星は あいにく まったく見えないけれど、

なんだか 四月か五月のようなあたたかさが漂っていて、
心地好い夜。


メンバーの半分は、施設の宿泊部屋へ。
残り半分の無謀サバイバー(犬含む)は、車中泊。


ソースかけ過ぎて あろうことかお好み焼きをngchに割譲することになった
首謀者Mが
「おなかすいた、、、」と呟いたのが、忘れられない。


そんな夜も更けて。





気持ち良く 朝の光で 自然に(車中で)めざめたら



こんなところでした。


空がくっきり青ーい!
建物白ーい!


ちなみに建築は、磯崎新の設計です。
出来たのは10年前だとか。



大理石はりめぐらし系です。ふんだんなマネーの香りがします。



高みに登るは、逆光になっても絵になる男です。



 (・・・続く>>>)




、、と閉める前に、

うっかり忘れていた!




前々回の この車↑のミステリーのこと。

その正体は、やはり
アーティスト系でした。パフォーマンス系の。
男子二人でした。

なんでも、名古屋の空気を詰め込んであって。
それを、目的地まで運んで放つんだとか。(メンバー調べ。)

袋には ただの空気が詰まっているわけだが、そこには
花粉だとか、色々な”情報”も入っているわけで、、、とか、
云々。
空気抜けちゃった袋を、ふくらませてるとこを目撃したそうだけど。(メンバー談。)
一部、直島ブレンドですね。


ということで、
旅の一日目の模様、以上!



心置きなく、次回「秋吉台編」に続くーーー>>>


カルストの白い岩、きれいな水、洞窟の奥の真っ暗闇、森の緑、緋色の火。

たくさん綺麗な色が、現れるのです。


春の旅2:地中美術館

2010年03月28日 | 旅録 -travelogue-
前回:(春の旅1)で うどんを食べて、
チャージ完了。


いざ、「地中美術館」へ。


 *


地中美術館とは、

『財団法人直島福武美術館財団により運営されるこの美術館』で、
『瀬戸内海に浮かぶ島、直島の南側に位置し、
 クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品が
 安藤忠雄設計の建物に永久設置されています。』
(※『』内:地中美術館HP:http://www.chichu.jp/j/concept/より引用。)

2004年に完成。
山の中にあります。

やっと来ました。




結論を先に言ってしまうと



「想像以上に良かった!」
です。


まず、
「チケットセンター」という受付的な“はなれ”から
入り口ゲートまで、そう短くない距離なんですが、

そこには
「地中の庭」という、

“モネの愛した植物を配した庭園”が、設えてあるのです。
アプローチとして。

これが、まず なにより、
素晴らしく、良かった。
正確に言うと、大変興味深かった。



むしろ、時間がある限りここに長居して、色々具(つぶさ)に観察したかったなあ。

職業病ですが。


   (ひなげし)


という気持ちもありつつ。


美術館にエンター。

エンターする直前のアプローチ植栽に、
桜餅の甘い香りが漂っていました。

オオシマザクラが一本、咲いていたから。
桜餅の葉っぱに使われる桜です。

一本だけでも、こんなに香るんだ!って、びっくりしました。




さて。

ここでは
建築も作品も 一切 写真撮影禁止
なのです。
音響や雰囲気などの関係上。

チケットセンターで説明を受けた後、カメラを没収されます。

なので、

写真で伝えられないのは残念。
実際に行った人だけのお楽しみということです。
HPを見るなりして、なんとなく感じをご覧下さい。


とにかく、何が良いって、
「実際行って見るしかない!」
としか、結局言いようが無いのですが、
そういう口コミ、戦略的なものもあるんでしょう。

成功していると思います。


あのスケール感は、確かに

実際 足を踏み入れて、

ゆっくり 時間を過ごして、
ダイレクトに体感してみないと、その良さはわからないと思われます。

「百聞は一見に如かず。」
いくら言葉を尽くしても、伝えきれない。

ちなみにそれは、
建築や庭については、いつもいつも、同じことが言えます。

音楽のライブだったり、芝居だったり、パフォーマンスだったり、
映画だったり
アートについても、すっかり同じことが言えます。


生で体感しないと、おそらく1%もその良さが伝わらない という、
「生」の強さ。
フィジカルな強さ。
言葉を超えた何かがある、強さ。
それがあるものは、成功している。


昨今のデジタルメディアが跋扈する文明社会では もどかしいけれど、

”生の現物に、生で触れること それ以外は無意味に等しい”

という強さは、
年月を経ても絶対的に揺るがないであろう、絶対的な強さ。

この美術館には、それがあったと思います。


こと細かく挙げると切りがないけれど、

とりわけ強烈だったのは、


白い石が敷き詰められた 青天井の空間。


これ、

あたまの中がぐるんと廻った、、というか、

平衡感覚が、「ぐらっ、」と、揺らぐ感じが、ありました。

例えるなら:
まずずんと重い”溜め”があって、鈍いめまいがして、それからぐいっ!と、
力づくでむんずと後ろに引きずり倒されて、
そしたら
抽象的な青の青い空という色が 10倍の重力並みに無音で落っこちて来た

かのような、
すごく重たーい、「ぐらっ、」です。

見ていると、ぼー・・・・っと、惚(ほう)けてくるんです。


要するに、
凄かった。

なにが凄くてそう感じるのか
なにが作用してそう感じるのか
そのトリックがよくわからないことも、凄かったのでした。

傾いたマッシヴな白い壁の迫力なのか、、、、
包まれた井戸的空間の重力感なのか、、、


ちなみにこれ、
「ウォルター・デ・マリア」の作品だと思っていたのですが、
その人は 黒い球体の作品を作った方なので、
もしかしたら、そうではないみたいで。いったい誰の作品だろう。。。





タレルも、
わかっちゃいたけど、
やっぱり、
良かった。


タレルの部屋、ちょっと並んで「待ち」状態になっていたので、
「えー、並んでる。ここパスしようか。」と呟いていたおばさんに

「いや、ここは絶対に見た方がいいと思います。」
と強く主張しました。

わざわざここまで来ることができたのなら、あえてスルーとか、勿体ない!
おばちゃんそこ頑張ろうよ!今更何を急ぐの!

待機の人用には ちゃんと、それ相応に、ゆっくり過ごすべくある
別の”タレル部屋”があるので。

直島に行く機会がある方は、ちょっと並んでても、(実際ちょっとの間なので、)
ぜひ全部、しっかり体感すること。強くおすすめします。


いかにもお金がかかりそうな
「地中カフェ」も

ぜひ行くべし!何も買わずとも!

「いちおう見とくか」って、行ってみて正解。



こんな風景が、どーーん!と待ち構えています。

外の 見晴らしのよいテラス的空間があるのです。
(ここは外なのでオッケーと思って、ケータイのカメラで撮った。まずいかしら。)


いやあ、良かった。隅から隅まで。

ちなみにトイレもちゃんとチェック。

真っ黒でした。




ここはすべて、
自然の光でアートを見せる場所です。


作品も、もちろん、建築も。
風景も、とりこんで。

時間のうつろいとともに、その見え方ももちろん変わっていきます。

天候によっても変わるし、
季節によっても変わるはず。


できれば せめて一日中、長居して、体感してみたい。



とにかくここでは、
時間も労力も何もかも、ケチっちゃだめ!

ってことが、わかりました。




安藤忠雄の建築は、昨今巨大化して来てから自分的には面白くなくて、
しばらく離れて居ました。

それだもんで、久しぶりの”タダオ”だったのですが、

かなり見直しました。(上から目線)

ここも、規模的には全く小さくはないけれど、
コンセプトがシンプルで秀逸だし、
ストイックに凝縮されている。

ここでは、
安藤の建築自体も、他の3人のアーティストと同列に、一作品として掲げられています。
納得です。

久しぶりに、ガツンとやられた感のある、
強烈な建築的ショック。


ちなみに私が好きな(=衝撃を受けた)タダオ建築は、

大阪・茨木にある「光の教会」(光の教会こと茨木春日丘教会HP

淡路島にある「本福寺・水御堂」です。

じわじわと、なんとなく良さが伝わって来る、、、
っていう生ぬるさも へったくれもなく

ガツン!と衝撃を受ける、
強烈な力のある作品でした。


そういえば、
このどちらも、自然光が生かされている建築なんですよね。

一見無機質なコンクリート打ちっ放しの建築と、
ストイックな幾何学と。


うーん。、、、やはり良い。

安藤忠雄という建築家が 自分にとって大きな転換点であって
多分に影響を受けているという事実。これは、
関連本をほぼ全部手放してしまって、いったん離れたとしても、
やはり、変わらないことなんですよね。

多分、何か、根本的なところで、つながっている糸がある。


これを機に、
もう一回、振り返ってみようかしら。


彼の何に、ピンと来て、劇しく突き動かされたんだったか。







ということで、「地中美術館」鑑賞終了。。。




重いショックで くらくらと、
頭もぼ~~っと ほうけた状態のところに、

岡山在住の友人U氏が、突然の登場!
友情出演です。


私はぼ~~っとしてたので、
「キャー!!久しぶり-!!」って感じでは全くなく、
「あー、」みたいな、かなりそっけない感じだったようです。

ぼーーっとしてたの。ごめんね。


そう、
この旅が決まった時、
「もしかして、直島でランデブーできない?」って提案したのでした。
学生時代初期からの、10年来の友人です。

そしたら、
まさかの、自転車で強行駆けつけ!片道二時間;

全くもって、お疲れ様、というか、
「え、ほんとにチャリで?」って、
いつまでもアンビリーバボーでした。

なおさらぼーぜん。




そんなわけで
何年ぶりだか(3年ぶり?)の呆然的再会を果たして、

ぼーっとしたまま
次の目的地:「直島銭湯「I♡湯」」へ、向かうのです。


彼のチャリを、車の頭にくくりつけ。



 (・・・続く >>>)




春の旅1:はじまり

2010年03月26日 | 旅録 -travelogue-
予告でもお伝えしました通り、
3/19(金)の深夜から、3/23(火)の朝まで。

「春分の日」をはさんで
なにやら節目チックな 春の3連休を使って、

強行軍的・往復2200キロの旅をして来ました*



今や、東京でも ソメイヨシノがほころび始めたところですが。

西へ向かいながらの車窓からは、
時折、
高速で流れ去る山の ちょこっとしたところに
桜(ヤマザクラやサトザクラ)が発見できたりして



「あ!桜!」と、
その都度、ふわっとテンションが上がる、そんな
春めいた道中でした。


これから数回に分けて、旅録(-travelogue-)レポート、致します。

(何回になるやら、、、。)




今回の旅も、レンタカーで。

なぜか:メンツの誰の家からも遠い、
国立(クニタチ)のレンタカー屋さんから、出発。

出発!
と同時に
道に迷って 1時間のタイムロス


不穏な出だしでスタートします。

そんな 不穏な出だしドライバーは、
私でございました。

店を出るなり 真逆に向かってみたり、
一時間かけて ぐるーっと、国立駅に舞い戻ってみたり。
カーナビと、相性が悪かったようです。画面から消えたりするんだもん。
暖房も止められないし!


予定より約1時間後。高円寺にて、旅メンバー結集。
と同時に、
暖房風を まともに顔に食らい続けてほっぺが真っ赤なドライバーは
ただちにハンドルを明け渡し。

今回一番の頼れる男子:K隊員に。


ここで、ほんとうの“出発”です。




金曜の夜のうちに出て、

ただひたすら、走ります。

瀬戸内海のアートの島:直島(なおしま)に立寄りつつ、

最終目的地は、
山口県、秋吉台。

本州の西の端っこです。

往復2200キロ。

メンツは、
6人+犬(チワワ)。
うち、ドライバー候補は4人も居るので、そんなに大変でもないでしょう。



去年の夏には 秋田の森への強行ツアーにも連れて行かれた、巨チワワ(14)。
今回も 堂々の、強制連行です。

(※秋田の森への旅模様は、>>ここらへん。)




高速移動中って。


少なからぬ時間が費やされるわりに
目立ったイベントは無いし

外の風景を撮ろうにも、走り去る線が写るだけなので、
たいがい 写真を撮りそこねます。

夜中なら、なおさら。



旅立ちの夜明けに、パーキングで撮った

旅立ちの朝陽。



ここ、確か京都あたりです。
ちょうど、半分くらいです。



日中の光の下は、見るものはいっぱいあります。



これは、珍しく今回撮ってた風景。

黄色くまぶしいミモザ(フサアカシア)が目立つポイントがありました。

どこらへんだったか、、忘れたけど。


これ、ミモザです。(フサアカシア:Acacia decurrense var.dealbata/マメ科アカシア属)


旅が終わって
写真を つらつらーーと
眺めてみれば

車での移動については スッパリ割愛されています。
ほかの何よりも時間を費やしているのに!

駆け足のイベントが わーっ!とあって、
その1秒後には、
「はい目的地に着きました!」
みたいなことに、なっています。


ということで:

あたかも数秒後 かのように
直島に向かう 宇野港に着きました!

岡山県です。



そのままフェリーの腹に突っ込みます。

時刻は ほぼ正午。ここまでで、13時間。
狙っていた定刻の船に、無事計画通り、乗り込むことが出来ました。





フェリーに乗るのは、いつぶりかしら。



甲板がグリーンです。




隣に着いたフェリーの方が、なんだかゴージャスです。



「ポーーッ!!」
と汽声を上げるでもなく
気づいたら 動いていました。




曳航の波しぶきは、旅っぽさをぐっと高めます。

碧色の潮風!




瀬戸内海にまばらに浮かぶ島。
無人島っぽい。


いいねー!旅っぽい!




とか言っているうちに、

もう着いてしまいました。10分くらいでしょうか。
近かった。


直島です。




自分は、2000年頃に一度、来たことがあります。
その時も、ちょうどこの時期。春休み時でした。

当時、建築家:安藤忠雄にハマっていた私(建築学科に入る前)。

それで、日本中の『忠雄巡り』をしていたんですが、
その時の旅は、友人と青春18切符で、中国四国の各地を巡る という
これまた強行軍な旅でした。そこに無理矢理、組み込んでもらったのでした。
直島を。


今回の目当てである「地中美術館」も「I♡湯(アイラブユ)」も、
まだ無くて。

ベネッセ・アートミュージアムがありました。
「家プロジェクト」も、数件、ありました。

それから10年ぶりくらい。



港は ずいぶんキレイになっていました。



SANAA(サナー:妹島和世+西沢立衛)による、インフォセンターみたいなものが
建っていました。



草間弥生の



水玉かぼちゃも、どーん。

中に入れます。



ちなみに:
ベネッセミュージアム(古い方)の近くには、黄色いかぼちゃが どーんと置いてあります。


というわけで、
直島到着!

それでは早速、

いざ「地中美術館」へ!



とはならず




直島唯一の うどんやさんへ。港からちょっと山を上がったところにあります。

まずは腹ごしらえをしなきゃね。




「ぶっかけうどん」玉子付き。

コシが、ものすごく強い!讃岐うどんの系統です。
目の前で、主人が、手打ち麺を作っているところから見られます。

美味かったー。本場の讃岐うどんも、10年ぶりくらいかしら。

ひと玉替え玉(おかわり)しました。




うどん屋さんの隣は、

いわゆる生協。



おそらく直島最大のショッピングセンターです。
二階は100均です。
ここに行けば、とりあえず全部揃う。っていう。


ちなみに
その背後に見えるのは



山。

黄金が眩しいこんもり新芽の樹は、マテバシイでしょう。

(マテバシイ:馬刀葉椎 = Lithocarpus edulis/ブナ科マテバシイ属)


この色は、ああ、春っぽい!



ローカルのショッピングスポットは、観光向けでない、飾らない本当の地元文化が見られて、
面白いものです。

入ってみると
やはり色々と、見馴れない、興味深い物が。



建築模型に使われるグリーンのゴム質素材が ここでこのように使われているのは
注目に値します。

何を伝えようとしている模型でしょう。




メンバーのO君が、



文旦(ブンタン)を買ってくれました。でかいです。

分厚い皮に爪を立てて、むりやりひんむけば、
ほとばしる、爽やかな飛沫!
ほとばしる、爽やかなひととき!(←なんかのCM風)

しかも、
酸っぱすぎなくて、美味しい~~*(←なんかのCM風)


柑橘系果実のパワーって、圧倒的ですね。あると無いでは、別世界です。
いっぺんにリフレッシュ。個人的にも大好き、柑橘系!(←なんかのCM風)


同じくO君が、
どこかのパーキングエリアのガーデン的なところから いつのまにかゲットして来た、
ローズマリーのフレッシュハーブと相まって、

とかく こもりやすい車内の空気に、清涼感が広がります。

ローズマリーの香りは覚醒効果・頭をクリアにする作用があるらしく、
素晴らしくスッキリ!


マイ造園系フレンド:O君、
こういう点の気配りは、宇宙レベルで、天才的なのです。

そして、
素で、期待に違わず、面白いこと(突拍子も無いこと)を、
必ずや、やらかしてくれます。



もはや、珍道中といったら、無くてはならない逸材。
宇宙レベルで、素敵です。しかも絵になるので、チラチラ出現することでしょう。
というか、予告編の写真ですでに登場済み。

一挙手一投足、要注意人物です。




ということで。



準備万端。
一路シャッキリ、「地中美術館」へ!



 

   
  (続く)


   *



 おまけ:

 直島を走っていた、なにやら おめでたげな車。
 正体は次回、明かされる。


(さて、いったい何話まで続くんでしょうかこれ、、、。)

春の旅0:2200km

2010年03月23日 | 旅録 -travelogue-
春分またぎ連休。

強行軍的 珍道中から
帰って来ました。





往復:2200キロ。




本州の端っこ:山口県の秋吉台まで。

途中に、瀬戸内海のアートアイランド:「直島」に寄りつつ。


強行突破スケジュール。
なおかつ、
ネタ盛り沢山でした。


色んな色を見た。

灼けたカルスト。

洞窟の闇。

エメラルドの水に、

緋色の火。

海風の蒼。


白亜の建築。

赤茶けた村。

新しいコケの ふかふかの緑。

山にぽつんと咲いた 桜色。


秋田のような森の色。

トルコのような空の色。


色々たっぷり吸い込んで、

たっぷり笑って、

たっぷり楽しく

たっぷり疲れて、

今朝、
やっとこさ。


帰って来た東京は、開花宣言。



近いうちに、どさっと書きます!

久しぶりの「旅録 -travelogue-」を。


今日はさすがに、小休止!



無愛想と金沢でない金沢

2010年02月04日 | 旅録 -travelogue-
節分の日は、お世話になっている造園家さんにくっついて、



「武相荘」というところと




「金沢文庫」というところにある「称名寺」に行って来ました。


久しぶりの小旅行。

部屋にこもりっぱなしの 内向き仕事が続いていたので、

リフレッシュ。



「武相荘」というのは



白州次郎と正子の旧自邸です。

町田のあたりにあります。

白州次郎は、
「マッカーサーを叱った男」



イケメンです。

昨年くらいにドラマ化したので、有名になったようです。




簡単に言ってしまうと、

ものすごく良いところでした!



想像してたよりも、ずっと。


なによりも、想像していたよりも ずっと深かったのが



雑木林です。

小高い丘のようになっていて

高く高く伸びていて

この写真の10倍は スケールがでかいことになっています。

これがとにかく、良かった!

林の奥にあるウッディな家も、これは武相荘ではありませんが、至極良い雰囲気でした。
森の中に住んでる感じが、うらやましい。




室内は残念ながら撮影禁止。

迷路のように小部屋がくっ付き合っている 古い農家家屋を改装したもので、

囲炉裏の間があって、
当時から床暖房完備の 白タイル張りの洋間(土間?)があり、
そこかしこ、随所に置かれた逸品の家具たち。

素敵な雰囲気。
特に囲炉裏。住みたいと思った。

そこにある調度品の数々は 逐一、
趣味人の粋なものたちばかり。

自分たちで手を加えていったという家の設えの すみずみに至るまで
趣味人の“心”が込められているので、

いちいち凄くて、
なんとも大変でした。


これは、問答無用で お勧めスポットです。


 ※武相荘のHP>>http://www.buaiso.com/


「武相荘で無愛想」

という ありがちなテーマで セルフ記念写真を撮ろうと思っていた
はずだったんですが

楽しくなりすぎて 無愛想になれませんでした。

というか、忘れていました。


森っぽいところは、やはり、テンションが上がります。



元々子供部屋だったという茶房にて お抹茶も頂きました。

黒楽の茶碗。





次に行ったのが

「金沢文庫」というところにある「称名寺」というお寺。

鎌倉時代の、真言律宗のお寺です。
北条なんとか時さんのお墓があったりしますが、


ここの見どころは 浄土式庭園です。
(上の写真参照)


浄土式庭園風の池に架かる、赤いベンガラの太鼓橋+平らな橋。




「作庭記」という、平安時代に編まれた造園家必修のマニュアル本みたいなのがあるのですが、

それを勉強していくと、ぐっと面白みがわかるという、
浄土式庭園。

むしろ、それを勉強してないと、「ただ池があるだけ」に見えて
面白みがほとんどわからないという、
浄土式庭園。



「なにこの石」
とかね。


「ここが見るポイントなんだよ」と教えて頂きながら
「へえ」「ほお」と。

私も目下、改めてちゃんと勉強やり直している最中です。







池面(イケメン)、キラキラ。






傾(かし)いでしまったイチョウ。



隅っこの方に



中世の隧道(ずいどう)=トンネル発見。

山肌を自力で刳り貫いたトンネル。必死さが伝わる。
こういうの、惹かれます。



残念ながら立ち入り禁止。


隧道の傍らには



登り道。

こういう、山に誘う道も、とても惹かれます。

岩肌に、樹の根があらわになっている。

こういう道が現れたら、だいたい、行ってしまいます。




境内のわきに



謎の広い空間。

たぶん池を掘って出た土を盛ったところであり

たぶんまた別の池庭があったとおぼしきところ。


「金沢文庫」って
羽田空港に行く時に乗る(というか、その時にしか乗らない)京急の、
羽田と逆方向に現れる駅名で、

金沢でもないのに 金沢って?

なにやら 気になってはいたのですが、
正体不明のままだったところ。


ついに行くことができました。




そんな感じで とっぷり観光気分になりまして



参道そばの「文庫(ふみくら)」というお蕎麦屋さんで



へぎそば(野菜天)を頂くという贅沢をかまし



真っ昼間から「越の寒梅」という美酒を頂くという贅沢もかまし

「正月みたいな節分ですね~*」なんて

久しぶりに「ぶらり旅気分」
ぜいたくのんびり、リフレッシュさせて頂きました。





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