ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

221103「根っこ(種)からの人生創出」4 京都・綾部 「半農半X」 塩見直紀さん

2011年06月06日 | 保存会研修会
塩見直紀さん

お隣京都府の綾部で生まれの45歳。(私と同じですな。)
大阪の大企業でサラリーマンをされていましたが、約10年で脱サラ。98年、塩見さん曰く「種を哲学する」という在来種を後世に残してゆくためのネットワーク「たねっと」をはじめ、自給的農業+ソーシャルビジネス(地域の活性化など社会問題の解決を目的にしたビジネス)による、今や有名になった「半農半X」の生活をされています。
なにやら難しそうな雰囲気が漂う講演の始まりでしたが、具体的に考えてみると畑を耕して家族が食べられるだけのものをつくって、残りは地域活動を組み合わせたビジネスにより生活を続けるという生活スタイルを実践されています。

○種
 「嫁入り道具に種をもっていくような時代になればいいと思う。奈良県天理の本田さんの『ゴマを育てて半世紀』という本に、一升瓶に2本のゴマをもらう、これを里親に出すというくだり行為がある。種は私物化しない、独占しないものである。」
 「広島県ではジーンバンクが県内各地に残っている在来種を集めようとローラー作戦を展開された。私もある人から『昭和ヒトケタより前の人の話を聞いておくように』といわれたが、この時代の方の話はとても貴重だ。」

○今の生活
塩見さんは、350mの山、曲がった道、雪、薪の風呂、吊しダイコンなどがみられるところに居住されている。最寄りの信号まで4キロという結構田舎街で、朝3時に起きて6時までが考える時間とし、このスタイルが8年くらい続いている。いろいろな本を読むとともに、いつもペンと紙を胸に入れて農作業している。ひらめいたときにいろんなことを書き付けて、ノートにまとめられている。
このような活動に共感する人は多く、講演は年間70~80回。相当な回数であるとともに、講演先は外国まで及ぶ。特に「半農半X」を発刊してから大きな反響があった。本を読んで農水省や会社を辞めてしまった人も多い。台湾でも出版され、現在第7版。「半農半X的生活」副題は「順従自然・実践天賦」。若い世代の反響が大きい。中国雑誌にもパートタイムファーマーとして、スーツの男性が左手にパソコン、右手にクワを持つ写真姿が載っているほどだ。

○食
「味噌は自給の第一歩。味噌と玄米と塩があれば生きていける。」「わが国の食は豊かなんです。欧米は食材が4000種程度ですが日本は12,000種もあります。多様な食で豊かな生活が楽しめます。『1日の賢母は100人の教師に勝る』といわれるように。」
農家民宿等都市農村交流についても、塩見さんは「刺身やハンバーグがいらない食事」の提供を勧めている。

最後に、「今、日本人の平均年齢は65歳というけれど、農村の実態は75歳。もう3~5年したら農村・農業は大きく変わります。変わらざるを得ない。ターニングポイントです。今どのように行動するのか、一緒に考えましょう。」

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