佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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研究会

2010年04月25日 21時47分03秒 | 研究会・学会
T病院のmune先生に書けと言われていたダイエット日記を書いておらず、先日優しくたしなめられたkontetsuです。ダイエットとは程遠い生活ばかりしており、書くことはない…ので、昨日参加した第17回つきじ放射線研究会について書きたいと思います。

「脳炎、脳症」をテーマに高名な先生方が多数講演され、大変勉強になりました。
特に衝撃であったのは、『抗NMDA受容体脳炎』でした。

 抗NMDA受容体脳炎はN-methl-D-aspartate受容体に対する抗体により生じ、卵巣奇形腫に随伴して発症する脳炎です(卵巣奇形腫は高率に合併するが、卵巣奇形腫がない場合もあるとのこと)。
<特徴(簡単に。聞き間違ってたらすいません…)>
 ・若年女性に好発(男性でも起こりうる)
 ・症状を5期に分類
  前駆期:感冒様症状
  精神病期:統合失調様症状
  無反応期:痙攣様症状を契機に外界に反応しなくなる
       中枢性の低換気を生じ、早期より呼吸器管理が必要となる
  不随意運動期:顔面のジストニア様の不随意運動(外部の刺激により症状増強)
  緩徐回復期:数か月~数年かけて病期以前に近い状態にまで回復
 ・画像での特徴はないとのこと
  水頭症(萎縮?)は経過で増悪するものの、症状改善とともに可逆的に改善

 今回VTRにて症状を見せていただきましたが、一度見たら忘れられない程の衝撃でした。患者とその家族、彼らを支える医療従事者の苦労は想像を絶するものと思います。放射線科としては画像上特徴がなく、直接手助けはできませんが、急性の経過で発症、増悪する意識障害、特徴的な痙攣様症状を診た場合には、奇形腫の検索を勧めるのも必要ですね。勉強になりました。

 主宰された聖路加の先生方、お世話になりました。またお邪魔させていただくと思いますが、よろしくお願いいたします。

 あ、その後の懇親会では、個人的にも衝撃が!!
 他院の仲の良い先生が昨年結婚、子供をもうけたそうで…オメデトウ(棒読み)。