先日、鹿児島へ行ったときに新幹線の中で読んだ本です。
確率に対して、学生時代のトラウマが残っている方ってそんなに少なくないですよね?確率や統計学というのは、なんだか、理解することで人生がひとランク上に上がるんじゃないかな?という淡い期待が膨らむのが、今になってもあきらめきれない理由です…
帯には、「学校で教わらなかった、確率的思考を身につけることで、一生役に立つものの見方を提供しようとしている」とあります。この帯に釣られて買ってしまいました。
学者の書いている新書なので、確率や統計の基礎についてわかりやすく述べられています(例えば、標準偏差)。そして、それぞれがどのように発達してきたかを、例をあげて説明してくれています。ASiRで見かけたモンテカルロ法や、話題のベイズ理論も、いったい何なのかがわかった気がします。
面白かったのは第6章。「確率の日常感覚はゆがんでいる」でした。
さて「統計的に10回に一度故障する機械が、10回使用する前に故障することと、10回使用した後に故障する確率」は五分五分でしょうか?
答えを言いたいけど、言いません。興味のある方はこっそり聞くか、本書を読んでください。ちなみに、「幾何分布」がキーワードです。この「幾何分布」を理解すると、「世界をみるうえで冷静な判断力」が与えられるそうです。それから、あのいまいましいe(自然対数の底、またはオイラー定数)にも少し親近感が湧きます。
本書は後半に向かって盛り上がり、最終章では「不確実性下における選択の正しさとは何か」まで踏み込んでいきます。さまざまな確率や統計に基づいた理論を紹介していきながらですが、最終的には文学的、哲学的な考察に帰結します。
「それで結局どうなの?」という見方をするヒトもいるかもしれませんが、それは各人のなか(あるいは社会環境まで含まれる)にあるものではないか?と思えるようになりました。
筆者は「合理的な選択」と「正しい選択」の問題について、地道に研究を続け、少しでも解答に肉薄したい、と言っています。こういう、研究者の「姿勢」を学べたのが、一番の収穫だったかもしれません。
確率に対して、学生時代のトラウマが残っている方ってそんなに少なくないですよね?確率や統計学というのは、なんだか、理解することで人生がひとランク上に上がるんじゃないかな?という淡い期待が膨らむのが、今になってもあきらめきれない理由です…
帯には、「学校で教わらなかった、確率的思考を身につけることで、一生役に立つものの見方を提供しようとしている」とあります。この帯に釣られて買ってしまいました。
使える!確率的思考 (ちくま新書)小島 寛之筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
学者の書いている新書なので、確率や統計の基礎についてわかりやすく述べられています(例えば、標準偏差)。そして、それぞれがどのように発達してきたかを、例をあげて説明してくれています。ASiRで見かけたモンテカルロ法や、話題のベイズ理論も、いったい何なのかがわかった気がします。
面白かったのは第6章。「確率の日常感覚はゆがんでいる」でした。
さて「統計的に10回に一度故障する機械が、10回使用する前に故障することと、10回使用した後に故障する確率」は五分五分でしょうか?
答えを言いたいけど、言いません。興味のある方はこっそり聞くか、本書を読んでください。ちなみに、「幾何分布」がキーワードです。この「幾何分布」を理解すると、「世界をみるうえで冷静な判断力」が与えられるそうです。それから、あのいまいましいe(自然対数の底、またはオイラー定数)にも少し親近感が湧きます。
本書は後半に向かって盛り上がり、最終章では「不確実性下における選択の正しさとは何か」まで踏み込んでいきます。さまざまな確率や統計に基づいた理論を紹介していきながらですが、最終的には文学的、哲学的な考察に帰結します。
「それで結局どうなの?」という見方をするヒトもいるかもしれませんが、それは各人のなか(あるいは社会環境まで含まれる)にあるものではないか?と思えるようになりました。
筆者は「合理的な選択」と「正しい選択」の問題について、地道に研究を続け、少しでも解答に肉薄したい、と言っています。こういう、研究者の「姿勢」を学べたのが、一番の収穫だったかもしれません。