3月16日の日経に、キッコーマンの元会長のインタビュー記事があった。『「サービスはタダ」反省を』とか「価格競争は価値を壊す」などの見出しの文言は正しいが、記事の内容をみると間違った認識が多い。海外でも製品を売っている経営者としては残念な内容である。
この記事の冒頭に、「先進国の中で日本の労働生産性の低さが指摘されて久しい。」と書かれている。このインタビューのお題はこれなのだが、この問題点の本質を、この元経営者は残念ながら分かっていない。
この私のBlogでは何回も書いているが、日本のこれに関する問題の原因は、大きく分けて①過当競争と、②行き過ぎたコストダウン、そして③競争力のある近隣諸国の存在、にある。
記事にも書いているが、「今の日本経済は成熟し、モノがあふれ…」とある。これがそもそもの問題で、過当競争しているから、安い価格で何でも手に入る。昨今のお米以外は…。過当競争しているから、必然的に価格競争に陥っている。キッコーマンでは、”しぼりたて生しょうゆ”や”二重構造の密封ボトル”などの商品化で付加価値及び競争力を上げたと書いているが、醤油の消費量が増えた訳ではなく、限られたパイを取り合っているダケである。
世界のビックマックの価格差を考えれば一目瞭然で、アメリカのビックマックの価格は凡そ日本の倍である。一時期、日米の価格差ば殆どなかったのだが、これは全く同じ商品であり、日本の価格が低い理由は、日本の生産性が低いからだろうか?答えはNOである。
二つ目の問題は、行き過ぎたコストダウンである。ここ30年~40年程の間に、コストダウンをする事が正しい事であり、役人と議員以外のほぼ国民全員が、それに邁進している。自分の収入を削ってまで行っている。
最近の国内と海外との価格差は、漸く多くの日本人も知る様になってきた。この行き過ぎたコストダウンによって、日本の多くの製品の価格はここ30年以上殆ど上がっていない。ビックマックの例を見れば分かり易いだろう。
何事においても「過ぎたるは猶及ばざるが如し」である。この30年~40年でしみついたコストダウン信仰を是正しない限り、生産性は上がらない。
三つ目の問題点は隣国との競争であり、20世紀の終わりころから日本の企業が中国に工場を移転し始めてから始まった。当時の中国は日給数千円の時代で、日本の企業はコストダウンを求めて中国にせっせと工場を移転し、一生懸命に中国に技術を渡した。その為、この国の技術力も向上し競争力が増してきた。その所為で、中国で生産している製品と、日本国内で製造している製品とで価格競争をさせられていった。
その結果、日本の製造業は人件費を上げられなくなり、経済の停滞が長引いてしまった。自ら蒔いた種で、自分を苦しめているのである。
この様に、日本の一流企業の経営者がこの様な体たらくな考えを持っている限り、日本の将来を楽観視できない。
この記事の冒頭に、「先進国の中で日本の労働生産性の低さが指摘されて久しい。」と書かれている。このインタビューのお題はこれなのだが、この問題点の本質を、この元経営者は残念ながら分かっていない。
この私のBlogでは何回も書いているが、日本のこれに関する問題の原因は、大きく分けて①過当競争と、②行き過ぎたコストダウン、そして③競争力のある近隣諸国の存在、にある。
記事にも書いているが、「今の日本経済は成熟し、モノがあふれ…」とある。これがそもそもの問題で、過当競争しているから、安い価格で何でも手に入る。昨今のお米以外は…。過当競争しているから、必然的に価格競争に陥っている。キッコーマンでは、”しぼりたて生しょうゆ”や”二重構造の密封ボトル”などの商品化で付加価値及び競争力を上げたと書いているが、醤油の消費量が増えた訳ではなく、限られたパイを取り合っているダケである。
世界のビックマックの価格差を考えれば一目瞭然で、アメリカのビックマックの価格は凡そ日本の倍である。一時期、日米の価格差ば殆どなかったのだが、これは全く同じ商品であり、日本の価格が低い理由は、日本の生産性が低いからだろうか?答えはNOである。
二つ目の問題は、行き過ぎたコストダウンである。ここ30年~40年程の間に、コストダウンをする事が正しい事であり、役人と議員以外のほぼ国民全員が、それに邁進している。自分の収入を削ってまで行っている。
最近の国内と海外との価格差は、漸く多くの日本人も知る様になってきた。この行き過ぎたコストダウンによって、日本の多くの製品の価格はここ30年以上殆ど上がっていない。ビックマックの例を見れば分かり易いだろう。
何事においても「過ぎたるは猶及ばざるが如し」である。この30年~40年でしみついたコストダウン信仰を是正しない限り、生産性は上がらない。
三つ目の問題点は隣国との競争であり、20世紀の終わりころから日本の企業が中国に工場を移転し始めてから始まった。当時の中国は日給数千円の時代で、日本の企業はコストダウンを求めて中国にせっせと工場を移転し、一生懸命に中国に技術を渡した。その為、この国の技術力も向上し競争力が増してきた。その所為で、中国で生産している製品と、日本国内で製造している製品とで価格競争をさせられていった。
その結果、日本の製造業は人件費を上げられなくなり、経済の停滞が長引いてしまった。自ら蒔いた種で、自分を苦しめているのである。
この様に、日本の一流企業の経営者がこの様な体たらくな考えを持っている限り、日本の将来を楽観視できない。
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