業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

中小企業へのアドバイス(5):経営者自身の意識改革

2010年07月22日 08時31分59秒 | 日記
前回記載した”社員の意識改革(モチベーションの向上、など)の実現”において、①の仕組みの構築はお金で解決できる。しかし、②③そして④を実現し、社員の意識改革を実現する為の一番キーとなる項目は、実は「経営者自身の意識改革」にある。残念ながら、従業員の自主性・ヤル気を阻害していた原因は経営者にある場合が多い。

その一番の原因は、経営者がその社内で一番優秀で、高いモチベーションを持ち、そしてヤル気を持っている人だからである。そうであると、社員が行っていることに不満を持ち、事細かに指図をしてしまう。それでも社員はある程度自主性を持って問題に対応しようとしている。がしかし、そんな場合でもその社員の判断に不満を持ち、つい”指導”してしまうのである。このようなことが続くと、社員は必ず自主性を失ってしまうものである。

実は私の父親が経営者であり、このことについて痛感しているのである。

その為、前回も説明したように、経営者自身が忍耐力を持ち、社員の自主性を醸造できる社内文化をつくることが重要である。そして経営者としての日頃の振る舞いも変える冪である。例えば社外での活動である。接待と称しての飲食がゴルフや、地域のリーダが集まる会合への参加を少なくすることにある。その分、社内に活動に目を向け、社員との会話を多くする必要がある。

もう一つの原因は、オーナー経営の企業に多くある問題である。それは企業を経営する為に最低限必要な管理ノウハウを持っていないことにある。単純なところでは財務諸表の見方から始まる各種経営情報の見方や、マネージメントをする為の社員との会話や指導の仕方など、大企業の経営者では当たり前に社内で教育を受けている事柄を知らないことにある。経営者は社内で一番優秀な営業マンであるが為に、この管理ノウハウについて、疎い面がある。この面を強化できると、その企業は大変強くなれるであろう。
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中小企業へのアドバイス(4):社員の意識改革(モチベーションの向上、など)の実現

2010年07月20日 10時06分24秒 | 日記
社員の意識を改革することは一筋縄では実現できないことは、十分理解されていると思う。しかしこれを行わないと、企業は強くならない。これを実現する為に、以下の項目を行う必要がある。

①問題点の開示
②自主性の醸造
③経営者の忍耐力
④社員のカウンセリング

上記①については既に説明済で、各業務担当者に必要な情報を可視化・共有化することである。しかし、問題点を開示しても、それに気づき、改善策を講じられる人はごく一部であろう。その為、最初は想定される問題点毎に、解決策や対応方法を予め定めておく必要がある。そして問題に対する対処をルーチンワーク化することで、業務の幅を広げていくことにある。しかし、予め問題を想定すること自体が簡単な準備ではなく、全てを網羅することは至難の業である。そこで必要になってくるのが、社員自ら考え対応できる”②自主性の醸造”が必要になってくる。そしてその為に”自主性”を尊重できる社内の雰囲気・環境作りから始める必要がある。
自主的に考え、対応した結果、時には失敗することもあるであろう。それを人望強く見守れる経営者と管理者の育成も重要である。それが③経営者の忍耐力である。

上記①については既に説明済で、各業務担当者に必要な情報を可視化・共有化することである。しかし、問題点を開示しても、それに気づき、改善策を講じられる人はごく一部であろう。その為、最初は想定される問題点毎に、解決策や対応方法を予め定めておく必要がある。そして問題に対する対処をルーチンワーク化することで、業務の幅を広げていくことにある。しかし、予め問題を想定すること自体が簡単な準備ではなく、全てを網羅することは至難の業である。そこで必要になってくるのが、社員自ら考え対応できる”②自主性の醸造”が必要になってくる。そしてその為に”自主性”を尊重できる社内の雰囲気・環境作りから始める必要がある。
自主的に考え、対応した結果、時には失敗することもあるであろう。それを人望強く見守れる経営者と管理者の育成も重要である。それが③経営者の忍耐力である。

トヨダでは”ポケヨカ”と云う言葉があり、失敗を報告することを求められ、決して失敗をなじることをしない方針を持っている。しかし、もし失敗を隠したりすると、それは叱られるべく振る舞いとみなしている。このように、問題に気づき、自分の判断で対策を講じることを推奨し、結果として失敗した場合にあまり咎めない風土や評価制度が必要である。そして判断した結果、行動に移す前に上長に相談するルールも必要であることは、言うまでもないだろう。

しかし、自主性を重んじる社風を作ろうとしても、なかなか社員はついて付いて来てくれないモノだ。やはり云われたことのみを行う人、ルーチンワークの枠から出たがらない社員は多くいる。そこで社員自身の気持ちも持ち方・在り方を変えていく必要が出てくる。と言ってもこれを実現することは簡単な事ではない。しかし、彼かにチョットしたスイッチを入れる(押す)ことで、社員の意識を変えることも可能である(④カウンセリング)。これについてはちょっと長くなるので、後日別途説明する。
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中小企業へのアドバイス(3):情報の可視化・共有化に向けたステップ

2010年07月16日 08時17分09秒 | 日記
情報の可視化・共有化を進める為に、大まかには下記のステップを踏む必要がある。
①可視化・共有化すべき情報の項目確認
②情報の内容(状況)によって取るべきアクションを策定
③情報の存在場所(システムなど)の確認
④適切な情報がない場合の対策検討と実現
これらの実施方法に、コンサルタントの力量が問われる。

①可視化・共有化すべき情報の項目確認:
会社の経営状況を知るために、どんな情報を確認すべきかを判っていないと、円滑な経営を行う事は不可能である。判っていないと、行き当たりばったりや経営者の思いつきで部下に情報の提供を求め、そしてその指示を受けた部下は何時も右往左往することになってしまう。それで、コンサルタントの立場で云うと、可視化・共有化すべき情報を経営者及び従業員に知ってもらう(理解してもらう)事がマズ最初に行う重要な仕事になる。

そして次に行う事が、②情報の内容(状況)によって取るべきアクションを策定することにある。しかしこれが結構大変なのである。ルーチンワークに慣れしたんだ社員にとって、情報から見える課題に気がつかないことが多い。また仮題に気がついたとしても、中々その改善策を考え付くことができず、当然回線策を施すことは大変なエネルギーを要する作業である。

そこで、ある程度頻繁に発生しうる問題・課題を”仮説”として想定し、その仮説が実際に起こった場合に取るべきアクションを考えるのである。それをルーチンワークとして取り入れることからはじめる。そしてある程度の経験とルーチンワークの幅を広げることで、自分で考える力をつけてもらう。そして非ルーチンワークについても自分で考えてもらうように仕向けていく。これを実現するには、辛抱と努力が管理者及び経営者に求められる。

可視化・共有化したい情報が整理できれば、次は”③情報の存在場所(システム)の確認”を行う。それぞれの情報がどのシステムでどんな形で存在しているのかを、一つ一つ確認する。そしてその情報をタイムリーに引き出せるのかどうか、情報の正確さ(精度)はどうか、なども確認する。

これをすることで、業務のあり方やシステムの問題が浮き彫りになる。必要とするデータがシステムに存在せずにExcelなどのファイルに存在したり、データは存在するが、タイムリー性に問題があったり、またはその精度に問題があったりすることが多々ある。その為、これら問題を解決する為にITシステムの新規構築や改善が必要になる。新しいITシステムの導入に費用などの障害がある場合、その代替案も考える必要がる。情報の精度が低い場合は、その低いなりでの情報の開示と活用方法を考える。データがExcelなどの記録されている場合は、MS-Accessなどの上手に活用して集計処理を行ったりなど、臨機応変な対応が求められる。

そして、この新しいITシステムのデザイン力も、コンサルタントの知識・力量に左右される。

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中小企業へのアドバイス(2):情報のタイムリーな可視化・共有化

2010年07月15日 09時06分23秒 | 日記
前回述べたように、可視化・共有化すべき情報は多岐に渡る。BIツールのベンダが提案している情報の可視化・共有化は主に経営判断に使う為の情報の可視化・共有化をさしているケースが多いようだ。経営企画室があるような大企業にて、経営企画室が情報を確認し、次の判断を経営会議で提案する。提案が通れば、次月や次期に実行する。誠にノンビリした方法である。
今企業に求められていることは、可視化・共有化された情報から問題点が発覚できたら、直ぐに決断し実行することである。もし経営企画室の提案を待って1ヶ月も経ってしまうと、その頃には小さな問題が大きな問題になってしまっているであろう。問題を発見し、対応策を考え、そして実行するのは現場の担当者であって、企画室のメンバではない。現場の担当者に必要な情報を提供し、自らの頭で考え、そして判断及び実行することで、迅速な対応が出来るようになる。それができる企業は大変強い。

幸いと言ってはなんだが、中小企業には経営企画室をもっているような企業は少ないであろう。そうなると問題を見つけ、判断をする人は自ずと経営者になる。そして適切な判断及び指示を行い、問題を解決している企業も確かに多い。しかし、それは”イエスマン”の温情になり、その様な企業の経営者は”(2)社員の意識改革(モチベーションの向上)”を大きな企業課題だと感じているのではないだろうか。(前回のBlog参照)

それで、企業が取り組むべき情報の可視化・共有化は、経営トップ層向けのみならず、日常の業務を担当している人達に必要な情報をタイムリーに提供することにある。そして彼等に問題点を把握させ、解決策を考えてもらい、そして実際に対策を講じてもらえる企業が今強い企業ではないだろうか。このような社内環境を構築することが重要なのである。
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中小企業へのアドバイス(1): 中小企業経営者の悩み

2010年07月14日 08時31分00秒 | 日記
リーマンショック以降、中堅または中小の企業が生き残る為に、大変な苦労を続けている。その中で特に製造業においては海外(特に中国)との競争にさらされ、大変厳しい状況にある。製造業ではその昔、”乾いたタオルを絞る”と云われた時代から常に効率化(コストダウン)を求められ、努力を積み重ねてきた。しかし、ゴーンショックと中国企業の台頭から、多くの企業ではついに賃金に大きくメスと入れ、時給千円程度で人を雇用することで、生き延びている状況にある。そしてその結果、自動車などの高額品を購入できる人口が減っており、俗に云う「負のスパイラス」に陥っている。しかしここで国の政策や大企業に対して文句を云っても仕方がなく、中堅・中小企業ではまだまだ改善できることが沢山潜んでいることを理解し、早急に改善・改革に取り組むべきではないだろうか。

実際、多くの経営者が会社の経営に関して悩んでおり、その助けを様々な処に求めている。経営者は孤独であり、企業内に優秀なナンバー2が居なければ、相談する相手もいない。そこで、経営者達の集まりの中でのみ、様々な愚痴を言っている。愚痴で解決できない悩みがある場合、様々な”経営塾”に参加してその答えを求めているのが現状である。そしてそのような経営者は複数の経営塾に参加したり、外部の経営コンサルタントに支援を得ている事が大変多いのではないだろうか。それほど沢山の経営者は悩んでいる。

経営者の悩みは尽きない。売上や利益の増加は勿論のこと、社長から見た社員の不満(やる気や経営者感覚の欠如、など)、業務における様々な課題、資金繰り、など沢山ある。そして多くの経営者がこれら悩み(課題)を解決する糸口を見つけられていない状況が長年続いているのではないだろうか。悩みの種類は雇われ社長が中心の大企業と、オーナー企業が多い中小企業とは少しちがっている面があるが、これについては後述する。

これらの悩み(課題)を解決する方法は大きく分けて、3つある。
(1)情報のタイムリーな可視化・共有化の実現
(2)社員の意識改革(モチベーションの向上、など)
(3)経営者自身の意識改革

上記(1)は、ただ単に在庫状況や売上・受注情報の可視化・共有化といったレベルではなく、引合時の見積&納期回答までの時間、納期遵守率、仕入先の納期遵守率、輸送費、製造原価(または販売コスト)、品質状況、など多くの課題が潜んでいる可能性のある業務状況の可視化・共有化を意味する。
上記(2)に関しては、ほぼ全ての経営者がこのように思っているであろう。
上記(3)については、怒りを感じる経営者も多いのではないだろうか。特に殆どのオーナー企業の経営者はモチベーションに関しては社内で一番であり、そのお陰で会社が成り立っているといっても過言ではない。しかし、経営者としてはまだまだ意識改革の改善の余地はあり、そしてその余地が沢山あることを知ってほしい。

次回からはこれらの解決方法を順番に説明していく。
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