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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:4月10日の日経コラム「低生産性解消の処方箋」から学ぶベキ事

2025年04月30日 20時10分42秒 | 経済
4月10日の日経に「低生産性解消の処方箋」と云うタイトルのコラムがあったのだが、久しぶりに良い記事を見た。日本の低生産性の問題点は、”付加価値”の意味を分かっていない事と、サービスは有償である事を分かっていない事と無駄なサービスが多い事である。

多くの日本人は、付加価値を高める事とは機能を追加する事だと考えているのだが、そもそもこの考えが間違っている。このコラムの見出しに、『「ラグジュアリー」に解?』と書かれているが、これがある意味での”答え”である。

極端に言えば、付加価値とは多少高くても買いたいと思わせる事である。そういった意味で、欧米、特にヨーロッパの多くのメーカはこの点では成功しており、日本人は欧米の製品を喜んで高いお金をはらってでも買っている。具体的には自動車や、特に洋服やバッグなどのブランド品である。このコラムには、セイコーの時計と、ロレックスやオメガを比較している。”時計”としての精度やセイコーの方が遥かに上であるが、ブランド力と価格は雲泥の差である。

このコラムには次の記載がある。「品質のよいものを安く提供するのがメーカーの使命、とした松下幸之助氏(パナソニックホールディングス創業者)の哲学が世の中に根付いてしまったからではないか」...と。

昔の日本の製品は、世界、特にアメリカ人からは「安かろう、悪かろう」と云われていた。この”悪かろう”を払拭する為に、日本の企業は一生懸命に努力し、”悪かろう”は”良かろう”に変えて行った。しかし、”安かろう”については、未だに卒業出来ていない。この事が問題なのである。その為、今の日本の製品は、高品質・低価格である。高品質≒付加価値ではない事を、未だに分かっていないのである。別の言い方をすれば、お金を取れない”高品質”は価値がない。

二つ目の課題は、サービスは有償である事を分かっていない事にある。

このコラムでは宅配サービスを例に挙げている。配送時間を指定でき、また再配送も無料で行ってくれるサービスは、本来は追加料金を請求すべきサービスである。しかし日本の市場は過当競争状態であるがために、本来お金を取るべきサービスを無償化している。

またムダがサービスも沢山ある。このコラムではお辞儀を例にしている。「店員さんのお辞儀って必要ですか?」と...。これには賛否があると思うが、コンビニやスーパーのレジで、店員にお辞儀される程、気持ち悪いモノはない。それよりも、笑顔と親しみやすい会話の方が、良い印象を得られるのではないだろうか?無表情でお辞儀をされ、そしてテキパキとしたレジ打ちであれば、ロボットでも十分できる。今のサービス業界のみならず、一般の企業での礼儀作法や会話方法は行き過ぎた感があり、気持ち悪さも感じている。

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