業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

名門企業の古い体質

2016年12月30日 10時04分29秒 | 日記
偶には、本職の話をしないとね。

日本の多くの古い企業が本当に病んでいる。活気がなく、新しい考えが中々芽生えず、古い体質のまま、世界の荒波に揉まれ、苦しんでいる様に見える。これらの古い企業の多くは、人の出入りが少なく、企業の中の空気が澱んでいる。水の出入りが少ない池は、澱んでいるのと一緒だ。過去の成功例に安住している、そして上から言われた事だけをそつなくこなすだけで、チャレンジ精神が乏しい...。そんな感じがする。

決断力や判断力が乏しく、現状を変える力(エネルギー)が乏しく、未知の世界に飛び込んで、切り開いていくエネルギーが足りない感がある。一般的に云われている、偏差値は高く、定型的な仕事は早いが、応用が利かない人が多いのか、または自己表現をあまりしたがらない人が多いのか...。

ではこんな状態で企業はどうなるか?進歩の速度が遅く、決断に時間が掛かる。失敗を恐れ、チャレンジできなくなってくる。チャレンジをして失敗すると、出世に傷がつくとの発想が主になり、おのずとチャレンジしなくなる。または問題点を指摘し難くなってくる。その結果、世の中(特に世界と)の進歩に追いつけなくなり、いつの間にか競争力をうしなってしまう、ゆでガエル状態になってしまう。JAL、Sharp、そして三菱自工などは、みんな同じ病気に掛かっていたのではないだろうか?そして同じような状態(病気)になっている企業は沢山ある。

少し具体的な例をしよう。例えば、企業内の”プロジェクト”では満足な結果を出せなくなってしまう。プロジェクトはある意味全く新しい取組みを行う際に、通常の組織や定型業務とは別枠で実施するモノで、その職場では未知の世界に行く事になる。そんなプロジェクトを適切な期間内に、適切な結果を出せない、そんな企業になっている。但し、社内の報告では、あたかも成功した様に見せている...、これが問題なんだが...。

もっと具体的には、ITの基幹システムの構築。これは、企業にとっての未知の世界に行く大きなプロジェクトだが、この様な企業では成功しない。今のIT基幹システムに必要なのは、迅速な情報の把握を実現する事で、顧客満足の向上や、様々な事象を迅速に適格に捉え、適切な判断をし、そして結果的に利益の増加を得る事を支援できるシステムの構築が重要なのだが、この様な企業では現状の古いシステムの置換えを行い、結果的に使いにくく、役にあまり立たないシステムを、大変長い時間を描けて構築している。

システムの導入目的が単なる”既存システムの入替”が主になっていて、本来目指すべき大事が目的・目標設定が疎か(または貧弱)な為、失敗している。自分自身が変わる事、そして変える事ができない、そして良い意見を持っていても、失敗を恐れてチャレンジできな事が、役に経たないシステムの構築につながっている。

ITシステムを提供するベンダ側のレベルの低下(または進歩の無さ)も目を覆うばかりで、残念ながら日本のIT関連企業で世界で活躍している企業はほぼ皆無に近い。一部のIT企業が海外の企業を買収して、形の上では海外でのビジネスを行っているが、それらは自らの実力でビジネスを切り開いた訳ではないので、カウントできない。日本のIT業界は”安かろう悪かろう”の状態と云える。何時の間にか、インドのIT企業は軒並み世界の一流企業になり(少なくとも規模の面では)、世界で数万人単位を雇用し、そして給料も一流になっている。30代のマネージャクラス(課長相当)が1000万円の給料をもらっている。ゲーム系を除いた日本のIT企業でこの給料を払えている企業はどれだけあるだろうか?

ノーベル賞受賞で浮かれている場合ではないんです。今の日本(日本人)の多くは、危機的な状況にあると感じるのは自分だけだろうか?


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