そして時の最果てへ・・・

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グルジア、というかカフカス

2008-08-20 22:33:30 | 雑感
あんまり報じられていませんが、今カフカスがえらい事になってます。

グルジアのサアカシュヴィリ大統領がアメリカの影響力を背景に南オセチア自治州へ軍を進め、それに反対するロシアがグルジアの首都・トビリシに空爆。

そもそもグルジアという国はソ連から独立した多民族国家。それなのに自国内の自治州(アジャリア、アブハジア)が独立しようとすると、ことごとく武力鎮圧してきました。今回も独立色を強めていた南オセチア自治州の軍事力による鎮定が目的。

ヤヤコシイのは、その紛争にアメリカとロシア、という犬と猿がからんでること。

カフカスはカスピ海と黒海の「地峡」でして、ロシア南方の防衛線、かつ石油パイプラインが横断するという、まさに軍事・経済の要衝。最近ではロシアv.s.チェチェンの独立紛争が起こってます。

アメリカはカフカスの確保による恩恵の大きさに目が眩み、強圧的な統治で民主主義を後退させたサアカシュヴィリ政権を親米派というだけで「民主主義の前線基地」と位置づけて支援。

一方のロシアもカフカスの利権を死守するため、親露派のアブハジアや南オセチアを支援。プーチンの目指す「強いロシア」が端的に表れています。

かくして、国家の枠組みと民族の分布の違い + 大国のエゴの衝突、というあまりにもわかりやす過ぎる原因によって、平和の祭典の裏では無益な血が流れ、カフカスの未来には限りない暗闇が影を落としているのでした。