中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

四川大地震のその後(2)

2008-05-24 08:47:35 | 中国のこと
 新聞の大地震のニュースはだんだん小さくなっているが、それでも被害の規模は増加する一方で、死者、行方不明者は8万人を超すと言われている。負傷者は29万人、家を失いなって避難している被災民は500万人と言うから、想像を絶する大災害だ。

 死者や行方不明の多くは家屋の倒壊によるものらしいが、中でも校舎の崩壊による小中学生の犠牲は大きいようで胸が痛む。しかし、この校舎の崩壊は、天災ということはもちろんだが、人災という面もかなり大きいと言われている。被害の大きかった都江堰市では、生徒ら430人が犠牲になったある小学校の父母達約400人が教育局に押しかけ、「周りの建物が無事だったのに校舎だけが崩れたのはおかしい」と校舎建築に手抜き工事などの問題があったとして激しく抗議したと報じられている。

 この小学校だけでなく、他にも崩壊して多数の犠牲者を出した学校はかなりあるようだが、手抜き工事の疑いは大きいようだ。西安の袁毅(イェン・イィ)は「豆腐渣工程(トウフジャコンチャン)」という言葉を教えてくれた。「おから工事」という意味だ。コンクリートは水を多く注入したものであり、鉄筋は細い。豆腐の搾りかすのおからのように隙間だらけの脆弱な構造で、要するに粗悪建築だ。

 実はこれは中国の土木建築技術が低いということではなく、役人と業者の癒着の結果なのだ。業者はまさに文字通り水増しした材料で工事を行い、役人は工事費の何パーセントかの賄賂を受け取って黙認する。このような腐敗的な構造が今回の地震の被害を大きくしたと言ってもよいだろう。中国では役人、特に末端の行政府の役人が業者から賄賂を受け取るのは、いまだに日常茶飯事らしい。「中国4千年の伝統」と嗤う声もある。商取引の場合での話なら人命に関わることもないだろうが、校舎の建築は安全を無視しては成り立たない。それでも平然と収賄し手抜き工事をし、そのために悲惨な結果を招いたのだから、その罪は万死に値すると言っても過言ではない。徹底的に究明し厳罰に処すべきだ。

 この問題は、図らずも中国の恥を世界に知らせたものと言えるだろう。中国は真剣にこのような官民の腐敗構造をなくす努力をするべきだと思う。中国の現状を見ると、それは「百年河清を俟つ」に等しいことではないかとも思うのだが、中国が真に近代的な国家になるためには、どうしても必要ではないか。そして私たち日本人もこれを他山の石として、いまだに後を絶たない収賄、汚職などを憎み、根絶する努力をすることが求められるのではないだろうか。

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1 コメント

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他山の石 人の振り見て・・・ (おじいさま)
2008-05-24 10:48:04
 地震の報道 中国を少し見下ろした報道姿勢がみうけられます。程度の差こそあれ 汚職 役人との癒着
手抜き工事は 他人事でないですよね。
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