中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

ラクダの過労死

2012-10-09 21:08:15 | 中国のこと

 中国甘粛省敦煌の郊外の砂漠にある鳴沙山は観光地として有名で、ここには約千頭のラクダがいて観光客はこれに乗って砂漠を見て回ります。9月30日から10月7日の中秋節や国慶節の大型連休中に、鳴沙山に毎日8千人近くの観光客が押し寄せて、休む間もなく酷使されて過労のために死ぬラクダが相次いだそうです。午前5時半から夜中まで10時間以上歩き続けたラクダもいたと言います。ツアー責任者は餌を増やすなどしましたが、客を制限して休ませたりはせず、連休中に2日連続でラクダが死んだそうです。

   

 中国では大型連休は5月と10月にありますが、国内の需要を高めるために設けられたもので、年々旅行者が増えて観光地はどこも大混雑するようです。鳴沙山のラクダはそのブームの犠牲とも言えますが、このラクダの過労死に関して、休暇の在り方を疑問視する見方も出ているそうです。

 鳴沙山には2000年に行ったことがあり、ラクダにも乗ったことがありますが、その頃はそれほど混雑していませんでしたから、多くのラクダも脚を折ってのんびりと座り込んで休憩していました。今の中国は何かにつけて金儲けが幅を利かせていますから、かつては重い荷を背にしてシルクロードを往復した頑丈なラクダも、金儲けのための酷使には耐えられなかったようです。ラクダのおっとりしたような、もの静かな表情を思い出すと、人間の欲望の犠牲になってと哀れを催します。

 蛇足ですがラクダの乗り心地は良くありません。特に立ち上がる時には腰を落としたまま急に前足を持ち上げますから、後ろ向きにのけぞって倒れそうになりますし、座る時には後ろ足はそのままで前足を折って屈みますから、急角度で前につんのめりそうになります。日本の観光客の高齢の婦人が、落ちてけがをしたと聞いたことがあります。歩いている時も決して快適なものではありません。それでも夕日を受けて砂漠に映る ラクダと自分の影を見るとロマンティックな気分にもなり写真を撮ろうとしましたが、落ちそうでできませんでした。目の前のラクダの顔を眺めていましたが、見ようによっては奇怪な顔つきです。

 


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