中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

臭いものには蓋

2013-06-04 07:36:11 | 中国のこと

 先日中国当局は北京や上海の大学に対して7項目について授業で教えることを禁止する指示を出したそうです。その7項目とは「報道の自由」や「公民権」、民主や人権の尊重を意味する「普遍的価値」、「公民社会」、「共産党の歴史的誤り」、「司法の独立」、一党独裁下で特権階級化した当局幹部による汚職を批判する言葉「権貴資産階級」などです。

 北京の評論家は「この7項目こそ中国の体制が抱える問題」と指摘し、上海の大学教授は「公民権や報道の自由を論じられないなんて、それでも大学と言えるのか」と反発していると言います。知識人として当然のことです。 

 この指示は、中国では貧富の格差拡大や環境汚染などに対し若者を中心に不満が高まっているので、思想や言論の統制を強化する狙いだと見られているそうです。「報道の自由」や「公民権」、「司法の独立」などこれらの7項目は日本ではどれも当然のことなのですが、それを抑えようとする中国政府の姿勢は、まさに臭いものに蓋をするものでしょう。元来中国は「民主的」ということを忌避していますが、こういうことで人民の不満を抑えつけようとするのは末期的現象とも言え、中国社会にいっそうの矛盾と危機を醸成するものだと思います。唯我独尊の一党独裁の弊害がここに極まったという感想を持ちます。このような状態はいつまで続くのでしょうか。前に中国に行った時に知り合ったガイドの女性は、「共産党独裁の体制は20年もたないですよ」と吐き捨てていました。この省では党の幹部が汚職で死刑になるなど、身近で起こる地方幹部の腐敗ぶりを目の当たりにしているようで、我慢ならないという様子でした。

 

 


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