「朝日岳」
その中で朝日が一番原始的な面影を残している。私が初めて朝日連峰を縦走したのは
大正十五年(1926年)の昔だが、その頃はもちろん山小屋などなく、道さえ定かでない箇所もあった。
朝日登山の話をしても、そんな山はどこにあるのかという顔をされたものである。
深田久弥 「日本百名山」 より抜粋引用。
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8/11(土) 朝日岳に登ってきました。
昨日の月山を終え一路今宵の宿、 “朝日鉱泉ナチュラリストの家” を目指した。
月山ICから県道27号線(昔オフバイクセローで抜けた林道)に入り、 その後 地蔵峠、
ブナ峠を越えて県道289号を右折、 ドン突きにあるのがナチュラリストの家だ。
昨夜は寝不足月山の疲れもあり19時過ぎ早々に寝てしまった、 即爆睡です。
(と言うか夜は周り真っ暗静かですることもなく寝るしかなかった)
で、 今朝3時30分起床。 当然辺り真っ暗暗すけです。 でもお陰で睡眠バッチリ!!
本日のコースはロングため当初は4時スタート予定であったが、 あまりにも
暗すぎ(淋し過ぎ)のため明るくなりかけた4時半スタートに切り替えた次第。
というわけで意を決して4時半スタート。 でも行く先は真っ暗なんですけど・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/6d/beb4867fa0a0732bf9e6c1f029809b83.jpg)
正面最奥に朝日岳の雄姿が・・ わかりますか??
北アや南アと違い人の気配ゼロ、代わりと言っちゃなんだが動物の気配プンプンでやんす。
ヘッデン点けて奥深い山の中へと分け入りました。
いきなり吊り橋です。 真っ暗でよく見えず高く危なくチョー怖かったっス。。
しばらく森の中を行くとわき水がありました。 汲みます。
真っ暗でわかりませんねえ、 フラッシュを点けてもう1枚。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/ab/cac68644b218b7cf8e8908840c73706b.jpg)
有名なわき水です。
空は段々白み始めたが森が深いため足元はまだまだ暗い、 危険なため慎重に歩きました。
ほどなくしてまた吊り橋です。
この後も数カ所吊り橋に遭遇。 渡る時には左右に無造作に置かれた鉄板の間が空いていて
股の間から下を流れる川が丸見え。 下を見るでも無し、 見ないでもなし、、 しかし確実に
見えてしまいます。 しかも両手で持っているワイヤーはグラグラ、 足元ゆらゆら。。
もうサイコーな吊り橋群でした。 (泣)
この辺りは見事なブナの森でした。
最後の吊り橋です。 冬は板を外すそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/60/e96305a63d39309892500782e51e60ba.jpg)
これはまだ低い方でした。
前後(周囲数キロ)に人の気配無しなので各橋共慎重に渡りました。
出合着です。
ここまで順調に歩いてきました。
4キロを1.5時間だったため残4キロは多く見積もっても2時間とみて歩き出しました。
(ここから本格的な急登が続くため多めの2時間と予測)
えっ?? マジっすか。 ウソやろ。。
気を取り直して先に進みました。 ここからは本当にきつかったです。
両手両足で登る斜面や木の根っこに掴まりながら登ったりしました。
実は、昨夜主の主人に言われたことは、、
「日帰りの場合は時間が短く往復できる中ツル尾根往復にしなさい、その方がいい」 と。
その中ツル尾根でさえ宿の説明ボードには往復13時間と書いてあったのだ。
先ほどの案内(大朝日岳まで4時間)はあながち間違いではなさそうだ。
先は長いので着実に一歩づつ登っていくことにした。
森林が切れた場所。 やっと山頂が見えた。
周りの山々です。 山深いです、人の気配はありません、これが東北の山です。
行動食と水分を効率良く摂取し淡々と登ります。
やっとここまできました。
頂上ロックオン!!
左手の尾根が下山路で中央が小朝日岳。 あれを登り返した後、下まで延々と続く尾根道を下る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/ba/9637551906cc05db5eff1260a11c8d6e.jpg)
下山は小朝日岳 ~ 鳥原山 ~ 金山沢 ~ 宿への道を計画していたのです。
(ヘッデンあるので焦らず安全に16時宿着目途でいいと思って・・ )
あと少し! ここまで時折ガスっていたがここに来たら晴れました。 (^^v
大朝日岳制覇!! (おおあさひだけ)
頂上にいた方(朝日連峰に詳しい方)、おもむろに自分の腕時計見るなりいきなり言われた。
「早いですねー 4時間くらいで登ってきたでしょう」 と。
何でわかったのだろう。
別に飛ばしてきたわけじゃない。
自分のスタイルはほぼ無休憩(各箇所数分間休憩)で淡々と登るスタイル。
歩くのは遅いのにトータルとして結果早い?、 そういうことになるようです。
(ケースバイケースで早歩きの場合もある)
大休止です。 腰を下ろし昨日買ったパン、 おにぎりを腹に入れ力を回復させる。
頂上はこんな感じ。 反対側から登って来た方たち。 やっと人に会えました。
ガスが巻いてきて寒いし行く先の尾根上に雲がかかり始めてきたので下山開始です。
大朝日岳避難小屋。
夏季のみ管理人駐在で一泊1,500円の協力金が必要。 (登山道の維持管理に使うそう)
キレイです。
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閑話休題。
若い頃オフロードバイクでこれより西にある朝日スーパー林道を走った時に見た朝日連峰、
今僕はその山塊の真っただ中にいる。 あの時はタキタロウ公園でキャンプも考えたが
そのまま走り続けた。 そんな良き思い出がある。
結局林道は上部で通行止めだったため月山まで引き返し会津野YHに逃げ込み泊。 (^^;
日本全国バイクツーで走った時には思いもよらなかったが、 こうして再訪してみると
あの時の情景や道等全部が思い出される。 ああ、やっぱりバイクに乗って正解だったなあと。
なーんてつまらない話ですんまそん。。
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下山方向です。 気持のいいコースですねえ。
でもこちらからの道はロングコースです。 絶対怪我のないよう慎重に安全に、
しかし少しは時間短縮の気持も込めてテンポ良く歩きました。
銀玉水。(ぎんぎょくすい) 実はこれも目的の一つでした。 冷たくておいしかったー。
当然頭から水をかぶり、 上半身もタオルで拭き拭きしました。 気持良かったです♪
小朝日岳への登りです。 (こあさひだけ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/a0/6f387e00cac9a64b18359c81ce53851b.jpg)
ここにきてのあの登りはツライです。 カベに見えましたもの。
黒部五郎からの帰り道、 石々の急登と同じような道だった。 えっちらおっちら登りました。
小朝日岳頂上。 頭上は黒い雲が低く垂れ込めてきた。 雷鳴るなよー
振り返れば奥に大朝日岳。
ここから森林地帯に入った。 新潟の平ケ岳の登山道に似ていた。 長く感じる道。
そして鳥原山(とりはらやま)着。
2本ある標柱に小石を乗せた。 豪雪に耐え、 来春まで乗ってますように。。
頂上では人と会ったが途中の道では誰とも会わない。
歩くコースも数か所あるので違う道を歩いているのかな。
湿原に出ました。
この先にある鳥原小屋でやっと人の気配がしてホッとしました。
(小屋はコースより少し離れているので寄らずだった)
立派なブナでした。
半分過ぎてもう少しです。 ここまで同じような森林中なので長く感じる。
で、 やっと今朝歩いた分岐まで戻ってきました。 1周しましたー
今朝真っ暗だった分岐。
こんな道だったんだねー
ハイ、 帰りのクルマ中用にと汲みましたよ! 明るいからちゃんと口が見える。
1本目の吊り橋です。 ビミョーな高さなため足がすくむんだよねー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/d6/bc7ac910790049aa220192f1ef7555eb.jpg)
明るく周りが見えたため 中間地点で撮ってみました。
かー! そば食いてーー!!
長かった。。
無事帰着しました。 後ろ奥に大朝日岳。
大朝日岳。
東北の山は奥深く長いですね。 さすが東北って感じです。 大好きな東北、 とても楽しめました。
以上です!
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ベランダで干しモノをしていた宿の主人に言われた。
「中ツル尾根往復にしちゃ早いね、 もう下ってきたのかい」 と。
帰りは小朝日岳から鳥原山経由で下ってきました、 と答えました。
4時間ちょっとで下山完了(標準コースタイム6時間)、 1周9時間弱でした。
(明るいうちに無事帰着を目的に時には少々早歩きもトレーニングの一環として・・ )
クルマの影で裸になり頭から水をかぶり着替えてさっぱりした体で宿に入り
冷たくおいしい手打ちそばを食したのは言うまでもありません。
※百名山東北編、 残すところ後一座になりました。
その山はじっくり歩いてみたい山なのです。 最後にとっておきました。
この辺りから終わってしまう寂しさと早く終わらせたい気持ちが入り混じってきました。
あとで思うと今の時期が一番楽しいのかもしれません。 なのでじっくり楽しみたいと思います!!