蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

オリンピック延期  (bon)

2020-07-10 | 日々雑感、散策、旅行

 3月下旬に決定されましたが、史上初の「オリンピックの延期」は、もちろん新型
コロナの
理由ですが、その決定が可能となった裏には、『近代オリンピックの変質
と、生き残りをかけ
た変化への希求』であった・・と分析されていました。

        (ネット画像より)

 本来ならば、今頃は、東京中、いや日本中が湧いて、世界のアスリートたちは、
日本の
各地で最終の練習に余念がない頃なのでしょう。 開催が1年延期された、
昨今、新型コロナ
の感染拡大はなお世界中で進んでおり、今なお、そのワクチン
や治療薬の完成を得ない状況
で、もはや「中止」の声さえ聞かれる状況にあります。
 先の東京都知事選でも、論点の一つとなったオリ・パラ開催については、中止
を訴える
候補も出ていました。
 

 オリンピック1300年(途中空白期間を除く)の歴史の中で、一度もなかった
「延期」が決定さ
れた状況は、並々ならぬ背景があったようですが、これらにつ
いて、手元に届いた会報の記事
「五輪史のタブーが破られた時」(結城和香子氏、
読売新聞編集委員)に述べられていまし
たので、ネット記事も参考にしながら、
このことについて拾い読みですが、ご紹介したいと
思いました。
 (冒頭の『』内は、会報記事より)

       

 オリンピックは、その歴史の中で,三度の中止はありますが、延期は一度もない
のです。
中止は、第1次、第2次大戦中の、ベルリン(1916年)、東京(1940年)、
ロンドン(1944年)の3回です。 なので、今年2月時点で、IOC最長老委員は
「延期よりも中止の方が(前例もあり)可能性が高い」と語っていたそうです。 
 その後3月には、新型コロナの感染拡大はいよいよ勢いを増す状況は、会報記事
では『各種競技が次々と中止を表明しているこの時期、まさしくバーナムの森が
動き出すのを目の当たりにしたマクベスに、バッハ会長がどこか重なる・・』と
表現されていますが、いよいよその決断に迫られたのですね。

 3月11日に、WHOは新型コロナウイルスのパンデミックを宣言し、3月といえば、
開催まであと4か月くらいが残された時点で、各国の関係者は選手の調整などから
その開催について、早期決定の要請がなされていた中、IOCはじめ開催国日本の対
応が求められていたのです。

 3月24日、IOCバッハ会長と安倍総理とのテレビ会談で、1年程度の延期が決定さ
れ、その後、オリンピックは2021年7月23日~17日間、パラリンピックは、8月24日
から13日間と決定されたのです。

        

 ここで、オリンピックの歴史を簡単に見てみますと、古代オリンピックは、紀
元前776年から千年以上続いた伝統、「オリンピアード(4年間の周期)で、その
最初の年に開催されなければならない」が、ゼウスの神に捧げる神事として、単
にスポーツ競技大会を超えた五輪の「崇高さ」の下で守られてきたのです。

 古代オリンピックは、ギリシャがローマに滅ぼされ、393年に開催された第293
回大会を最後に、1169年間の伝統に幕を下ろし、終焉を迎えます。 それから約
1500年後にフランスのピエール・ド・クーベルタン男爵により近代オリンピック
が提唱され 1896年から、今回まで124年の歴史の中で受け継がれてきたのです。

      (ネット画像より)

 オリンピックの開催は、国の名誉、産業の発展などから多くの国々が競って
招致を求めているのだとばかり思っていましたが、実はそうではなく、これまで
商業主義をもたらしてきた五輪への評価・批判が相半ばする中で、五輪の巨大化
やコスト増への批判とともに招致都市の減少が始まり、死活問題に直面するまで
に追い込まれている実態があるのだそうです。 

 先の東京(2020)が決まった時、最後に残ったパリは2024年、ロサンゼルスは 
その次の28年開催都市と決め、敗者を出さない特例を敷いたのです。

         (ネット画像より)

  バッハ会長が選出(2013年)された翌年には、五輪改革案がまとめられ、五
輪招致や組織運営のアプローチが大きく変更されたそうです。『change or be
changed
』(結城氏訳:自ら変わらなければ、時代の変化に足元をすくわれるだろ
う)が、当時の合言葉で、今もIOC 会長室の壁に刻み込まれているそうです。

 そんな中、上述の3月24日のバッハ、安倍会談で、前代未聞の「延期」が決定さ
れたのです。
 バッハ会長は、『「感染が世界中に広がり、問題は日本がどうかというより、
世界中の国が参加できるかどうかに変わってきた」「いま全世界の人類が暗いト
ンネルの中にいるが、オリンピックの聖火をそのトンネルの出口を照らす光にし
たかった。東京オリンピックは人類が、いまだかつてない難局を乗り切ったお祝
いの場となる。世界の団結の象徴にしよう」』とのべています。

 すごい決定がなされたわけですけれども、6月に、IOCが各国の選手、コーチ、
競技関係者ら4000人へのアンケート調査を実施した結果、その中での項目「最も
困難な問題」として、「効果的な練習方法を見つけること」と回答した人が56%
と最も多くなったほか、「やる気の維持」と答えた人が50%に上り、感染収束が
見通せない中で、選手たちが競技にどう向き合うべきか不安を抱えていることが
浮き彫りになっています。

 バーナムの森が動くほどの決断がなされて「延期」が決まったことが、残さ
れた期間で奇跡的に好循環し、無事、来年の開催にめどが立つことが、すべてに
おいて望まれることで、なんとかその方向に進んでほしいところです。 しかし、
残念ながらアメリカ、ブラジルなどなどまだまだ拡大の勢いが衰えていないので
すね。

 昨日、東京都の新規感染者は224人と最多を記録しましたが、今日から、プロ野
球、サッカーは観客を入れた試合となり、このまま元に戻ることを念じるばかり
です。

 

 

「来年夏の五輪開催が無理なら中止」IOCバッハ会長(20/05/21)

 

 

 


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