このところ、毎週土曜日あたりには、自治体主催などの花火大会があり、大きな音と共に、特大の
スターマインなどが威勢よく打ち上げられ、しばし、暑さを我慢して眺めることが多くあります。
子供の頃に見た花火は、一度上がると、次に上がるまで待ち時間が長かったように記憶していますが、
最近のは電気仕掛けで次々と、5000発、1万発など飽きずに楽しませてくれます。
夏休みに、孫たちが来ると大抵 ベランダ花火を楽しむ習慣になっています。その孫も、高1、高3に
なった今年も、やはり、ベランダ花火となりました。 近くのスーパーで買い求めた花火は、もちろん
打ち上げ式でなく手持ちのものばかりですが、イマイチ迫力がなく特に線香花火なども、玉がすぐに
落ちたり、火花が貧弱な感じで、何やら物足りなさが残りました。
スマホか何かで検索しているうちに、花火問屋に直接出向いて買ってみよう、ということで、
浅草橋の専門店で買い求めてきました。
人形やおもちゃなどの問屋が軒を連ねる浅草橋の 隅田川と平行した江戸通り近辺に十数軒花火問屋があり、
なかなかの老舗で、構えも立派で、小売りもOK、店員も愛想よく説明してくれる。会社のグループでの
イベント用らしい、何種類もの打ち上げ花火を含めて大量に買って行く若ものも居たり、お店は大変
賑わっていました。
お店(例) 店内
当方は、どちらかというと、手持ち。それも特に線香花火でしっかりとしたものが欲しいといえば、
すかさず“それは国産に限る”ということで、その種類も、“大江戸牡丹”“徳川牡丹”などと
名付けられた、それらしくデザインされた紙封筒様の中に収められていました。
良く売れている“徳川”をはじめ、いくつかオリジナルも含めて買い求めてきました。
線香花火 徳川牡丹とその中身
浅草橋で花火を買って、浅草の方に足を延ばして、人形焼などを買って、早や家に向かいました。
外国人観光客の多いのが目立っていました。
仲見世 スカイツリーも
で、実際はどうだったかというと、火を付ける前の花火の姿がきれいだし、色使いもどことなく上品で、
火付きが良く、花火の燃えている時間がちがうように感じました。線香花火でいえば、火玉が大きく、
飛び散る火花も大きく、長持ちしました。それに品質のばらつきもあまり感じませんでした。
線香花火の他に、色がいくつも変わるものや、二重になって後から追いかける式のものなど、やはり
一味違った味わいがありました。2夜にわたって楽しみました。
徳川牡丹(国産線香花火) 九州炭火
ところで、線香花火の名の由来は、江戸時代に香炉に線香のように立てて遊んだことからだそうですが、
もともと、西日本では、竹ひごや藁の先に黒色火薬をむき出しに付着させたものを、香炉などに立てて
遊んだのだそうです。この構造を「すぼ手」というそうですが、東日本では、藁の代わりに和紙の
こよりの先に黒色火薬を包み込んだ「長手」とよばれるもので、最近ではほとんどがこのタイプが多い
ようです。
ついでですが、黒色火薬は硝石・硫黄・炭から作られますが、線香花火の火薬には、本来は、炭として
松煙と麻炭が使われていましたが、近年は入手困難で、代用品が使われているそうです。
線香花火が燃える段階は次の4段階に分けられそれぞれに名前が付けられています。
1、 牡丹:玉の状態。
2、 松葉:玉が激しく火花を発する。
3、 柳:火花が低調になる。
4、 散り菊:消える直前。
隅田川や、秋田大曲の花火などをテレビで見ると、どれも凄い名前が付けられていて、そのこだわりを
伺わせていますが、手持ちの線香花火でさえ、産地(国内)や製造メーカによって、火をつける前の状態が
すでにこだわっていて、包装、色彩、ネーミングなどユニークなものが多いのに気づきました。
そして、一瞬の火花の色、形、その変化など花火師の工夫を垣間見ることが出来るのでした。