雨はそぼ降る
こがれつつ行かずに過ぎた「かぎろひ」の丘に立ちおり時を隔てて
古都の町経巡る途上寄りたくもやむなく過ぎた四十年前
折にふれ時に触れつつ「かぎろひ」の野と人麻呂は脳裡を占めて
年降りて阿騎野の丘に来てみれば人麻呂いずこ雨はそぼ降る
千三百の星霜隔てありし日の君の姿をしばし見たしも
ひんがしにかぎろひ立たず煙る野の日中の幽暗花もしおれて
丘の上かえり見しても月はなくわずかに見える鈍色の空
吉野出で兎田の吾城の地大海人に草壁付きし列進み行く
軽皇子命の連鎖受け継いで丘に立ちおり草壁亡くも
蒼然と古色に染まり鎮座する歴史秘めおり阿騎の御社
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長くアップしませんでしたが、これから少しずつ出します。
もう桜の花でもないのですが、記録として今年の桜画像を次に出すことにします。
素晴らしい短歌ですね。
待って居ました。
一首ごとに五感に沁みます。
参考になります。
一首ごとに噛み締めながら鑑賞しました。
コピーして学ばせて頂きます。
年降りて阿騎野の丘に来てみれば人麻呂いずこ雨はそぼ降る
千三百の星霜隔てありし日の君の姿をしばし見たしも
深い心象に感銘しています。
歌は一朝一夕にできるものではなく、本当にしっかりと歌のことを考え続けないと無理ですね。
少なくとも私はそうです。何度も何度も推敲と添削、文字を入れ替えてみたり発想そのものを変えてみたりしていますが、なかなか良いものができないです。
いつも妥協の産物です。
修練を重ねますね。
今後もよろしくお願いします。