おかずブログ

ここでは主に撮影画像を発表します。
近場で撮影した植物などがメインとなります。

早春賦

2015年02月26日 | 歌稿


早春賦                        

冥界の使いのように雪は降る淡い明かりにしじまも浮かぶ

春の色しのばせ落ちる寒の雪しらじら夜に拍子木の音

降り積もりほのかに灯る常夜灯蕗のさみどり出づる日こがれ

如月も末にしなれば土筆出る時のあわいの小さき墓碑銘

寒空に耐えて立ちたる裸樹に花は咲き出で人を動かし

さまざまのきざはしはあり日を次いで定めのままに春の足音

見えもせず触れもできずにきざはしを老いのまにまに危うく昇る

人住まず塵の積もれる古家に電気や水道請求書のあり

昔日に役目を終えた古家にかすかに残る生の残骸

まぼろしを背負いきざはし昇り来て見上げてみれば春の青空