好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

『尚も生きる。手を取りて』第41話「夢枕での再会」

2019-11-24 | ゲームブック二次創作

「ともあれ、用事は済んだ。あの三姉妹の所へ戻ろう」
(ナオが喋ったら、あの魔女たちも驚きますね)
「いや。今はまだこの件は隠しておく。俺は基本的には喋らない。
念のためだ」(心の声で話すのも出来るんだろ?)
(ええ、出来ますよ。用心したいのなら、わたしも協力します)

歩く内に陽が沈み、また月が上り始めた。
夜空に満月が映えている。
道の脇に大きな木を見つけたため、その根元を今晩の寝床に仕立てた。
それで眠りに落ちた先に、例の三姉妹の魔女がいた。
どうやら彼女たちは、ひとの夢枕にこうやって現れるのが趣味のようだ。

「それにしても見事に成長したわね、この魔物。
 皆でドリーの村で研究したいわ」
「それは彼の実力を確かめてからよ。もしもスカル藻の根を
持ってこられていたら、約束は守らないと」
「そうだよ、早く根をもらわないと!」

相変わらずお三方は、ユニゾンのように声を揃えて、
俺に呼びかけていた。
俺は、そこで目を覚ました。
吹く風が、頭上の木の枝をざわざわと鳴らしていた。

三姉妹が、どれも同じように期待に満ちた顔で、起きた俺を見つめていた。
俺が荷物袋から出した品に、三姉妹は快哉を上げた。


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