好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。※かつては名探偵コナンと逆転裁判、今はシティーハンターとADV全般の話題が主。

映画ネタ×2。

2019-10-18 | 物語全般

ここ暫くの、映画のハシゴ。


★『アド・アストラ』

主人公は、消息不明になった父を追い、太陽系の端を目指す。
宇宙旅行が身近になった未来のようで、それでいて細かい描写は現代的。
SFというより、むしろ純文学の作品を見ている印象が強かった。
前評判から、もっと壮絶な展開を予想していたが、実際はごく静か。
現在の考証に基づいた宇宙の景色は美しかった。
ただ、さすがに淡々としすぎて、うつらうつらと寝落ちしかけたのは私だ。


★『僕のワンダフル・ジャーニー』

『僕のワンダフル・ライフ』をビデオで見てから『ジャーニー』を劇場で。
高木渉氏が犬の声を演じてると知ったため吹替で。
犬好きの理想を詰め込んだ作品。
レトリーバーからヨーキーまで、年齢も種類も異なる犬が、
全員同じ犬に見える演出が凄まじい。
個人的には『ライフ』の方が、シナリオの偶然性が少ないため好み。
『ジャーニー』は前評判通り、ラストが最高。
黄金色の草原で、どうか二人ともお幸せに!


それでは。また次回。


世にあふれる放置自転車の意外な正体とは。

2019-10-13 | 物語全般

『どんがらがん』(byアヴラム=デイヴィッドスン)、読了。

全16話の短編集。

この本の収録作は、私の好きな
ミステリ・SF・ファンタジーの全てに渡っている。
これらのジャンルの共通点は、
「この世ならざる世界」を扱っている事だ。
殊能将之氏が編集しているというのも頷けるラインナップ。

本命は『さもなくば海は牡蠣でいっぱいに』。
タイトルの由来はホームズシリーズ『瀕死の探偵』の一節だが、
内容はホームズとは1ピコメートルも関係ない。
必要な時に限って引き出しから消える安全ピン。、
溜めてる覚えがないのにタンスから常にあふれるハンガー。
どこからともなく集まっては消えていく放置自転車。
それらの正体を知る事が出来る、かもしれない奇怪な作品。

表題にある『どんがらがん』は、SF要素ありのファンタジー。
どうしても、「どんがらどん」と発音したくなるのは、
私だけではないと思いたい。

文章の癖が強くて読むのに難儀するが、
一旦ハマればその癖が味になる。
小説好きなら一度は目を通す価値のある作品群だ。

それでは。また次回。


破壊される、夢の世界たち。

2019-10-07 | 物語全般

『ペンギン村に陽は落ちて』(by高橋源一郎)、読了。

奇妙な本である。
久しぶりに、いわゆるトンデモ本に当たったかもしれない。
こんな本を出せた1989年当時は大らかだったんだな。

構造からして一口で説明しづらい。
全7話の短編集と呼んでいいか分からない。
最初の「序文」というのも、そういう題の作品である。
その後の1作品が、前編と後編に分けられていて。
その前編と後編の間に、4つの短編が挟まっている。

で、問題は、その短編たちのモチーフ。
『Dr.スランプ』『サザエさん』『ウルトラマン』『ガラスの仮面』
『キン肉マン』『北斗の拳』『ドラえもん』
……という1989年当時の有名キャラ達、の同名人物(と呼ぶべき)によって、
不条理な展開がひたすら続いて終わる(終わってないかも)。

個人的に残念なのは、当の作者が、元ネタの作品たちに詳しくなさそうな事。
『Dr.スランプ』こそ、原作コミックスの細かい設定を持ち出しているが、
他は何とも。
ゾフィー(Zoffy)が女の子って設定に仰天するし、
ケンシロウはマトモな言語しゃべれてないし。
元ネタのファンが素直に楽しめる作品にしてほしかったな。

それでは。また次回。


創られた世界で、勇者は走る。

2019-09-29 | 物語全般

映画『レゴ ムービー』のDVDを見る。

公開当時は、純然たる子供向けと思い、見過ごしていた。
が、メタ構造を巧く扱ってるという評を読み、それで見た。

結論を言えば。数ヶ月ぶりに映画で泣いた。歓喜でマジ泣きした。

最初の舞台は、レゴブロックで作られた街・ブロックシティ。
主人公は、マニュアルに沿って生きる一介の作業員・エメット。
彼はひょんな事から、「世界」を救う勇者として活躍する事になる。

カラフルなブロックによる遠大なジオラマや、
刻々とトランスフォームするアイテムを眺めるだけでも見る価値ある。
主人公とヒロインとの共闘による成長も、胸が温かくなる。

そして、ストーリーの核心は――上位世界にある。
エメット達の「世界」の概念を作る、私たち現実の「世界」だ。
「大人」も「子供」も、誰もが対等であると、本作は示してくれる。

なお、この映画は字幕と吹替と、両方で見るのを強くオススメする。
歌の場面が多いから、字幕版は外せない。
逆に吹替版は、声優さん達の超絶技巧を味わえる。
何せ、キャストはたった8名。メインもモブも兼ねまくり。
特に、沢城みゆき氏・山寺宏一氏・玄田哲章氏のファンは見てほしい。

この設定で、次作の舞台は宇宙に移るという噂。
いずれ見なければ、と覚書。

それでは。また次回。


東西混交、パラレル時代劇。

2019-09-08 | 物語全般

『九十九81悪剣傳』(byタタツシンイチ)、読了。

古本屋でジャケット買い。
それで読み始めたものの、実は前半はなかなか手が進まず、
途中で暫く挫折していた。

この作品の舞台は、私たちと全く異なる歴史を辿る日本だ。
500年前に元寇に敗北し、あらゆる人種が侵略、移住してきた世界。
それでいて、日本独自の、私たちの江戸時代の文化も十二分に残っている。
言語も入り交じり、外来語は片っ端から日本語化。
「身元改め」と書いて「あいでんちばい(indentify)」は恐れ入った。

そうした設定を飲み込んでいれば、一気に読める。
乱れきった悪政の国を、文字通り斬りまくる侍・
九十九81(つくも やそいち)と、その相棒の農夫・メロスの物語。

サブタイトルには「殉死も悪いもんじゃねぇ」とある。
また、81に問われてメロスは、「乱れた畑は焼く」と答える。
さて問題。そんな状況で、国王が亡くなった時、起こる出来事は?
答えの予想はついたものの、それでも衝撃は強かった。

ところで、後の事件を思わせる箇所が幾つもあったけれど。
調べたところ続刊は出てないのかな?

それでは。また次回。


ゲーム世界からの脱出ゲーム。

2019-09-01 | 物語全般

『仮想空間計画』(by J.P.ホーガン)、読了。

『星を継ぐもの』『未来からのホットライン』『時間泥棒』と、
読んできた本どれも当たりのホーガン作品。

コンピュータのエキスパートである主人公は、
VR(仮想現実)装置事業の失敗から社会生活不適応者となり、
リハビリしながら12年を暮らしてきた。

だが彼は、自分がずっと、時間圧縮されたVR世界で生きていた事を知る。
きっかけの一つは、自分の周りの人々が、
たとえ話のユーモアを理解できない事だった。
彼らは皆、CGアニメのNPC。
会話で成長しようとしているAI達だったわけだ。

最後、VR世界からの脱出劇は圧巻。
かつての記憶を取り戻した主人公は、
得意分野の専門用語を操り、VRシステムを掌握。
偽の世界は崩壊し、彼は生きるべき現実へ還る。

これほど高度な話が、にもかかわらず非常に分かりやすく
書かれている事に驚くほか無い。
ましてこの作品、初出は1995年。
(余談ながら『クラインの壷』は1989年)
VRに興味ある方はどうぞご一読を。

それでは。また次回。


物語にルールなどない。面白ければ。

2019-08-17 | 物語全般

『邪眼鳥』(by筒井康隆)、読了……したつもり。

因みに1997年作。
ところで筒井氏は、話せば長い事情から、
1992~1996年は断筆状態にあった。
つまり本作が書かれたのは、言ってみれば断筆明けの時代。

だからなのか、違うのか。
とにもかくにも本作は実験的かつ難解である。

差し当たっての筋書きは、亡くなった富豪の遺した
謎のレコードをきっかけに、
一族の子供たちが時空の混乱に飲まれていく、というのか。

場面転換の際、「行あき」どころか「行替え」さえ、
意図的に(←ここ重要)行わず、
ある人の台詞が途中から別の人のト書きにすり替わった辺りから、
申し訳ないが、私の頭は理解を拒絶した。

うん。なんも分からん(笑)。

併録されている、同年の『RPG試案――夫婦遍歴』も、
語るに及ばず、というより及べず。
つくづく、ギャップの激しい作家と思い知った作品である。

それでは。また次回。


不条理世界の言葉遊び。

2019-08-14 | 物語全般

『串刺し教授』(by筒井康隆)、読了。

全17話の短編集。

いわゆる不条理系作品が多い印象。

表題の作品も、教授本人の話題は(本題でないため)中途半端に終わる。

『きつねのお浜』や『追い討ちされた日』は、
時代劇と思わせていつの間にか現代が混ざり込んだりする。

『春』は、かつて読んだ『読者罵倒』の逆バージョンと呼ぶべきか。
脈絡も読点もないマシンガン文章?に頭がくらくらしてくる。

『妻四態』と『座右の駅』は、ずっと前に漫画版で見た記憶。
文章の方が寧ろ分かりやすいね。

個人的なお気に入りは、『言葉と<ずれ>』と『句点と読点』。
こういう言葉遊びの作品が私は好みだ。

それでは。また次回。


昭和の物語は現代へ通ず。

2019-08-07 | 物語全般

『おれに関する噂』(by筒井康隆)、読了。

昭和49年作。全11話の短編集。

表題の作品は、比較的有名だろう。
「日本中のマスコミが自分について報道している」。
当時でも現在でも、妄想の典型的症状の一つとされるが、
この作品では、それが実際に起こっているという異常事態。
主人公以外の医療関係者の方が現実を認められずに狂う流れには、
真っ黒な笑いが満ちている

『心臓に悪い』も、精神的病理がテーマ。
今で言うパニック障害を当時、既に書いている事に恐れ入る。

『幸福の限界』は、書かれた当時の時代性を痛烈に感じる。
昭和50年代くらいまでは、レジャーと言えばまず海だった印象。
21世紀のソシャゲレベルで全員が海水浴行ってた。

『講演旅行』の序盤には、にやにやしてしまった。
作品にかこつけて、奥さんにのろけまくる筒井さん、可愛いです(笑)。

それでは。また次回。


ジャズと共に任侠を。

2019-07-31 | 物語全般

『男たちのかいた絵』(by筒井康隆)、読了。

昭和49年作。全8話の連作短編集。
ただ、連作といっても厳密にはテーマが揃っている。
そのテーマとは、「やくざ」。
つまるところ、当時流行った任侠ものである。

組の構成員たちで繰り広げられる切った張った、
しかしながら筒井作品の登場人物となれば、
あらゆる意味で真っ当でなく。例えばいわゆる趣味性癖が。

個人的に気に入ったのは、『二人でお茶を』。
兄貴と舎弟、あるいは同格の男同士がぶつかり合うのは、
やっぱりロマンですな。うん。

因みにこの作品群のタイトルはどれも、
有名なジャズ曲だそうで。勉強を兼ねて動画を列挙。

夜も昼も
https://www.youtube.com/watch?v=o-mDkLIqcQg
恋とは何でしょう
https://www.youtube.com/watch?v=Az3gcwzmh1c
星屑
https://www.youtube.com/watch?v=ZWEBIFwRy4s
嘘は罪
https://www.youtube.com/watch?v=ZWEBIFwRy4s
アイス・クリーム
https://www.youtube.com/watch?v=_wsX_wcTpD0
あなたと夜と音楽と
https://www.youtube.com/watch?v=FkiFlz6h44k
二人でお茶を
https://www.youtube.com/watch?v=M5l7juyUxRo
素敵なあなた
https://www.youtube.com/watch?v=BF4TQ8pveF4

それでは。また次回。