Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2010年6月号  カクマ難民キャンプにおける微量栄養素の欠乏問題

2010年11月17日 | 人道支援
多層菜園(MSG)とキッチン菜園プログラム-栄養失調根絶のための希望の星-は、始めたとたんに挫折した。

約67000人のカクマキャンプの難民には、毎日、5トン以上の緑色野菜が必要だ。WFPによれば、配給食は2100キロカロリーと言われているが、それらはすべて乾燥した食料である。体が必要とする各種のビタミンやミネラルの補給には役立たない。そのため、難民の体はヘモグロビンの量が低下している。

2003年に、キャンプの様々なNGO(GTZ、LWF、IRC、国連機関のUNHCR、WFP)が発案し、MSGを立ち上げた。これまでになかった発想で、空いている容器に土を入れ、道路わきや路上にまで野菜が植えられた。そもそも難民は広い土地など持っていないが、そんなものは必要としないので、うまくいくだろうと期待された。

カクマキャンプ周辺は乾燥地帯で、ほとんど水がない。MSGプロジェクトでは、栽培に必要な水を、コミュニティーの給水栓に頼ろうとした。各コミュニティーでは、この水を集めるために穴を掘った。「うまくいくのなら、ありがたい提案だ」KANERE記者のインタビューに老人が答えた。

ごく一部の難民は、報奨金をもらったり小さい商いをしているので、野菜を買うことができる。他の大部分の難民は、配給されたものを売ったり物々交換したりすれば、野菜も食べられるが、十分な量ではない。

しかしこの革新的なプロジェクトは、初期の目的のごく一部しか達成できなかった。水が足りず、スタートから数カ月で挫折してしまった。

当面の策として、WFPはDSMと共同で、通常の食料バスケットの一部にMix Me製品を加えた。当初、この製品を受け取ったのはごく少数の難民だった。その後、4分の1近くの人が配給時にMix Meを受け取るようになったものの、使っている人はごくわずかだ。

プロジェクトは喜ばれ、多くの難民の命を取り戻すためのものだった。コミュニティーは政府と難民支援団体に対して、資金を結集して、子どもや妊婦、その他、弱い立場の難民の栄養失調を防止するために投資してほしいと要望している。


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