Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2010年7-10月号 いたずら殺人電話

2011年01月02日 | カクマタウンとケニア

嘘の警告電話がかかり、カクマの携帯使用者の多くがパニックに陥った。 

人を殺すパワーを持つ幾つかの番号からしきりに電話がかかっていると警告するSMSe-メールのメッセージが、携帯電話の使用者のところに届いているが、こういうメッセージは無視するようにと注意が出た。 

問題のメッセージは――いたずら電話なのだが――高周波光線を放射する死の電話に応対したあと、脳出血により27人が死亡しているので注意するようにと警告している。ケニア通信省は、メッセージはいたずらであると明言している。92日付けのデイリーネイション紙にも、こんな記事が掲載された。「あなたはこれまでに、死をもたらす特別な電話番号について、警告するような電話やSMSをもらったことがありますか?」 電話加入者のところにかかってくる電話のナンバーは、赤、青、緑の異なった色で表示され、携帯の場合は画面に番号が表示されない。一瞬のうちに死をもたらす番号とは、78883080019316048121987626621198888541379876715587 

リストにある番号は携帯電話のものではなく、固定電話か国際電話に割り当てられている番号にも関わらず、携帯加入者の携帯に送られてきていると難民たちは納得のいかない様子。「電話を受けた途端に、鼻や口から血が吹き出した」サントと名乗るスーダン難民は、94日、難民病院での5日間の入院後に、カネレのインタビューにこう答えている。医療関係者の話では、IRC病院で死亡者が出たという報告は受けていないとのことである。 

このいたずらメッセージは、831日に届きはじめ、93日まで続いた。これにより、多数の難民や地元のケニア住民がパニックに陥った。ケニア通信省からの説明にも関わらず、携帯の使用者は未だに噂に踊らされている。「家族もいるし、外国に友人もいる。携帯は必要だ。それでも、怪しげな電話や、個人電話に出ないだけでなく、普通の通話にも出ることができない。死ぬような危険な目には遭いたくないから、皆そうしている」 カクマ1に住んでいるソマリア人のモハメドは、こう言う。 

難民キャンプでは、警告電話について様々な噂が流れている。ある人は、赤い番号が幽霊のように携帯に浮かび上がって人々を殺していると言うし、他の人は、殺人電話に応じても拒絶しても携帯が爆発すると言っている。デイリー・ネイション・マガジンは噂を鎮めようと、「ケニア通信省の専門家は、携帯電話が即座に負傷や死をもたらすような周波数音波を発信することはあり得ない、と述べた」との声明を出した。それでもエチオピア人のアブディ・キロは「13桁の番号の赤い色の電話を受けた。その瞬間、携帯を放り出して逃げ出した」と話す。さらに彼は、携帯電話を受けた人が恐怖で電話に出られないのを何度も目撃した、とつけ加えた。 

キャンプでは、多くの難民たちが死への恐怖から何週間も携帯の電源を切っている。カクマ警察でのインタビューで、部署を統括している警察官は「本件は確かに起きているようだが、発生源はつきとめられていない。誰も死者はいないので、警察の記録にも残っていない」と述べた。 

ナイロビにあるユニバーサルTVは、大衆を巻き込んだこのデマ事件に関連して次のように報道した。「殺人電話を受けた後にナイロビの病院に収容された人が2人いる。彼らは現地時間で94日午後1045分に電話を受け、直ぐに口や鼻から出血し始めた」これは衝撃的な報道だが、いたずら電話の経緯は未だに明らかになっていない。

信頼できる情報によると、この悪ふざけは、ケニアで発生した後、ガーナやインド、中近東諸国で流行っているという。



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