KANEREジャーナリスト カバタ&トロッサ
カクマ難民キャンプの住民は、携帯電話を利用してUNHCRのスタッフと連絡を取ったり面会の予約を入れたりすることが可能になった。
2017年に、ケニアから再定住の難民を送り出すことをめぐって汚職が蔓延したことを受けて、難民や難民申請者がカクマの国連難民機関事務所に立ち入ることが厳しく制限されるようになった。そのために、多くの場合、難民が心配事を訴えたり保護を要請できるのは地域事務センターだけになっていた。
この流れを変える方策として始まったのが、キオスク・アクセス・サービス・アンド・インフォメーション(略称KASI)だ。難民や難民認定申請者の質問や要望はこのプラットフォームを通してUNHCRカクマ事務所の適切な部署に届けられる。
UNHCR支部長をしているサクル・キャンザイゾグルによれば、KASIのおかげで難民は自分のファイルに記載されている重要な情報を見たり面会の予約を入れたりできるようになるという。彼のツイッターには、すでに1万人以上がKASIに加入しているとあるが、KANEREの記者がUNHCRに連絡を取ったところ、メディアの質問には答えられないと言われた。
保護や再定住、その他の問題についての面会を予約するには、2段階の手続きを踏むことになる。まずUNHCRのスタッフに会うための順番待ちをしてから、携帯電話番号の登録をする。その後、5桁の加入証明番号を受け取り、そこではじめて面会予約の資格を得る。
【写真】 携帯電話の登録に並ぶカクマ1の住民たち
つぎに、面会予約を希望する人はProGressというアプリの入ったノートパソコンを利用して、実際に予約を取る。このアプリの入ったノートパソコンは、将来的にはすべての地域事務所に置かれることになっている。これにより、難民たちはUNHCRの現地スタッフに干渉されることなく自分のファイルにアクセスしたり心配事を提出できるようになる。
新しいテクノロジーのおかげで難民たちがUNHCRに連絡したり面会の予約を取りやすくなった一方で、このテクノロジーの使い方が人々の前に立ちはだかる障害になっているようだ。カクマ難民キャンプの住民の多くは、ProGressの操作に必要なコンピュータスキルを持ち合わせていない。さらに、オープンで広範囲からアクセス可能なプラットフォームをつくるには、克服すべき課題がいくつかある。よく障害になるのは、インターネット接続、システムのメンテナンスなどの問題、そして言語や識字能力の問題だ。このプラットフォームは、英語、スワヒリ語、ソマリア語で読めるようになっているが、それでも、南スーダン出身者などキャンプの住民の多くは取り残され、アクセスを制限されている。
KANEREの取材に応じた難民の中には、新しいテクノロジーに慣れるのは難しいと言う人もいた。難民キャンプの住民の多くは携帯電話を持っていないしコンピューターの操作もできないからだ。「2つの手続きが終わったら、コンピューターのスキルがある人に連絡するように言われました。助けてくれる人を探すのに1週間以上かかります。私は面会日時を予約するためのコンピューター操作ができないのです」オロモ人の難民が地域事務センター2で私たちにこう説明してくれた。
この手続きの第一段階では、また別の問題が生じている。プログラムに加入して5桁の加入証明番号を受け取るには、UNHCRのスタッフに会う必要があるが、会うまでに1週間あるいはそれ以上かかる。セキュリティ上の緊急な問題があったり保護を必要としている人たちにとって、この待ち時間はいかにも長い。
「お役所仕事の最たるものだ」コミュニティリーダーのヘンドリックの言葉だ。彼は事務所のスタッフに会い自分の番号を受け取るのに25日以上かかった。
KANEREの記者はUNHCRカクマ事務所に新しいテクノロジーの開発状況に関して何度も取材を試みたが、メディアの質問には答えてはくれない。そんな中でUNHCRスタッフの一人が素性を明かさないことを条件に、待たされる期間は短くなったと話してくれた。「最近では、UNHCRは電話の登録、面会の日程確保、関連のある職員に案件を回すなどの仕事に力を入れており、待つ期間は短くなりました」UNHCRカクマ事務所のスタッフの言葉だ。
KASIは難民キャンプ住民の間で人気の話題だ。多くの難民や難民認定申請者が、電話を登録して面会予約をしようと、ナイロビをはじめ各地からカクマ難民キャンプにやってきている。
我々の取材に答えてくれた人の中で手続きをすべて完了した何人かがこう言っていた。確かに予定通りにUNHCRの職員に会えたが、得られた情報や支援は限られたものであり、とてもがっかりした。
また、ソマリア出身の難民で2009年に亡命したイスマイル・モハメドのように、このプラットフォームによって携帯電話のプライバシーに関するセキュリティが脆弱になってしまのではないかと懸念している人たちもいる。
現在のところ、KASIのプラットフォームは4つの地域事務所に人員を配置している。地域事務所1、2、4とカロベイエイ統合居住キャンプだ。
カクマ難民キャンプの住民は、携帯電話を利用してUNHCRのスタッフと連絡を取ったり面会の予約を入れたりすることが可能になった。
2017年に、ケニアから再定住の難民を送り出すことをめぐって汚職が蔓延したことを受けて、難民や難民申請者がカクマの国連難民機関事務所に立ち入ることが厳しく制限されるようになった。そのために、多くの場合、難民が心配事を訴えたり保護を要請できるのは地域事務センターだけになっていた。
この流れを変える方策として始まったのが、キオスク・アクセス・サービス・アンド・インフォメーション(略称KASI)だ。難民や難民認定申請者の質問や要望はこのプラットフォームを通してUNHCRカクマ事務所の適切な部署に届けられる。
UNHCR支部長をしているサクル・キャンザイゾグルによれば、KASIのおかげで難民は自分のファイルに記載されている重要な情報を見たり面会の予約を入れたりできるようになるという。彼のツイッターには、すでに1万人以上がKASIに加入しているとあるが、KANEREの記者がUNHCRに連絡を取ったところ、メディアの質問には答えられないと言われた。
保護や再定住、その他の問題についての面会を予約するには、2段階の手続きを踏むことになる。まずUNHCRのスタッフに会うための順番待ちをしてから、携帯電話番号の登録をする。その後、5桁の加入証明番号を受け取り、そこではじめて面会予約の資格を得る。
【写真】 携帯電話の登録に並ぶカクマ1の住民たち
つぎに、面会予約を希望する人はProGressというアプリの入ったノートパソコンを利用して、実際に予約を取る。このアプリの入ったノートパソコンは、将来的にはすべての地域事務所に置かれることになっている。これにより、難民たちはUNHCRの現地スタッフに干渉されることなく自分のファイルにアクセスしたり心配事を提出できるようになる。
新しいテクノロジーのおかげで難民たちがUNHCRに連絡したり面会の予約を取りやすくなった一方で、このテクノロジーの使い方が人々の前に立ちはだかる障害になっているようだ。カクマ難民キャンプの住民の多くは、ProGressの操作に必要なコンピュータスキルを持ち合わせていない。さらに、オープンで広範囲からアクセス可能なプラットフォームをつくるには、克服すべき課題がいくつかある。よく障害になるのは、インターネット接続、システムのメンテナンスなどの問題、そして言語や識字能力の問題だ。このプラットフォームは、英語、スワヒリ語、ソマリア語で読めるようになっているが、それでも、南スーダン出身者などキャンプの住民の多くは取り残され、アクセスを制限されている。
KANEREの取材に応じた難民の中には、新しいテクノロジーに慣れるのは難しいと言う人もいた。難民キャンプの住民の多くは携帯電話を持っていないしコンピューターの操作もできないからだ。「2つの手続きが終わったら、コンピューターのスキルがある人に連絡するように言われました。助けてくれる人を探すのに1週間以上かかります。私は面会日時を予約するためのコンピューター操作ができないのです」オロモ人の難民が地域事務センター2で私たちにこう説明してくれた。
この手続きの第一段階では、また別の問題が生じている。プログラムに加入して5桁の加入証明番号を受け取るには、UNHCRのスタッフに会う必要があるが、会うまでに1週間あるいはそれ以上かかる。セキュリティ上の緊急な問題があったり保護を必要としている人たちにとって、この待ち時間はいかにも長い。
「お役所仕事の最たるものだ」コミュニティリーダーのヘンドリックの言葉だ。彼は事務所のスタッフに会い自分の番号を受け取るのに25日以上かかった。
KANEREの記者はUNHCRカクマ事務所に新しいテクノロジーの開発状況に関して何度も取材を試みたが、メディアの質問には答えてはくれない。そんな中でUNHCRスタッフの一人が素性を明かさないことを条件に、待たされる期間は短くなったと話してくれた。「最近では、UNHCRは電話の登録、面会の日程確保、関連のある職員に案件を回すなどの仕事に力を入れており、待つ期間は短くなりました」UNHCRカクマ事務所のスタッフの言葉だ。
KASIは難民キャンプ住民の間で人気の話題だ。多くの難民や難民認定申請者が、電話を登録して面会予約をしようと、ナイロビをはじめ各地からカクマ難民キャンプにやってきている。
我々の取材に答えてくれた人の中で手続きをすべて完了した何人かがこう言っていた。確かに予定通りにUNHCRの職員に会えたが、得られた情報や支援は限られたものであり、とてもがっかりした。
また、ソマリア出身の難民で2009年に亡命したイスマイル・モハメドのように、このプラットフォームによって携帯電話のプライバシーに関するセキュリティが脆弱になってしまのではないかと懸念している人たちもいる。
現在のところ、KASIのプラットフォームは4つの地域事務所に人員を配置している。地域事務所1、2、4とカロベイエイ統合居住キャンプだ。
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