Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2014年8月号 カクマ1での警察による嫌がらせ

2014年11月01日 | 人道支援
外出禁止令の告知なしに警察はカクマ1において難民を検挙した。

10月26日、カクマ1で難民の一斉検挙が始まった。発端は、カクマ1ゾーン1ブロック10でエチオピア国籍の2つのグループの間で起きた社会的問題だった。

キャンプのこの地域の住民は、エチオピア人がほとんどで、彼らは主にオロモ語とアムハラ語が話している。

6月25日、アムハラ語を話す人たちが、オロモのコミュニティーのメンバー―がエチオピア国旗を燃やしたと言い出した。アムハラ語のグループにしてみれば、このような行為で不満を表すのは正しくないと考えたのだろうが、二部族間においてはいまだに疑念が晴れないでいる。

6月26日、ブロック10の公衆の面前で、アムハラ語を話すダニエルと、オロモ語を話すロベルが、喧嘩をした。これが一層の敵意を呼び、4人が喧嘩に加わり、さらに何人かの若者が加わって、負傷者が出る始末となった

通報を受けたケニア警察がかけつけ、事態は収まったが、エチオピア人の両部族から少なくとも26人が逮捕され、カクマ警察の留置場で一夜を明かすことになった。

6月27日、5人がロドワー裁判所に告発され、地域社会に暴力と緊張をもたらしたとして罪に問われた。4人のオロモ族は一人50,000ケニアシリングの保釈金で釈放され、アムハラ族からの3人は一人20,000ケニアシリングで釈放された。

このいざこざの原因をただすため、KANEREはアムハラとオロモの両指導者を取材した。ともに平和な共存に熱心に取り組んでいるリーダーだ。「些細な出来事が部族間問題にまで拡大してしまった。私のコミュニティーから30人以上が逮捕され、釈放された」 と言うのはエチオピア人のブロックリーダーだ。

わかったのは、若者の中に、たとえ亡命中であっても部族間には違いがあり政治的イデオロギーも違うことをきちんと理解していない者がいたことだ。「モスクの夜の祈りの後にオロモ族の者たちが逮捕され、法廷で侮辱され非難された」と、オロモ族のブロックリーダーは言った。

6月27日、ルーテル世界連盟(LWF)平和構築グループ、UNHCR難民保護官、ケニア難民省は、アムハラ族とオロモ族と共に合同会議を開き、この地の法と秩序を保つための警告を出した。

〈警察の活動〉
アムハラ族の者たちの不穏な動きについて報告を受けたケニア警察は、カクマ1ゾーン1ブロック1の住人にきちんとして告知することなく、外出禁止令を出した。

警察車両が難民の居住区を無灯火で走り回った。毎夜8時になると、住民たちから殴られた、嫌がらせを受けたと苦情が寄せられた。

6月27日から8月まで、住人は警察から暴行を含む嫌がらせを受けたり逮捕されたりした。この地区に住む大勢の難民が理由もわからず逮捕され、カクマ警察の留置場に拘留された。

「ここは電気やカフェのある市場です。6月以来、なぜ警察が誰彼かまわず殴ったり逮捕したりするのかわかりません」とスーダン人ヌエール族の指導者が語った。

6月30日、イスラム教徒の夜の祈りが終わった9時15分ごろ、12人が逮捕され警察の留置場で寝ることになった。イスラム教徒たちは単にモスクから帰宅するところをパトロール中の警察官に逮捕されたと悲しみを露わにした。

警察は仕事をするべきだが、尋問もしないで逮捕するべきではありません。信者たちはモスクから出て数分で逮捕されたんですよ」ビラルモスクで族長のひとりがKANEREに語った。

何人かわからないほどの人々が逮捕され、中には警察に徹底的な身体操作をされた他の国籍の者もいた。多くは保釈金で留置場から釈放されたが、その他の者は法廷で裁かれた。

同様の警察の嫌がらせは今も続いている。コミュニティーは怯え、キャンプ内での移動の自由も束縛されている。

7月5日、新たに28人が夜8時頃、逮捕された。KANERE記者の取材に、少なくとも20人が警察に殴られたと訴えた。翌日、グループ全員が2,500ケニアシリングを払い、カクマ警察署から釈放された。

カクマ警察署所長に聞いたところ、キャンプのすべての地域を安全にするため警察は夜間巡回を増やしているという。「我々は治安維持に努めているだけだ。警察の襲撃に関する苦情は、まったく寄せられていない」と警察署長はKANEREに語った。

以前は夜になると閉鎖されていたエチオピア地区への門は、夜中、開け放たれている。警察のパトロールが増えたにもかかわらず、地区難民は門が開いているので危険だと感じている。

二つの部族の指導者たちは、地区の者たちに平和な共存を図るように求めている。その一方、警察に対して、居住区の難民への嫌がらせをやめ、職業的なパトロールに徹するよう要請した



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