Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2020年11月号 カクマ難民、バイデン勝利による第三国定住の改善に期待

2021年01月23日 | 人道支援
【写真】CNNテレビによるアメリカの選挙結果を見る難民たち。カクマ1のエチオピアコミュニティのユニティホテルにて。 撮影:トロッサ・アスラト/ KANERE

トロッサ・アスラト/ KANEREスタッフライター

2016年にトランプが米国大統領に就任して以来、難民の問題は、難民の第三国定住と人道支援の世界的リーダーである米国だけでなく、ほとんどのヨーロッパ諸国でも激しい政治問題となっている。難民や庇護希望者を受け入れるはずの地元で、排外主義が出ていた。

トランプ政権は、「テロの起こりやすい」国からの難民を制限しているだけだと主張したが、この政策は世界中の難民に影響を及ぼした。米国への第三国定住が進行中の人々を含むケニア出身の難民の多くが、過去4年間、恐怖と絶望、不安の中で生きてきた。第三国定住の夢が消え、自殺やキャンプ内のメンタルヘルス関連の問題が増えている。

「トランプ政権下で台無しになったものをバイデンが元に戻してくれるのではないかと大いに期待しています。バイデンはイスラム教徒の入国禁止を解除すると思います」と言うのは、米国への第三国定住が予定されていたソマリア難民だ。

【写真】CNNテレビによるアメリカの選挙結果を見る難民たち。カクマ1のエチオピアコミュニティのユニティホテルにて。 撮影:トロッサ・アスラト/ KANERE

トランプ政権の誕生は、人道活動への援助額も大幅に削減した。これは、カクマの難民や庇護希望者のために活動している援助機関や支援団体にも影響を及ぼした。その結果、脆弱な難民や庇護希望者は大きな負担を被っている。彼らの多くは救援物資やその他の支援に依存しているからだ。

「過去4年間、カクマは、トランプのリーダーとしての発表に影響を受けてきました」とカクマの難民であるアジザは言う。

2017年1月20日(トランプが就任した日)から約4年間で、ケニアから第三国定住した難民はわずか3000人である。2020年8月のUNHCRの月次運用統計によると、2016年だけで6000人以上の難民が第三国定住したのとは対照的だ。

南スーダン出身の難民ライター、バルは次のように希望を述べている。「バイデンを大統領として迎えた米国は難民の希望の中心だ。かなりの数の難民が米国に行けるだろう」

トランプ大統領の就任以来、キャンプ内のほとんどの組織は活動を縮小することを余儀なくされ、ごく少数の人員で働かざるを得なかった組織もある。インセンティブスタッフとして働いていた難民の多くも解雇された。

「私は2019年12月まで、ルーテル世界連盟(LWF) のカクマ事務所で児童保護スタッフとして働いていましたが、予算削減のために解雇されました」とエチオピア難民、ガズがKANEREに語った。

バイデンは選挙運動中に、難民の第三国定住の上限を就任1年目に125,000人に引き上げ、トランプ政権の難民政策の巻き返しを図ると述べた。しかし、一部の難民は楽観視していない。トランプ政権は難民と庇護希望者に関する政策を変更し過ぎたので、こうした政策を取り消すには多くの時間と手腕が必要なのではないかと考えているからだ。


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