「越後は弥彦山から」 越後平野にそびえる神の山。越後の国で最初に朝日に輝く山と言われ、海抜638mの頂上には御祭神の御神廟があり、神剣峰とも言われている。この主峰に対し北方にある峰を十宝山と称し御祭神が神宝を納められたと伝えられている。
御祭神は天香具命(アメノカゴヤマノミコト)弥彦山は高倉下命がお祀りされるずっと以前、古代から神の鎮座する霊山として、自然信仰の対象で崇拝されていたはずだから、高倉下命の登場は弥彦山ではなく弥彦神社の始まりとなる。
神武天皇東遷の最大の功労者がなぜ日本海の荒波を舟で渡って越の国に行かされたのか謎・・・・。
弥彦神社の境内は広く約四万坪、樹齢4~500年の古木に囲まれ、御本殿の背後に見える弥彦山の境内林、社有林は約六万坪の広大な苑地となっている。
拝殿の左手から弥彦山登山口に続く道は杉木立に囲まれた静かな散歩道で、万葉集に登場する植物とともに、歌碑が建てられ「万葉の道」として整備されている。新潟県森林浴の森百選に選ばれているだけあって、非常に居心地の良い神気漂う杜
登山道路は霊山の雰囲気満々で神気に浸り・・・。ロープウエー山頂駅と合流する9合目を過ぎたころ、突然左手にアンテナが、ゲッ・・・。ここにもか??
気を取り直して急な石段を歩き、奥宮の鳥居が見えた時、大きな建物が見えたと思ったら、それはそれは巨大な東北電力のアンテナ設置塔だった。鳥居も社務所も奥宮御廟森もかき消される威圧感で立つアンテナ、これはないでぇ!と思ったら左手の弥彦裏参道には巨大なNTTアンテナが・・・・。
山頂の奥宮 御神廟、右にも奥にも巨大なアンテナが見える。御神体山の風貌が台無しなのだが。
でもね、社務所で頂いた縁起には、
山上には日本山岳会の建てた記念碑、展望台もあり、NHK,民間放送局のテレビ塔、警察、県の防災無線塔、気象レーダー観測所、NTT,JR通信施設などがあって、神のいます山上から電波にのせて新しい文化の光を日夜県内外に放っている。
・・・。と書かれているので、別によそ者から文句言われる事ないのよね。国の為、人民の為なら神はわが身の安泰なん異に解さないと信じたい。
山頂から眺めた神社が見える杜は素晴らしかった。
神の住まう山は、杜があること、水の流れがあること、気があること。
すべて満たした、期待を裏切らない素晴らしい霊山で弥彦の町全体が境内のように見える。
神代から、越後の稲田を見守る「おやひこさま」は山頂ではなく、杜の中に佇んでいる。
1956年1月1日、福餅撒きに集まった参拝者が将棋倒しとなり、124人が死亡した。弥彦神社事件と呼ばれる痛ましい事故が起きている。