神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

枚岡神社と神津嶽(かみつだけ)

2010-09-26 12:54:26 | 奈良の山

河内国一の宮 枚岡神社は奈良から悪路で名高い国道308号線の暗峠を越えた生駒山西麓に鎮座。 創祀は、皇紀前まで遡り、神武天皇が大和の地で即位される3年前、神武天皇の勅命を奉じて、霊地神津嶽(かみつだけ)に一大磐境を設け祀られたのが枚岡神社の創祀とされています。 


ご神域は2万1千坪に及び、生駒山にあっては奈良側の往馬大社とともに貴重な自然が保存されており鎮守の森を守る活動も盛んです


主神の「天児屋根命」は天岩戸開き時、祝詩を詠んで天照大神を誘いだした神、「比売神」はその妃とされますがホントは古くから麓の人によって祀られていた地主神だという説もります。 西暦767年~770年春日大社に分祀せられたため、ここの神社は「元春日」と呼ばれ その後、春日大社から東国の神々「タケミカズチノ命」「フツヌシノ命」を勧請した。




ご神体山の元宮へは府民の森「かみつだけコース」として整備されているハイキングコースにそって展望台を目指して登る。スタート地点にある梅林は明治の神仏分離政策で廃寺となった多数の神宮寺院の跡地に造られたのが始まりだとか、枚岡梅林は梅の名所として有名で東大阪市の名勝に指定されています。



梅林から徒歩2~30分、途中の展望台から かみつだけコースに進み分岐の右手、しめ縄の掛けられた鳥居から急な石段を100メートル程歩くと 御神体山神津嶽で明るく開けた台地の上に枚岡神社創祀の地・元宮が建てられている。昔は柵が設けられ禁足地となっていたらしいが、昭和56年に石碑が建てられ、平成5年に石の社殿が築かれた。



お隣の石切神社と同じように神が降臨する山として古代信仰の名残があり、神津嶽の周りには、古代祭祀跡と思える磐座が存在、ワタシ的にはこれで充分、真新しい石碑も社殿もいらないんだが・・・。



展望台からは大阪平野を始め、瀬戸内海、淡路まで一望できる



大阪とは思えない鬱蒼とした静かな杜に囲まれた枚岡神社。出雲井・白水井という背後の山からの湧水を社殿の中にお祀りしていると言うことからして、古来は素朴な水の神様をお祀りしていたと思われる。ひらおかの森を守る会のサイトで本殿前のお堀の中に群生していたピンクの可愛い花は秋海棠だと知った。

暗峠:奈良平城京の三条大路から難波宮を一直線に最短距離で結ぶ古代の主要道路で、加太越伊勢街道とも呼ばれる。大和と河内の国境で難波に着岸する異国の悪しき侵入を防ぐ関門として宗教的な意味合いを持つ地名だとか。現在も国道308号線として機能しているが、運転大好きな自分でも二度と行きたくない道ナンバーワン!石畳の道路の狭さも特筆ものだが、特に奈良側から枚岡神社に抜ける道の勾配の凄さと言ったら、殆どオカルト。ジェットコースターで急降下するより恐怖だった。怖いもの見たさでもう一度行ってみたい気もするが・・・。