神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

春日大社の神奈備・御蓋山(みかさやま)

2009-09-15 16:59:56 | 奈良の山


春日山錬成会 秋の峰に参加して、古来より禁足地として守られている、標高295メートルの御蓋山浮雲峰に御鎮座されている本宮神社をお参りさせて頂いた。 巡拝は水谷神社でお祓いの後、大宮ご参拝、若宮ご参拝ののち、通常は入山が厳しく制限されている神域に入り、峰々に御鎮座になる神々様と、尊い御神縁を結ばせて頂きました。


若草山から望む御蓋山

本宮神社(ほんぐうじんじゃ)
延喜式内社「大和日向神社」に比定される古社で創立は明らかではないが、古伝によれば春日大社のご祭神タケミカズチノミコトはまずこの浮雲峰に降臨され、のちに現在地に遷祀されたと伝えられているだけに、その発祥は極めて古い。現在の社殿は近世に入ってから建てられたものであり、それ以前は社前にみられる約10メートル四方の自然石で囲んだ磐境に神様をお迎えし、お祭りが営まれたのであろう。

高山神社(こうせんじんじゃ)
春日山原始林の中、能登川の水源にお鎮まりになる水神さま。社前の水源には興福寺東金堂衆が鎌倉時代に奉納された石舟が現存する。

鳴雷神社(なるいかずちじんじゃ)
延喜式内社で、佐保川と能登川の源流である春日山の分水嶺に御鎮まりになる水神様。現在も11月26日には新嘗祭が執り行われている。以前は「香山龍王社」と呼ばれていた。社前にある「龍王池」は神秘な伝説が今に伝えられているが、鎌倉時代に書かれた『古事談』によれば猿沢池に住まわれていた龍王さまは、巫女の身投げで穢れた池から此処に移られたのち、室生の龍穴神社に移られた・・・。とか


山林内立ち入り禁止の看板

春日大社は1200年前、奈良に都が出来た頃 日本の繁栄と国民の幸せを願って、鹿島神宮から御神霊を御蓋山にお迎え、河内一の宮 枚岡神社からアメノコヤネノミコト、ヒメミカミをご分配され、768年現在地に社殿を造営。以来藤原氏の守り神として今に至っていますが、それ以前より春日の神は摂社の榎本神社に祀られており、榎本神社の御祭神がこの土地の神さまと伝えられている。


鶯の滝

奈良に住んで20年、春日大社に初めてお参りしました。春日錬成会は春ノ峰・夏ノ峰・秋ノ峰・冬ノ峰として年4回行っていて どなたでも参加できます。朝9時~午後5時までの長時間歩行となるので少々の体力は必要ですが 清らかで心地よい御心遣いと美味しい昼食、直会、御神楽、お守りなど至れり尽くせりの御奉仕を頂き実に楽しい一日でした。本宮神社など禁足地内の神社撮影は許可されましたが、恐れ多くて掲載は控えます。 今なお 春日の御山に神様は御座しました。




代わりに・・・・。




物部神社と八百山

2009-09-07 14:08:51 | 中国地方の山


石見国一の宮:島根県大田市、山陰の名山三瓶山入口にあたる川合町に鎮座。社伝によれば514年(継体天皇8)勅命により祈祷を専門とする神殿が創建されたという。その後石見銀山争奪戦の兵火などで三度消失。現在の本殿は1856年改修された春日造りの重厚な建築で、県下では出雲大社につぐ規模となっている。



御祭神は宇摩志麻遅命(ウマシマジノミコト) 物部氏の御祖神として知られ、神武天皇即位の際、父神ニギハヤヒノミコトが携えて天降った十種の神宝を用いて、天皇のために鎮魂宝寿を祈願。その後 天香具山命(高倉下命)と共に物部の兵を率いて尾張、美濃、越国を平定され、高倉下命は越後の弥彦神社に鎮座。ウマシマジさんはさらに播磨、丹波を経て石見国に入り都留夫(つるぶ)・忍原(おしはら)・於爾(おに)・曽保里(そほり)の豪族を平定し、厳瓮(いつぺ)を据え、天津神を奉斎され(一瓶社の起源)、安の国(安濃郡名の起源)とされました。
そののち鶴に乗り鶴降山に降りられ国見をして、八百山が大和の天香具山に似ていることから、この山の麓に宮居を築かれました。


折居田のお腰掛岩:ご祭神が腰を掛けられた磐座と桜の樹を移設


物部神社はウマシマジさんが住居とした所に創建され、最初はご神体山である八百山を崇めていました。命が亡くなられてから八百山に葬られ、これが山頂にあるご神墓であるという。


稲荷神社の脇から登拝する



すぐに結界がある





御祭神ウマシマジノミコトの御神墓といわれる元宮(登山口から5分ほど)

熊野大社~出雲大社をご参拝して、念願の物部神社に来ることができた。出雲にはスサノオさんやニギハヤヒさんの気になる神社が多い。ウマシマジさんはニギハヤヒさんが長髄彦の妹を妃として誕生された御児。父から伝えられた大和国統治の印であり皇位継承の印でもある「瑞宝十種」を神武天皇に奉献。神武天皇が橿原宮で即位された時の皇后はウマシマジさんの妹・・・・。 これはニギハヤヒさんの統治権をウマシマジさんから神武天皇が継承されたということで、大和朝廷成立に関わる重大な事柄?・・・・。


ご朱印帳をお願いした時、宮司さんにお聞きしたら どうぞ登っても良いですよっと言われたが、最近ご神体山に登拝するのは躊躇してしまう。 山頂の磐座に本宮としてスサノオさんをお祀りしている石上布都魂神社と雰囲気が似ていた。せめてのお詫びに社殿創建1500年記念事業のご奉賛ご寄付をしてきた。

鎮魂祭:
古くは11月中の寅日申刻に行われていたが、現在は新嘗祭前夜に行われる。神武天皇御即位の時、祭神が宝寿の長久を祈念された古事による神事。神武即位以後毎年11月にウマシマジ及びその子孫が司祭者となって宮中で行われていた「鎮魂祭」の儀。その後現在に至るまで石上神宮でも行われているが、皇居では今でも布留大神の鎮魂祭を受け継いで行われているとか。

いやいや、日本国建国に関わる奥の深い神社です
物部神社の物静かで、すべてを語らない威厳は実にタイプ。アンチ藤原 物部ファン だしね