神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

巻向山とリョウサンの池

2011-02-25 11:08:31 | 三輪山
 
去年の秋、対岸の外鎌山の山頂から眺めた巻向山~初瀬山

三輪山の東に連なる標高567Mの山。山頂が顕著なわけでもなく、何かが祀られているわけでもないのにミステリアスな山域として古代史ファンには人気がある。学術的に公表されている物では満足できず、何か隠されたものがあるんではないかと嗅ぎまわるヨタを自認する自分的にも気になる山で今まで5~6回、周辺を歩いているが、神々の山に直結するデータはない。神奈備の三輪山と連なっている事から古来より禁足地だったのではないかと思う。



物部氏の祖神・ニギハヤヒさんを祀っていたと言われるリョウサンノ池。初瀬山と巻向山の分岐から巻向に向かう途中、桜井市白河の奥深い山中に青々とした水をたたえた大きな池のほとりにひっそりと佇む。ご祭神はスサノオ→牛頭天皇→善女龍王と変わり、明治に高麗神(タカオカミ)となり現在に至る。白河地区だけでなく出雲村の人々も高山神社に登り、雨乞いを祈ったという。



この一帯には他にもわき水や池が存在する。古来より雨や水に対する龍神信仰が行われていた事がうかがわれる。 


巻向山山頂・三等三角点(昔は眺望に優れていたらしいが今は植林に覆われている)


ダンノダイラ(三輪山の東1700m峯の上にあった古代出雲集落地) 麓にある十二柱神社は出雲村の村社だが、大昔は神殿がなく「ダンノダイラ」の磐座に向かって拝んでいた。 明治の初め頃まで、全村民が「ダンノダイラ」へ登って出雲の先祖を祀り偲んだ。一日中相撲をしたり、食べたりした(出雲村伝説より)とされる。

以前、事前学習なしにダンノダイラに訪れ、しめ縄で囲われた磐座よりさらに上によじ登ってしまい、後で聖域だと知った。ごめんなさい。こんな事を繰り返さないようにしないと。


十二柱神社

三輪山の麓、出雲地区の氏神様。境内には武烈天皇の皇居のあった地とされる列城宮跡伝承の碑が立つ。



さらに野見宿禰の五輪塔など 一帯には古代史に神話伝承に関わる名だたる地名が多い。相撲神社と言えば穴師にあるがこの五輪塔は出雲地区出身と言われる野見宿禰の古墳から移したお墓とされている。


さすが、相撲の起源、一対の狛犬を支えているのは8人のお相撲さん。





リョウサンの池の麓白河地区、白河川を挟んで右に初瀬山、巻向山に囲まれた絶好のポイント。夕暮れなので、パッとしないが桜の季節や棚田が整った季節はカメラマンに人気がある。



「 龍王の淵に湧き出る神の水 流れて清き白河川 」 高山神社の祠の傍に建つ碑

居合わせた方にお話を伺ったら、彼はこの碑を建てた時の地区会長さんだった。十二柱神社でも地元の謂れを伝記として書きしるしているという方から昔のダンノダイラの話を教えて頂いた。地元の方とお話できるチャンスはとても有難く、出会いを頂けるのは神さまからのプレゼントだと思う。 

巻向の桧原もいまだ雲居ねば小松が末ゆ沫雪流る 柿本人麻呂

雪が降ったらまた、巻向山に行こうと思っている。