金峯山寺パンフレットより
2010年は平城遷都1300年。奈良県内では記念イベントが目白押しですが、そのオープニングイベントとして2009年の午後10時から元旦の午前4時まで、吉野の金峯山寺蔵王堂(国宝)内の秘仏、蔵王権現立像(重文)が無料で特別公開されました。蔵王権現立像はお寺のご本尊で、高さ7.3メートルの中尊(釈迦如来)と6メートルの右尊(千手観音像)、左像(弥勒菩薩像)の三尊からなる木像。
蔵王権現立像は 日本最大の秘仏とされ、右手に持つ三鈷は悪を砕く相で、左手の刀印は一切の情欲や煩悩を断ち切る剣。左足で地下の悪魔を押さえ、右足で天地間の悪魔を払うお姿をされています。 さらに背後の赤い火炎は仏さまの偉大な智慧、身体の青黒色は仏さまの深い慈悲を現わしています。三尊の全身はことごとく悪魔を払う怒りの形相を現わされていますが、それは 釈迦如来、千手観音菩薩、弥勒菩薩を本来のお姿とする変化身で、それぞれ過去、現在、未来わたってわたくし達を守って下さる守護仏でもあります。
通いなれた吉野ですが、金峯山寺拝観は初めて、いきなりライトアップされた蔵王堂に圧倒され、さらに蔵王堂内の法要に案内され午後10時の合図とともにライトアップされた秘仏・蔵王権現立像を目の前1~2メートルで拝見させて頂いた時、誰もが「凄い!」としか言葉がありませんでした。
金峯山(きんぷせん)とは吉野山から山上ヶ岳(大峰)一帯を指す。飛鳥時代から聖地として知られ、7世紀後半、修験道を始めた役行者はこの金峯山で修業され、山上ヶ岳において、人々を迷いや苦しみから救い、悟りの世界に導くために金剛蔵王権現を祈りだされ、そのお姿を桜の木に彫刻し、山上ヶ岳と吉野山にお堂を建てお祀りされました。
法要も素晴らしかった。境内に響き渡る太鼓の音やホラガイの音色、行者さんのお経を読む作法にも感動。 吉野でも神様の追っかけをしていた自分ですが、陰陽 太陽と月、神と仏の重要性を再認識! 恐るべき修験業。 太鼓を叩いている精悍な行者さんのあまりのカッコよさに惚れ惚れしてしまった。
人々を救いたいという役行者の願いによって祈りだされた権現様、シバ神に捧げられたマントラにも似た感性で、心の中の内在神をビリビリ感じさせてくれた。いやぁ~何度行っても吉野は奥が深い。 真夜中の寒空で振舞われた吉野仙人鍋の暖かくて美味しかった事