神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

観音峰と龍泉寺

2012-04-11 18:54:32 | 奈良の山


修験の聖地 洞川のみたらい渓谷から気軽なハイキングが楽しめる観音峰は大峰随一の展望台として名高い。登るにつれて登山道路には雪が残っている。大峰一帯は世界遺産に登録されてから道路や標識が整備され 前鬼から釈迦ヶ岳に至る階段などは顰蹙ものだが、ここの要所要所に建つ南朝ゆかりの物語風石碑は読んで楽しい。


玉八大権現



南北朝動乱期に大塔宮親王が北条の軍勢に追われて、逃げ込んだという洞窟の中に、小さな観音様が祀られている。恐れ多くて撮影は遠慮した




観音峰展望台からは残雪の大日、稲村ヶ岳から弥山方面の眺めが素晴らしい。前は三つ塚から法力峠に抜けたが今日は龍泉寺に行くのが目的なので引き返した。



「真言宗醍醐派大峯 龍泉寺」

吉野の護持院とともに大峯山寺を護持する護持院で 本尊「弥勒菩薩」、八大龍王、役の行者尊をお祀りしています。千三百年前、修業中の役行者が洞川のほとりで、こんこんと湧き出る泉を発見。竜の口と名付けて、そのほとりに小堂を建て、八大龍王をお祀りされたのが始まりとされる修験道の根本道場。



岩窟から湧き出る泉:竜の口から湧き出る清水は、役行者以来、絶えることなく清冽な流れを境内にたたえ、修験者の清めの水として大峯山中第一の水行場となっており 洞川から大峯山に入る修験者は、宗派を問わず龍泉寺に詣で、竜の口より湧き出る清水をたたえた水行場で滝行、又は門内の池の水行を行い、八大龍王尊に道中安全を祈ってから、山上ヶ岳に向かうのが習わしだとか。 境内の泉からはたえずこんこんと湧き水がでており、至る所に水場がある。「山があり水があり気がある」全てを兼ね揃えた山のお寺。龍神さまはお住みになっていました。 盛大に催される八大龍王大祭に出かけてみたいです。


※大峰奥駈道は和佐又~大普賢~弥山~前鬼まで何度となく歩いているが、吉野と洞川からの山上ヶ岳一帯は女人禁制なので私の預り知らぬ領域。



結界門:「この霊山大峰山の掟は宗教的傅統に従って女性がこの門より向こうへ登ることを禁止します。」

ハイハイ、女人禁制!ね 「傅統」って何て読むの? 伝統的?


阪神大震災が起きた年、1月15日から山岳会の合宿で川合から弥山を目指していた。大雪で初日に狼平小屋まで行きつかず、頂仙岳手前でテント設営、あくる日も大雪で弥山どころか狼平手前で敗退。結構精鋭メンバーだったけど雪深かったせい、あくる朝に地震が起きた。 


大雪の大普賢岳

山岳会の女性は冬季だれもいない山上ヶ岳に平気で登っていたし、沢やは神童子谷から詰め上げたら望まずとも禁制区域に入っていたような・・・・。私はそんな罰あたりはしていない。


すぐ先にある「天河弁財天」

五社殿には龍神大神をお祀りしています。
大峯・弥山を源流とする清流は天の川にそそがれ坪内(壷中天)で蛇行し、その形は龍を偲ばせる。鎮守の杜 「琵琶山」の磐座に弁財天が鎮まり、古より多くの歴史を有す。この地は「四石三水八ツの杜」といわれ、四つの天から降った石、三ツの湧き出る清水、八ツの杜に囲まれし処とされ、神域をあらわす。そのうち三ツの天石を境内に祀る。

パワースポットとしては全国区の人気で、巡礼する著名人や若者で賑わっているらしい。ブームの根源にあるのは古代史のロマン。ここを語ると一冊の本になる・・・といいながら社務所で「天河への招待」「続編」と二冊の本を買ってしまった。

「天川へ、一歩足を踏み入れれば、心が洗われる。」ここにくるとなぜか懐かしい原風景を体験する。長い年月をかけて積み重ねられた信仰の上になりたつ高い精神性。八ヶ岳の縄文遺跡のように気持が古代にタイムスリップする。もし住めるなら洞川より断然坪内。山はいいな。


弥山山頂:天河大辨財天社奥の院(弥山神社) 5月奥駆縦走の時の画像

「後鬼の湯・宿 花屋徳兵衛」に宿泊した。一日6組なので土曜日は取れないから、仕事をサボって日曜泊。お風呂は狭いけど24時間。食事は美味しかった。