神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

朝熊山の八大龍王

2012-01-25 12:27:36 | 近畿の山
伊勢に来るたび足をのばす朝熊山。辰年なので山頂の八大龍王社を目指して朝熊岳道を歩いてみた。
 
「伊勢へ参らば朝熊を駆けよ、朝熊駆けねば片参り」 「岳参り」と呼ばれ金剛證寺への参拝道として整備された名残の町石が一町(109メートル)ごとに建てられている。高野山町石のミニ版。 



次第に雪道と変わる登山道路は急な坂もあるが整備されて歩きやすく、時折眼下に伊勢の風景が見える。


終点の22町石。



ここから舗装道路を歩き、八大龍王社の建つ山頂へ、




朝熊山は古来山全体が八大龍王の山だったのでは? 静けさの中に一種独特の雰囲気は残っている。そして山頂にお決まりのテレビ塔



数年前からマイブームは龍神さんなので、朝熊山は気になる山だった。どこからも眺められる身近で神々しい山・・・。昔はさぞ威厳のある霊山だったろう

八大龍王とは仏教を守護する龍(ナーガ)族の王さまを八尊集めたもの。経軌によって内容に差異があるが、『法華経』序品に説く八大龍王がもっとも流布している。他に『陀羅尼集経』では別の組み合わせを説く。わが国では主に、祈雨、止雨の尊格として信仰される。

端的に言えば仏教を守護する龍神のこと。真言密教では水神として雨乞いの神さまです。主に水中に住み、雲をよび雨を降らす神力を有する。インド原住民の間で信仰されていた蛇神が仏教に取り入れられたものと言われる。

「時により、過ぐれば民の嘆きなり、八大龍王 雨やめたまへ」 洪水が天に濫り、河川が氾濫、田畑の荒廃に苦慮した 将軍・源実朝 自ら祈念した歌がある

龍神信仰は奥が深く、幅も広い、朝熊山では感じなかったけれど、ふと宗像神社が浮かんできた。