神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

伊勢神宮と朝熊山

2007-09-26 17:31:15 | 近畿の山
伊勢神宮でのご参拝は外宮・内宮の後、伊雑宮にご参拝する事が多い。その後朝熊山に足を延ばすのだが、いつも軟弱に伊勢志摩スカイラインを利用する。 古来よりの登山道は朝熊岳道、宇治岳道、丸山道が有名ですが他にも10箇所を下らないらしい。 



朝熊山は標高555mの北峰と約540mの南峰(経ヶ峯)のほかにいくつかの山頂があり志摩半島の最高峰で伊勢志摩を代表する霊山として知られています。展望は周囲にひらけていて神島・答志島など鳥羽市の離島、伊勢湾対岸に渥美半島のほか、天気がよければ富士山を見ることができるとか。



もう一つの顔は 神宮奥の院として伊勢神宮の鬼門を守る寺として栄えた 朝熊岳金剛證寺 です。  古くから山岳信仰の対象となり、825年 空海が真言密教道場として南峯東腹に金剛證寺を建立したと伝えられており、室町時代には伊勢信仰と結びつき、「伊勢へ参らば朝熊を駆けよ、朝熊駆けねば片参り」とされ、隆盛を極めた。 400年ぶりに一般公開された国の重要文化財 本堂内陣は、御本尊の福威智満虚空蔵菩薩の真後ろに、天照大神をお祀りし神仏習合の思想を表しています。

一時は高野山とともに三大霊場と言われ この地方では宗派を問わず 葬儀ののちに朝熊山に登り、金剛證寺奥の院に塔婆を立て供養する岳参りという風習があり、約1万柱の卒塔婆が建立されている様子は他では見られない景観で圧倒されます。



山岳信仰・霊山など 何のその・・・。大正時代はケーブルカー、昭和に入るとスカイライン、ご多分に漏れず、山の頂上にはアンテナ立てまくり、なぜか展望足湯などという設備まである。それでも人出は少ないのだろう。設備はひなびてレストランに至っては閉館している。これで良い、ご神体山と言えども個人や企業所有では観光開発を止められないので 山から霊魂は逃げ出すことになるが、再び 静かになるとまた元のお姿に戻るかもしれない。