神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

日吉大社のご神体山 八王子山

2009-03-13 17:09:45 | 近畿の山


八王子山:大山咋神が坐す山
ご祭神 大山咋神(おおやまくいのかみ)は古事記に「此の神は近淡海国の日枝山に坐す」と記述されているように、神代の昔から比叡山に鎮座する地主神です

標高381m。牛尾山とも波母山(はもやま)小比叡山(おびえのやま)山王山 とも呼ばれており 比叡連邦を背後に印象的なコニーデ型の神奈備として実に気品のある山容で、頂上付近に建つ牛尾宮、三宮宮も坂本の街から眺められる。



奥宮登拝は東本宮の西側、牛尾宮遥拝所から、八丁坂と呼ばれるつづら折りの山道を15~20分歩く。かなりの急こう配だが、ご神域に溢れる神の「気」に癒される。 山王祭りご信仰発祥の源と云われる大岩、金大巌(こがねのおおいわ)の両側に、懸造り(舞台造り)の牛尾宮、三宮宮が並び立っています。



八王子の頂上近くに建つ、いずれも本殿は三間社流造り、拝殿は入母屋造りで懸造り、牛尾宮は(右)八王子宮ともいい、大山咋神の荒魂を祀り、三宮宮(左)は鴨玉依姫神の荒魂を祀る。両宮の間に屹立する巨石で、神の降り立つ磐座と考えられる。古くより「朝日に輝く金大巌」とよばれ、崇められております



比叡の山すそに、琵琶湖を望んで建つ日吉大社。西本宮、、東本宮を中心にして数多くの社殿が鎮座。古くより山王信仰の総本山として栄え、神仏混合の一大宗教世界が築かれていた。境内は八王子山を含む十三万坪で、国宝二棟、重要文化財一七棟を有す。かつては坂本の町々までもが神々の一大拠点であった。まさに千古の歴史遺産、坂本の町並みは深い重い宗教的雰囲気が残されています。


西本宮
ご祭神、大己貴神は天智天皇の大津京遷都にあたり三輪山(大神神社)より御神霊をお迎えして、大津京の国家鎮護の神として祀られた。


東本宮
大山咋神は山を支配する神であり、奥宮のあるご神体山を中心としてきわめて原始的な古代祭祀を司っていた神代の昔から比叡山に鎮座する地主神です。


山王鳥居

ふつうの明神鳥居の上に合掌組みと束がついた日吉社独特の鳥居。神道と仏教が結びついて生まれた。山王神道の教義を形に表したものといわれる。



1571年、信長により日吉社の社殿も坂本の街も焼き尽くされた。結界を越えて、八王子山へ逃げ延びようとした住民を信長の軍勢は老若男女問わず全員斬り殺し、その人々の血で大宮川や足洗川が真っ赤に染まったと伝えられている。その後領地は明智光秀に与えられ坂本城を築いたのは有名な話。光秀の死後、妻子ともども天守閣に火を放ち落城。夕刻、境内を流れる美しい大宮川を見てるとなぁんか因縁めいた話を想い出す・・・・。景山春樹さんの書かれた「神体山」に日吉社の神体山信仰について詳細に書かれている。神社の奥に山があるというより、山の中に神社がある・・・。清浄な気に満たされたご神苑であります。