神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

三輪山の登拝について

2007-04-05 15:29:13 | 三輪山
神々のいる山を訪ねたいと思うようになって、最初に訪れたのはやはり三輪山でした。 奈良県桜井市にある秀麗な円錐形の山で 「ヤマト王朝と三輪山の聖域」と記されているように 古来より最も聖なる山とされ、山そのものが 大神神社の神体山になっている「神奈備山」で古来より禁足地とされていました。  近年まで入山が禁止されていたそうですが、現在は狭井神社からの信仰登山に限り入山が許可されています。 でもホントは行かないほうがベストです。

小冊子 大三和によると「三輪の大神」は人に祟ったり、人間に猛威をふるい、恐怖を覚えしめる「神」であり、また、ヤマトを作り上げた神であります。 「神の中の神」「神と言えば三輪の大神」  漢字「神」の意味の一つに「ミワ、三輪の大神をいう」というのが加わって「大神神社」(おおみわ)をはじめとする地名・人名に用いられたとあります。 


見晴らし台から眺める三輪山

私の周りには、三輪山に安易な気持ちで登拝して、エライ目にあった人が存在します。 それなりの人に聞いた話では 人間が足を踏み入れるべきでない!と言われました。   山頂の奥津磐座が大物主大神の御神陵としての磐座だとしたら 三輪山は古墳のようなものだと考えられます。 だとしたら足を踏み入れるのは遠慮すべき山なのでは?と考えます。  それでも行きたい山です。 はじめに三輪山ありき、霊山探訪にあたって改めて恐る恐るご挨拶させて頂きました。

麓にある「大神神社」は三輪山山頂の大物主大神の奥津磐座を祭祀するために創建された神社で 三輪山全体をご神体とする、日本最古の神社です。本殿を設けず、三輪山をご神体をして護持奉斎する原始の神祀りの様と信仰を今に伝えています

登拝にあたっては、御本社の「荒御魂」をお祀りしている狭井神社で受付けをすませ、(300円)「登拝証」の襷をつけ、自ら祓い清めてから登拝道を心静かに進む事が義務づけられています。 登山道以外は立ち入り禁止、標高467メートル、万葉の時代から変わらない 松、杉、桧などの針葉樹に覆われた深い緑の山中、整備された道が続きます。「辺津磐座」「三光の滝」「中津磐座」を経て、頂上の「高宮神社」、更に進めば。神代の時代を彷彿とさせる「奥津磐座」に至ります。往復約2時間、神気に満ち溢れるお山に登れば、誰でも心身の穢れが洗い流される気持ちになりますが 山内での写真撮影・飲食禁止 大祭の日や特定日は入山できません。 ( スピリチュアルブームで、パワースポットとして紹介されている事もあって入山する人が増えている。 広々とした高宮神社の前で車座になって飲み食いしている団体さんに出会った事があるが、くれぐれも神域である事を忘れないように )・・・ 



山中にある磐座には神々の魂の憑り代(よりしろ)して、信仰の対象になったものと 神のご神陵(お墓)としての磐座があるとされています。 古来より神聖不可侵の禁足地で全山が「御留山」といわれ、神主、社家、関係奉仕者の御山清掃以外は山内に入る事を禁じていた三輪山。  以前の宮司さんの書かれた書物を読んでも 「信仰者の登頂を特別許可している事が問題である」 と否定的な意見を述べられている。

やはり、興味本位な登拝は慎んだほうが良いようだ。

三輪山だけではない、

拝殿前の右側に玉垣で囲まれた中にある 二股の老杉は「 巳の神杉 」と呼ばれご霊木として神聖視されています。 蛇さんをご神体とする信仰は昔からあったようですが 昭和46年、宮司さんの書かれた文を読んで思わずヒヤっとしました。  

三輪の巳の神杉に関する限り、「めずらしいから写真に撮って他人にも見せてやろう」とか巳さんのお姿を撮って神棚に上げようとするのは避けたほうが良いと申し上げておく。あえて撮りたい人には禁じているわけだはないので自由であるが、この頃のようにカメラを持った人が多くなると、知らずにほんとに素直な気持ちから撮影されては気の毒だと案ずるだけである。というのも当社の賽銭箱には、白紙に包まれた巳さんの写真が何枚も還されてくる。 また巳さんの入ったフィルムが戻ってくることもある。買ってまだ新しいカメラそのものまでがフィルムとともに納められていた事もある。調べてみると、いずれも決まったように家庭が乱されている。夫婦間の不和、家族に病人や死人がでたなどと訴えられる。このようなしだいであるが、ここには統計的に表われた実態を正直に申し上げておくだけにとどめよう・・・・・。